こんにちは、トヨクモ新卒の小倉です。
もともと情報が少なかったアプリデザインスペシャリストですが、試験内容がリニューアルされたことで、何を勉強したらいいのかわからずに困っている方も多いのではないでしょうか。
トヨクモの新卒5人は7月までに全員アプリデザインスペシャリストに合格しました!
勉強方法にお悩みの方、受験しようか迷っている方の助けになるよう、トヨクモ流の勉強方法をご紹介します。
アプリデザインスペシャリストについて
「kintone認定 アプリデザインスペシャリスト」とは、kintoneアソシエイトを所有している方が受験可能なサイボウズ社公認の認定資格です。
2024年4月1日に試験内容がリニューアルされ、kintone SIGNPOSTに依拠したものになっています。
kintone認定 アプリデザインスペシャリストは、業務改善が必要とされる実践的なシナリオに対してkintone機能を適…
トヨクモ新卒5人の勉強方法
トヨクモの新卒5名は全員4月中~5月頭にアソシエイトに合格し、その後すぐにアプリデザインスペシャリストの勉強を開始しています。
今回試験内容がリニューアルされゼロからのスタートとなりましたが、新卒5人が協力しながら手探りで勉強し、見事全員合格することができました。
まずは5人それぞれの勉強方法を紹介します。
Iさん
- 勉強開始時期
6月上旬 - 合格時期
7月下旬 - 自分の勉強タイプ
コツコツやる方。 - 勉強方法
・kintone認定アソシエイト試験対策テキスト 第4版
・kintone SIGNPOSTとパターン実践ガイドを読む。1記事2分以内で全記事に目を通す、を一週間ほど前から繰り返す。
・実際にkintoneを触っての学習はそれほど - 伝えたいポイント
トヨクモのアプリ構成は基本的にADS(アプリデザインスペシャリスト)の出題範囲に準拠してそう。普段の業務を思い出せば解ける問題もかなりあります。理屈が頭に入っていれば、普段の業務で使うアプリ構成に得心する場面も多いと思うので、それを書き留めておくのも役に立ちました。
Kさん
- 勉強開始時期
5月上旬 - 合格時期
6月上旬 - 自分の勉強タイプ
・繰り返しやる
・数学とかもひたすら暗記でなんとかするタイプ - 勉強方法
・SIGNPOSTをざっくり2周くらい読み込んで大枠の概念を捉える
・SIGNPOST/パターン実践ガイドの中で暗記っぽい項目をまとめる(順序が決まっているもの・単語としてのインパクトが強いもの)
・まとめたものをまずは単語ごとなど小さな単位で穴あきにし、定着したタイミングで文節ごと/文章ごとなど穴あきを大きくして全体的な暗記をする
・kintoneヘルプのトラブルシューティングを1通り理解する - 伝えたいポイント
・暗記できそうな項目を見定める力が重要
・テーブル、関連レコード、アプリアクションのできること/できないことは必ず覚える
・全てkintoneで解決しなければいけないみたいな考え方を捨てる
→できないものはできないと突っぱねる勇気
Oさん
- 勉強開始時期
5月上旬 - 合格時期
6月上旬 - 自分の勉強タイプ
・大枠をとらえるためにざっくり→細かいところを詰めていく
・効率重視(ギリギリ合格でした…)
・直前に知識を詰め込みがち - 勉強方法
・SIGNPOSTにざっくり目を通して方針を理解する
・SIGNPOSTの要点を書き出し、こうきたらこう!と一問一答のように頭に入れる
・実践ガイドは大枠を意識して覚えつつ(図解したり)、細かい知識の部分は暗記
・複数アプリ間のアクションとテーブルの仕様を復習 - 伝えたいポイント
・アソシエイトは知識を問われたが、ADSは知識に基づいた運用方法を聞かれる
・細かく覚えるべきはSIGNPOSTより実践ガイドかも
・ルックアップとかテーブルとかの細かい知識もしっかり復習した方がいい
Sさん
- 勉強開始時期
4月末 - 合格時期
5月13日(トヨクモ最速!) - 自分の勉強タイプ
・考えるよりも数をこなす
・力こそパワー - 勉強方法
①SIGNPOSTのパターンを5周してkintoneの概念を覚える
②パターン実践ガイドとその中にある表を暗記する(何も見ずに書けるようにする)
③kintoneヘルプサイトで「関連レコード一覧」「アプリアクション」「ルックアップ」に関しての仕様を書いて覚える - 伝えたいポイント
・SIGNPOSTの概念とパターン実践ガイドの表を覚えることが最重要
・そのうえで、問題で聞かれていることを深く考えずにkintoneの仕様と照らし合わせて素直に答える
・問題の左側は読まなくていい
Yさん
- 勉強開始時期
5月上旬 - 合格時期
6月上旬 - 自分の勉強タイプ
・毎日コツコツやる方
・苦手だと感じたら何度も繰り返す
・タイピングではなく、紙で勉強する派 - 勉強方法
・SIGNPOSTを1周じっくりと読む
・1画面でまとめて見られるように、SIGNPOSTやパターン実践ガイドをスプレッドシートにまとめる
・どういうパターンがあるかを整理して覚えるため、SIGNPOSTのタイトル(例:1-6 業務のkintone化)をスプシに書き出し、印刷して赤シートで暗記
・パターン実践ガイドの表を紙に印刷して、赤シートで暗記 - 伝えたいポイント
・SIGNPOSTをひたすら読みこむ
・問題を解くときは深く考えすぎない
・似たような内容のステップは、違いを理解しておく
対策のポイント
試験範囲は大事!
試験範囲に書いてあることが試験に出ます! というのは至極当然ではあるのですが、何を問われるのかを適切に把握しましょう。
出典:https://cybozu.co.jp/kintone-certification/level/appdesign-specialist/
アプリデザインスペシャリストはkintoneの知識ではなく、kintoneを使ったプロジェクトの企画、kintoneの設計・構築、業務アプリの保守運用が出題範囲です。
もしこういうことをするならどう設計するか、という視点が必要になってきます。
とにかくkintone SIGNPOSTと実践ガイド
5人ともkintone SIGNPOSTとパターン実践ガイドをメインに勉強していました。
kintone SIGNPOST
kintone SIGNPOST(キントーン サインポスト)はkintoneを利用する上での設計・構築の勘所をまとめたコ…
パターン実践ガイド
kintone SIGNPOST(キントーン サインポスト)はkintoneを利用する上での設計・構築の勘所をまとめたコ…
とはいえ、ただただ周回するだけでは時間ばかりかかってしまいます。
そこで勉強する上でのポイントをいくつか紹介します。
1. kintone SIGNPOSTの考え方を掴む
SIGNPOSTを周回するときに大切なのは基本方針を知ることです。
SIGNPOSTのパターンを読んでみると、kintoneでできないことは無理にkintoneで解決しようとせず、問題の追及や見直しをして根本的な解決を目指していることがわかります。
アプリデザインスペシャリストを受験する方はkintoneの使い方もある程度知っているため、つい自分の中でできる/できないの判断を下したくなってしまうと思いますが、自分基準で考えると間違えてしまう問題もあります。
問題を解く上で必要なのは、SIGNPOSTの考え方に沿うこと、そして問題文に書かれているポイントを見逃さないことです。
以下はアプリデザインスペシャリストのサンプル問題です。
出典:https://cybozu.co.jp/kintone-certification/level/appdesign-specialist/
選択肢だけ見てみると、特に問題のある答えはなさそうです。
しかし問題文には「まずは業務の流れをつかみたい」とあります。流れを把握できそうな答えはDのみで、他は細かいところに注目する方法のようです。つまり答えはDです。
この問題はSIGNPOSTの1-09 業務の流れを掴むに対応しています。そもそも「業務課題の根本原因を追求」したいから、業務の流れを掴みたいんですね。
SIGNPOSTでは大きな流れの把握→細かい部分に着目の手順がよく見られます。
このように各パターンに共通した考え方を知っていると、問題の解きやすさが上がります。
2. 具体的な手順が書いてあるものは覚える
SIGNPOSTはざっくりとした考え方を示す道しるべになるような内容が多く、あまり暗記に向く内容ではありません(覚えられるなら一番よいのですが)。ポイントを押さえた対策も必要ですよね。
その場合、SIGNPOSTを読んで大まかな流れを掴みつつ、具体的に書かれている部分は丸っと覚えちゃいましょう。
たとえば以下は2-19 データの断捨離のページですが、データを移行するときの順番が明示されています。
出典:2-19 データの断捨離
また、3-28 最軽量のアクセス権設定には軽量なアクセス権を設定するための順番が記載されています。
大きい単位から小さい単位へ、の流れです。
こうした具体的な手順が書いてあるものは解釈が分かれないので、答えに直結します。
ラッキーと思って暗記するが吉!
暗記すべき箇所が多いのはパターン実践ガイドです。
こちらはSIGNPOSTの補足知識&運用方法がいっぱい詰まったページです。親切に表にまとめられているのでそれを丸暗記したり、全部書き出して暗記したりしているメンバーが多かったです。
ひたすら暗記じゃ頭に入らないという方は、まず運用の仕方を理解するところから始めるのをおすすめします。
社外やり取りを行う場合の設計を例にしてみましょう。
社外やり取りの方法は大きく分けて4つあります。
- ゲストスぺースでの運用
- 組織間のアクセス権を有効にする
- 外部連携サービスを利用する
- 別ドメインを用意する
上記それぞれのメリット、デメリットから使い分けを考えます。
まずゲストスペースでの運用は、社内環境と分かれているため社内情報と社外情報を明確に区別できる一方で、区別しているからこそ社内の業務で使っているアプリとの連携(ルックアップや関連レコード一覧)ができません。
反対に、組織間のアクセス権を有効にすると、社内の業務で使っているアプリとの連携(ルックアップや関連レコード一覧)ができる一方で、設定のミスで社内の情報が社外の人から見える状態になってしまうリスクがあります。
このように図解をしてみると、ゲストスペースは独立していて、組織間のアクセス権はあくまでも社内スペースに内包されていることがわかるのではないでしょうか。
実践パターンガイドではいろいろな運用が紹介されているので、どういうときにはどの運用を選択すべきか? メリット・デメリットは? と考えてみると、頭に入ってきやすいかもしれません。
アソシエイト知識の復習
SIGNPOSTがメインの内容かつ、アソシエイトとは違った問題形式とはいえ、アソシエイトで得た知識が必要な場面ももちろんあります。
アソシエイト受験から期間が空いた人は、以下をしっかりおさえましょう。
※トラブルシューティングも参考になります。
アプリ間のアクションについて復習!
繰り返しますが、アプリデザインスペシャリストでは知識というより運用方法について聞かれます。
つまり、単純にできる/できないではなく、「より適切な運用は何か」を考える必要があります。
アプリAの情報をアプリBで参照したいとき、ルックアップを使うか? アプリアクションを使うか? 関連レコード一覧を使うか? どれを使っても実現できそうだとしても、希望の運用に最も適した選択を選ばなくてはなりません。
私たちはこのようにまとめて整理しました。このあたりはアソシエイトの知識ですね。
設定の可/不可は意外と抜けている部分ではないでしょうか?
テーブル内フィールドだと設定不可のようなケースも要復習です。
アクセス権を復習!
基本的により軽量でよりメンテナンスが簡単な設計を目指したいです。
ユーザー単位でアクセス権を設定していると、たとえば部署異動が起きたときに再設定する手間がかかってしまいます。
部署ごとにアクセスの制限をしたければ部署(組織)単位で設定すると、Aさんが異動をしたとしてもアクセス権の再設定は必要ありません。
「どの単位でアクセス権を設定できるのか」のアソシエイト知識を復習しつつ、ケースごとに「どの単位でアクセス権を設定すべきなのか」を考えましょう。
実際に受験してみて
普段からkintoneを使っているため、kintoneありきの状態に慣れていましたが、アプリデザインスペシャリストの勉強を通して、「kintoneに移行したい」「kintoneの導入を考えている」といった段階について想像できるようになりました。
また新卒メンバーからは「トヨクモで実際に使っているkintone環境について、どういう意図で設計されたものなのかがわかるようになった」という声もあり、自分が使っている環境をよりよくするための視点も得られたのではないでしょうか。
今回新卒5人全員合格ということで、お祝いご飯会が開かれることでしょう!(わくわく)
kintone認定資格の受験を考えている方は、こちらの記事で中井さんがkintone認定資格の勉強方法をまとめてくださっているのでぜひご覧ください!
先日、カイゼンマネジメントエキスパート(KME)に合格した中井です。 【 #kintone】 #カイゼンマネジメントエキスパート に合格しました!!!資格を取得して終わりではなく、学んだことを実践していけるように日々精[…]
kintoneapp BLOGとは
kintoneapp BLOGとは、トヨクモ株式会社が運営する、サイボウズのクラウド版データベースアプリ「kintone(キントーン)」を便利に活用するためのブログです。
カイゼンマネジメントエキスパートに挑戦したい方はぜひ以下の記事も参考にしてください!
みなさんこんにちは!新卒1年目の里中です。 今回は、先日kintone認定エキスパート試験に合格した、トヨクモ社員のお二人にインタビューをしてきました。 トヨクモで初めてカイゼンマネジメントエキスパート(KME)を取得されたとい[…]