【kintone×医療業界】kintoneエバンジェリストに聞く!業務改善事例!

私の業務改善シリーズでは、トヨクモやkintone界隈の方1人1人が「どのように業務をしているのか」「どのような業務改善を実施したのか」をご紹介していきます。
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今回は、kintoneエバンジェリストの中尾さんに、kintoneとの出会い、kintoneやトヨクモ製品を用いた実際の業務改善事例についてお話しいただきました!

自己紹介・kintoneに出会ったきっかけ

合同会社典隆庵
中尾 典隆(なかお のりたか)さん

ーこれまでのご経歴や、どのような業務をされてきたか教えてください。

新卒で電子カルテのメーカーに入り、システムの導入担当として全国各地の病院に伺い、システム構築のお手伝いをする業務をしていました。5年ほど働いたのち、病院の情報システム部へ転職し、グループウェアの導入・更新の業務を行う中で、サイボウズの製品に出会いました。
当時、病院の情報システム部でグループウェアの導入が求められていて、まずGaroonを導入することになりました。

ーGaroonの導入前は、別のサービスが使われていたのですか?

導入前は、オンプレミスのシステムを使っており、病院外で使う場合は、病院が貸与したデバイスで、かつ、VPNで繋ぐという制限がありました。

貸与する対象も絞っていて、決裁権を持つ人が外出時に決裁ができなくなってしまう問題や、決裁以外の場面でも、出先でもリアルタイムに情報が見たいというニーズは高まっていたので、外でも不便なく使えるシステムが求められていました。

サイボウズLiveを使ったことがあり、サイボウズの製品は使いやすいイメージを持っていました。サイボウズ OfficeかGaroonとなった中で、勤めていた病院が社会医療法人だったので、アカデミックガバメントライセンスで利用できることが分かりました。

アカデミックガバメントライセンスとは、官公庁などの公共団体での業務利用でkintoneやGaroonを利用する際に、通常の利用料金より安価に契約が可能となるライセンスです。サイボウズ Officeと、Garoonで利用料金が10円の差しかなかったため、Garoonでワークフローを組めば、ランニングコストも抑えられるかなということで、Garoonに決めました。

また、当時所属していた部署で業務改善のミッションが流れてきた際、サイボウズのセミナー等で耳にしたのを思い出したのが、kintoneでした。最初はあまり興味が湧かなかったのですが、実際に触ってみると良さそうだったので、kintoneも同時に導入し、その後kintoneのコミュニティにも入り、どんどん好きになっていきました。kintoneが医療業界ではまだあまり盛り上がっていなかったので、盛り上げたいと思ったのです。

その後、kintone エバンジェリストに立候補し、活動を進める中で自社だけでなく、もっと外の業務改善もやってみたいと意識が高まったのと、kintoneの活発なコミュニティ活動にこれまで以上に参加したいと思うようになりました。そのような経緯があって今年独立し、それと同時に株式会社MOVEDにもジョインしました。

ーkintoneを実際に触ってみて、使いやすかったとのことですが、導入を決めた具体的なポイントはありますか?

kintoneは、ドラッグ&ドロップでフィールドを配置してアプリを作れますが、電子カルテのメーカーで提供していた電子カルテにも入力フォームを自分たちで作っていく似たような機能がありました。
そのため、kintoneのセミナーで説明されているような、現場で働く人々が自らアプリを作ってkintoneを活用していくことが実現できるのではと思いました。

また、以前は院内の共通クラウド上に保存されたエクセルを複数人で同時編集することでトラブルが起こっていました。それもkintoneの活用によって解消され、誰もがノーストレスで仕事を進めるようになったため、機能面でも不足はないと思い、導入を決めました。

ーkintoneのコミュニティに参加されているとのことでしたが、どのようなコミュニティに参加しているのですか?

kintone Caféが多いです。
新型コロナウイルスが明けてkintone Caféもリアル開催が増えていることもあり、参加するとすごく学びが多いです。他のユーザーの生の声は、原動力や刺激となりますし、自分もみんなに見せられるものを作ってみたいと思えました。

ーkintoneの運用担当者は、会社内で少人数のことが多く、孤独になりがちだと思うので、横のつながりや、情報の共有ができるコミュニティは、kintoneの運用を安心してやっていくために大切な場所になっていると思いますね!

kintoneと連携サービスを活用した業務改善事例

前職でkintoneを提案したのは中尾さんで、kintone関連のことは全て中尾さんにとなっていたようです。
そんな中尾さんにkintoneやトヨクモ製品を用いて、実際に行われた業務改善について伺いました!

ー【kintone】情シスへの問い合わせの起票や管理

病院の情報システム部では、病院内からの問い合わせ内容の管理を共有ドライブ上のエクセルで行っていましたが、業務を進める中で、不便な点が出ていたようです。

◇問題

  • 操作が情報システム部内の端末からしかできないため、自席に戻らないと入力できない
  • 共有エクセルに入力していたため、誰かが編集していると編集できない

◇対策

  • kintoneでの管理に移行した

◇効果

  • 順番待ちなく入力が行えるようになった
  • モバイルアプリもあるので、どこからでも、入力ができるようになった
    →◎入力漏れが減少
  • 過去の事例が、現場でも確認できるようになった
    →◎対応がスムーズに

PHSで情報システム部に問い合わせが来て、現場に行って、トラブル内容の確認を行っていました。kintone導入前は、対応内容の記録は、紙でメモしたり、頭で覚えておいたりして、自分の席に戻って入力という流れで行っていました。利便性が悪いとは思っていましたが、これが当たり前という認識でした。

また、困っている人が多いと、一つの場所に呼ばれて、席に戻ろうとしたタイミングで、また別の場所に呼ばれてという流れで、4〜5件連続での呼び出しもあったので、自席に戻る頃には一件目の記憶は薄れてきていました。

ーkintone導入後は、どのように変わりましたか?

対応したその場で、すぐ記録できるようになったのが、すごく楽で入力漏れも減少しました。
また、過去の事例も端末から見られます。過去同じような事例があった時、kintone導入前は記憶を頼りに対応するしかなかったですが、導入後は、kintoneで過去事例を検索し確認しながら現場に行けるので、対応もスムーズになりました。

ー情報システム部には何人くらいいらっしゃったのですか?

最大3人いましたが、kintoneを導入し動かしている時は、ほぼ2人で、病院の従業員700人超からの問い合わせに対応していました。

ーすごいですね。700人ともなると、対応数も多かったのではないですか?

1日に10件以上は、問い合わせが来ていました。しかし、それもkintoneを導入することで負担が軽減できました。

【FormBridge×kViewer×krewData】常勤・非常勤問わず全職員からのデータ収集

新型コロナウイルス流行期、病院では従業員の体調管理が必須でした。
最初は各部署で各従業員の情報をまとめていましたが、様々な問題点が出ており、kintoneとトヨクモ製品の掛け合わせで解決されたようです。

◇問題

  • 各部署からの体調の情報をエクセルをまとめる作業が大変
  • kintoneのライセンスを全従業員に配布できずkintoneに入力できる人が限られる

◇対策

  • FormBridgeで、各従業員が入力を行うようにした
  • kViewerで連携しログインユーザーの従業員名や所属部署を自動設定した
  • krewDataで毎朝空のデータを作成した

◇効果

  • kintoneのアカウントを持たない従業員も登録可能になった
  • 自分が入力した情報の確認が可能になった
  • 未入力者への注意が簡単になった
  • 全体管理者の集計作業の負担が軽減された

最初の頃は、職員の体調管理は各部署の職場長が出勤している職員に対して行い、メモを残している程度でした。その後、しっかり管理しようという流れになり、部署ごとでエクセルで管理して、全体の管理者に提出する運用となりました。

しかし、この運用は全体の管理者が各部署から受け取ったエクセルをまとめる作業が必要でかなりの時間がかかっていました。また、職員が休みの日にしたことを確認できないと対応が1日分遅れてしまうため、管理者の出勤・休みに関係なく全員が自身の体調に関する情報を入力できる必要もありました。

ランニングコストの関係で、全従業員にkintoneのアカウントを配布はできていなかったので、何かないかと探していたところ、見つけたのがトヨクモ製品でした。
まず、FormBridgeをお試しで入れてみてフォームを作ると、とりあえずkintoneライセンスを持たない人でも入力できるものができましたが、職員名や部署名を毎回手打ちする必要があったため、現場からは少し不評でした。
また、新規でレコードを登録をしてもらうだけだと、誰が入力済みかは分かりますが、一番重要である「誰がまだ入力していないか」を探すのが大変でした。

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そのため、kViewerと、krewDataも導入し、未入力の人が一目で分かるようにしたのです。(中尾氏)

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ー実際に、どのような仕様で確認できるようにしたか教えていただけますか?

まず、毎朝0時1分にkrewDataで職員マスタのアプリのレコードデータから、体調管理のアプリにその日の全員分の空の登録用のレコードが自動的に生成されるようにしました。

次に、従業員はkViewerでログインすると、自分のレコードだけが、見られるようになっています。新しい日付順に並んでいるので、一番上が本日の入力用のレコードであることが一目でわかります。そのレコードをFormBridge経由で編集して、kintoneに連携する仕様としました。

これによって、各従業員は自らの最近の体調に変化がないか確認でき、もし入力忘れがあったら、未入力のデータが残っているので、一目でそれが分かります。

また、管理側はkintoneの一覧で「未入力一覧」や、「発熱者一覧」などを作成し、一覧を見れば、声をかけなければならない人や、休みに切り替えさせないといけない人が確認できるようにして、管理しやすいようにしました。

ーそれは便利ですね!トヨクモ製品はどのように見つけられましたか?

Webで「kintone アカウントなし 入力」のように検索して、一番最初に出てきたのが、トヨクモさんでした。また、X(旧Twitter)でも見て、結構使っている人がいて事例もあり、お試し期間があることも導入の決め手として大きかったです。

【FAX×kintone】大量に届くFAXの仕分けを効率化!

病院の法人代表番号には、毎日たくさんのFAXが届きます。届いたFAXをkintoneへ連携することで、業務効率化を図ったそうです!

◇問題

  • 届くFAXの数が多いので管理に時間がかかる
  • 紙で出てくるので他の紙に挟まってしまう

◇対策

  • 届いたFAXがkintoneに連携されるようにした

◇効果

  • FAXに取りに行く必要がなくなった
  • PC上で簡単仕分けできるようになった
  • 紙の消費が削減された

病院には、医師会からの案内や、求人の紹介、病院間の情報の連携など、毎日たくさんのFAXが届きます。まず届いたものの要否を判断し、必要と判断したものはどこの誰に渡すのかを確認、場合によっては、別の事業所に届けたり、Garoonの掲示板に載せたりする必要がありました。それら様々な業務を処理していたのは総務課の方です。総務課は、私と同じフロアで仕事をしていたので、常々どうにかしてあげたいと思っていました。

ただ、FAXの連携サービスを利用するには対応する複合機を買わないといけないので、金額面のハードルもありました。しかし、当時使っていた複合機が10年もので、修理も頻繁に行われていたため、新しいものへの買い替え時だと皆が言っていました。連携サービスに対応する新たな複合機が元々使っていた複合機と同じ会社製のものだったので、操作性も近いことから(RICOH カンタンドキュメント活用 for kintone(ファクス受信モデル))の導入を決めました。

RICOH カンタンドキュメント活用 for kintone(ファクス受信モデル)を導入すると、届いたFAXのデータはkintone内に蓄積されるようになります。FAXが届く度に紙を取りに行く必要がなくなり、自分のPCで内容を確認できるようになったのです。
総務課の方たちは、自身のPC内に届いたデータを確認し、不要なものは削除、必要なものはGaroonのメッセージや掲示板に添付するのみとなり、すごく楽になったと喜びの声を頂きました。

ーデジタル化することで、紙の削減にも繋がりますね!

今後の展望

kintoneのコミュニティで、色々な方がkintoneの活用方法についてアウトプットされているのを見て助けられたので、私も積極的に新しいサービスに触ったり、既存のサービスでもバージョンアップされているものを試したりしながらアウトプットすることで、やりたいことを探している人の助けになれればと思っています。そうすることで、自分のところにも「こういうことができました!」というフィードバックが来るので、お互いに良いサイクルを回していけると思っています。

また、kintoneで仕事をしている身としては、インプットとアウトプットを続けて自分の引き出しを増やしていきたいです。
そうすることで、お客様に対して、こういう場合はこのやり方が良いとか、こういうやり方はどうですか?といった提案に繋がると思うので、積極的に様々なことを学んでいきたいと思っています。

ー中尾さんのSNSトヨクモ社員はいつも拝見していますよ。

「本当にみんなが刺激をくれます。アウトプットして、いいねがくるだけで嬉しいですし、『助かりました!』
『このようなことやってみました!』
といったコメントをくれると、モチベーションにもなるし、知識が増える喜びもあるし、得しかないです!」と中尾さんは締めてくれました。

合同会社典隆庵
中尾 典隆(なかお のりたか)さん

新卒で電子カルテのメーカーである株式会社ソフトウェア・サービスに入社し、全国各地の病院へのシステムの導入担当として約5年ほど勤務し、その後、奈良県の病院の情報システム部へ転職し、グループウェアの導入・更新の業務を行う。2023年8月、独立と同時に株式会社MOVEDにもジョイン。
kintone エバンジェリストとして、kintoneのコミュニティ活動への積極的な参加や、発信を行なっている。