kintone × 生成AI連携で何ができる?活用方法や事例を徹底解説

「kintoneでの情報入力に時間を取られている」
「kintoneのデータを分析できる人がおらず、上手く使いこなせていない」
上記のようなリソース不足や人材不足の課題を解決するには、kintoneと生成AIの連携がおすすめです。
単純作業やデータ分析、書類作成などを生成AIに任せることで、少人数チームでも今よりクリエイティブな仕事を実現できるでしょう。
本記事では、kintoneと生成AIを連携してできることと、kintoneと連携できる代表的な生成AIサービス・プラグインを紹介します。
目次
kintoneと生成AIの連携でできること
以下では、kintoneと生成AIの連携でできることについて事例を交えながら紹介します。
多くの企業でも活用できる部分をピックアップしているので、自社で取り入れられるものがないか確認してみましょう。
申請内容の自動チェック
kintoneと生成AIを連携させれば、申請内容の自動チェックが可能になり、ステータス管理も容易になります。
申請書類のチェックは、量が増えると担当者の大きな負担となり、対応の遅れにもつながりかねません。また、人間によるチェックでは、どうしても見落としなどのヒューマンエラーが発生するリスクがあります。そこで生成AIを活用すれば、これらの課題を解決し、チェック業務の効率化とミスの防止が期待できます。
例えば、大阪府八尾市では、事業者向けの給付金申請にkintoneとAIシステムを導入しました。申請内容はkintoneに自動登録され、AIが添付書類の不備をチェックしアラートを出す仕組みを構築。これにより、確認作業の負担が大幅に軽減され、残業時間はほぼゼロになったといいます。さらに、事業者への給付も最短6日という迅速な対応を実現しました。
参考記事:[レポート]CybozuDays今こそ役所の常識を打ち破る時!自治体・ベンダー双方の革命児が語るボトムアップ改革|ノベルワークス
お問い合わせ対応の効率化
kintoneと生成AIの連携は、顧客からの問い合わせ対応業務の効率化にも有効です。対応時間の短縮や、対応漏れの防止につながります。
問い合わせ対応では、内容に応じて関連部署とスムーズに連携し、進捗状況を正確に把握する必要があります。kintoneで問い合わせ情報を管理し、生成AIを活用することで、これらのプロセスを効率化できます。
住信SBIネット銀行株式会社の事例では、従来、表計算ソフトとメールで行っていた問い合わせ管理をkintoneに移行。さらに、生成AIと連携させることで、業務効率化を実現しました。具体的には、AIチャットボットが顧客の質問に適切に回答できるか検証するための想定される質問パターンや、外貨取引で顧客から提出された書類の翻訳に生成AIを活用しています。これにより、従来は数時間かかっていた作業時間を大幅に短縮することに成功しました。
参考記事:テストシナリオ作りやドキュメンテーションにM-SOLUTIONSのプラグイン「Smart at AI」を活用。大量データの連続生成機能で業務の効率化を実現|Smart at
営業フローの改善
kintoneと生成AIの連携は、営業活動の効率化や質の向上にも貢献します。特定の営業担当者に依存している状況や、商談記録の属人化といった課題を解決するのに役立ちます。
例えば、不動産売買仲介業を営む株式会社ソロンでは、トップセールス担当者のノウハウが共有されず、kintoneに記録される商談情報の質にもばらつきがあるという課題を抱えていました。そこでkintoneと生成AIを連携させ、過去の商談データを分析。これにより、成約につながりやすいトークスクリプトを作成し、営業活動の改善に成功しました。
さらに、生成AIによる商談の自動文字起こしと要約機能により、報告書作成の手間を削減。案件の引き継ぎが円滑になったほか、蓄積されたデータは新人教育にも活用されています。このように生成AIを活用することで、営業担当者はより重要な業務に集中できるようになり、組織全体の営業力強化につながります。
参考記事:お客様に刺さるトークスクリプトで、営業の属人化が解消!|Front Agent
システムの設計書作成
システムの設計や改善における要件定義は、複雑化しやすく時間もかかります。kintoneと生成AIを連携させることで、このプロセスを効率化し、要件の漏れや設計書作成にかかる工数を削減できます。
例えば、kintoneアプリ開発において、社内からさまざまな要望を集めた場合、それらを整理し、優先順位をつけ、仕様に落とし込む作業は煩雑になりがちです。しかし、生成AIを活用すれば、打ち合わせの議事録などから要件を自動で抽出し、整理することが可能です。
さらに、要件定義書や設計書のドラフト作成までAIが支援してくれるため、担当者の負担を大幅に軽減できます。これにより、設計にかかる期間が短縮され、プロジェクトをよりスムーズに進めることが可能になるでしょう。
参考記事:【情報システム部門】kintone×AI 活用ユースケース|kintone
社内データベースの検索性改善
kintone内に蓄積された大量のデータの中から、必要な情報を効率的に探し出すことは、時に困難な場合があります。そこで、生成AIと連携することで、検索性を大幅に向上させることができます。
例えば、社員のスキルや経歴といった人材情報は、複数のアプリやファイルに分散して管理されているケースも少なくありません。新しいプロジェクトチームを編成する際など、特定のスキルを持つ人材を探すのに時間がかかってしまうことがあります。
kintoneで人材情報を一元管理し、さらに生成AIと連携させれば、自然言語で「〇〇のスキルを持つエンジニアを探して」のように指示するだけで、AIがkintone内のデータを横断的に検索し、候補者をリストアップしてくれます。これにより、勘や口コミに頼ることなく、データに基づいた客観的な人材選定が可能となり、プロジェクトの成功率向上にも貢献します。
参考記事:【情報システム部門】kintone×AI 活用ユースケース|kintone
kintoneと連携できる代表的な生成AIサービス・プラグイン7選
ここでは、kintoneと連携できる生成AIサービス・プラグインを7つ紹介します。
kMailer
(引用:kMailer)
kMailerは、kintone内のデータを活用したメールを自動で送れるサービスです。
生成AIに関する機能として、ChatGPTが提供するAIアシスタントβが搭載されており、メールに入れたい内容を入力してボタンを押すだけでHTMLメールを自動作成することができます。
例えば、カスタムメールに添付するファイルや画像、ボタンなどを指定することでメール用のHTMLコードが生成され、それをテンプレートに反映することで、自社好みのメールを作成することが可能です。
kMailerは、月額18,000円(税別)から利用することができ、30日間の無料お試しも設けられています。
関連記事:【kMailer新機能】AIアシスタントβでメールテンプレートを自動生成!
Smart at AI for kintone Powered by GPT
(引用:Smart at AI for kintone Powered by GPT)
Smart at AI for kintone Powered by GPTは、kintone上で手軽かつ安全に生成AIを利用可能にする連携サービスです。kintoneアプリごとにプロンプトを設定するだけで、さまざま様々な業務の自動化・効率化を実現します。
このサービスは、プラグイン形式で提供されるため導入が容易で、API連携によりセキュリティ面でも安心して利用できます。一度プロンプトを設定すれば、継続的にAIの支援を受けられる点が特徴です。テキストの自動生成、情報の要約・分類、翻訳、システム関連の問い合わせ応答など、幅広い業務に対応可能です。
料金は月額7,000円(税別)から利用でき、無料プランも提供されているため、気軽に試すことができます。
Front Agent
(引用:Front Agent)
Front Agentは、商談などの音声データをAIが解析し、議事録作成や営業活動の分析を行うサービスです。kintoneと連携することで、営業担当者の育成支援や組織全体の営業力強化に貢献します。
このサービスは、録音された音声データから自動で議事録を作成するだけでなく、トップセールス担当者の話し方や顧客とのやり取りを分析し、成功パターンを可視化。特許取得済みの心理分析技術を用いて会話を深く分析し、効果的な営業トークや「勝ちパターン」を抽出します。これらの分析結果をkintone上で共有・活用することで、新人教育の効率化やチーム全体の営業スキル向上を支援します。実際に、導入企業では新人が短期間で高い成果を上げる事例も報告されているそうです。
料金については公開されていないため、利用を検討する場合は提供元への問い合わせが必要です。
mojula for kintone
(引用:mojula for kintone)
mojula for kintoneは、AI-OCR技術を活用し、紙の帳票やPDFファイルのデータをkintoneへ効率的に入力するためのプラグインです。手書き文字や活字を高い精度で読み取り、データ化することで、手入力の手間を大幅に削減します。
このプラグインを利用すると、スキャンした書類やPDFファイルをアップロードするだけで、AIが自動で文字を認識し、kintoneの該当フィールドにデータを入力。読み取ったデータは、画面上で元の書類イメージと比較しながら確認・修正できるため、正確性も担保されます。必要なデータのみを抽出し、kintone上で一元管理することも可能です。オプションを利用すれば、FAXで受信した書類も直接kintoneに取り込むことが可能です。
料金は月額30,000円(税別)からとなっています。
Aintone+
(引用:Aintone+)
Aintone+は、kintoneに蓄積されたデータをAIが学習し、将来の予測や傾向の分析を行うことができるサービスです。専門的な知識がなくても、kintone上で手軽にAIによるデータ分析・活用を実現します。
このサービスでは、kintoneアプリ内のデータをもとに、AIが予測モデルを自動で構築します。例えば、過去の顧客データから受注確度の高い見込み客を予測したり、顧客ごとにおすすめの商品を提案したりすることが可能です。AIの学習プロセスや予測結果の表示方法などは、ノーコードで簡単に設定できます。データが蓄積され、学習が進むほどAIの予測精度が向上していく点も特徴です。
料金は月額33,000円(税別)から利用できます。
Associate AI Hub
(引用:Associate AI Hub)
Associate AI Hubは、kintoneのアプリ作成やカスタマイズをAIが支援するサービスです。自然言語(通常の話し言葉)での指示に基づいて、AIがkintoneアプリのテンプレート作成や、データ分析、さらにはJavaScriptコードの生成(オプション機能)まで行います。
このサービスは、対話形式でAIに要望を伝えるだけで操作できるため、専門知識がないユーザーでも簡単に利用可能です。例えば、「〇〇を管理するためのアプリを作って」と指示するだけで、AIが適切なアプリ構成を提案・作成してくれます。また、セキュリティ面では国際規格「ISO 27001(ISMS)」認証を取得しており、安心して利用できます。
エンジニアに依頼することなく、kintoneのカスタマイズやアプリ開発を進められるため、業務改善のスピードアップが期待できるでしょう。
料金は月額30,000円(税別)からとなっています。
ATTAZoo AI OCRパック
(引用:ATTAZoo AI OCRパック)
ATTAZoo AI OCRパックは、請求書や注文書、申込書など、さまざまな種類の帳票をAI-OCRで読み取り、kintoneへ自動でデータ入力するプラグインパックです。手書き文字を含む帳票にも対応しており、高い読み取り精度を誇ります。
このプラグインを導入することで、従来の手作業によるデータ入力が不要となり、入力ミスの削減と業務効率の大幅な向上が期待できます。PDFファイルとして取り込んだ帳票データを、AIが自動で解析し、kintoneの指定フィールドに振り分けて登録。特別な開発は不要で、プラグインを設定するだけですぐに利用開始できるため、低コストかつ迅速な導入が可能です。
料金は月額31,900円(税込)からで、処理する帳票の枚数に応じた従量課金制のため、無駄なく利用できます。
Safe AI Gateway
(引用:Safe AI Gateway)
Safe AI Gatewayは、kintoneを含む社内のさまざまなデータを学習させ、自社専用のセキュアな生成AIチャットボットを構築できるツールです。社内情報に関する質問応答や、データに基づいた資料作成などをAIがアシストします。
このツールの大きな特徴は、セキュリティに配慮されている点です。入力されたデータが外部のAIモデル学習に利用されることはなく、企業ごとに独立した安全な環境で情報が管理されます。
また、社内規定やマニュアル、過去の問い合わせ履歴などを学習させることで、従業員からの質問にAIが的確に回答したり、必要な情報を素早く検索したりできるようになります。
料金は月額49,800円(税別)から利用可能です。
kintoneと生成AIを連携させて業務を行う際の注意点
kintoneと生成AIの連携は、業務効率化などにおいて非常に有効な手段ですが、利用にあたっては注意すべき点もあります。最も重要なのは、生成AIが出力した情報を鵜呑みにせず、必ず人間が確認することです。
生成AIは、学習データや与えられた指示に基づいて情報を生成しますが、その情報が常に正確であるとは限りません。参照するデータソースに誤りがあったり、指示の解釈を間違えたりすることで、事実と異なる情報を出力してしまう可能性があります。
特に、顧客対応や重要な意思決定に関わる場面で誤った情報を利用してしまうと、企業の信用失墜につながるリスクも考えられます。「AIだから間違いない」と過信せず、最終的なチェックは必ず人間が行うようにしましょう。
生成AIをあくまで「アシスタント」として捉え、その特性を理解した上で活用することが、業務効率化を成功させるための鍵となります。
また、機密情報や個人情報の取り扱いについても、利用するAIサービスのセキュリティポリシーを十分に確認し、情報漏洩のリスクがないように注意が必要です。
kintoneをより便利に使うならToyokumo kintoneApp
kintoneをより便利に使うためにおすすめしたいのが、トヨクモ株式会社が提供するkintone連携サービス「Toyokumo kintoneApp」です。
kintoneの基本機能では実現が難しいことも、トヨクモの連携サービスであればさらに便利に活用することができます。
Toyokumo kintoneAppでは、以下6つのサービスが提供されています。
FormBridge | kintoneへデータが自動で保存されていくwebフォームを作成できる |
PrintCreator | kintoneアプリのデータをPDFで出力できる |
kViewer | kintoneライセンスがない人に、kintoneアプリのデータを共有できる |
kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できる |
DataCollect | 複数のkintoneアプリに登録されたデータを集計できる |
kBackup | kintoneアプリに登録されたデータを安全にバックアップする |
ここからは、Toyokumo kintoneAppの各サービスについて紹介します。
FormBridge
FormBridge(フォームブリッジ)は、kintoneアカウントがない人でもkintoneに直接データを保存できるWebフォーム作成サービスです。
kintoneの基本機能における「ライセンスを持たないユーザーは情報を登録できない」という問題を解消できます。
また、FormBridgeで作成したフォームは、kintoneに直接データが保存されるため、転記の必要がなく、業務効率化や入力ミス・漏れの削減ができるのがメリットです。
kViewer
kViewer(ケイビューワー)は、kintone内の情報を手間なく外部に公開できる連携サービスです。kintoneアカウントを持たないユーザーにも簡単にkintone内の情報を公開できます。
kintoneの情報を共有する際にわざわざデータを移し替える手間もなく、グラフなどの数値情報もそのまま外部に公開することが可能です。
公開範囲を設定することもできるので、社外秘の情報が漏洩するリスクを抑えつつ、社外の人に資料やデータを気軽に共有できるようになります。
kMailer
kMailer(ケイメーラー)は、kintone上で管理しているメールアドレス宛に、kintone内のデータを自動引用したメールを自動・手動・予約で送れるサービスです。
kintoneで管理している顧客に向けて一斉送信や、kintoneからのテキスト引用などを行ったり、誰にいつどんなメールを送信したかなどのログを確認することもできます。
普段社内で使っているメールアドレスからメールを送信するため、新たにメールサーバーやメールアドレスを用意する必要はありません。
誰に、いつ、どんなメールを送信したか、受信者がいつ資料をダウンロードしたかなどの情報をログとして確認することもできます。
DataCollect
DataCollect(データコレクト)は、関数を利用した計算や複数アプリ間の収集・計算・加工を可能にし、kintoneが苦手とする予実管理や在庫引き当てを実現できるサービスです。
Excelと同じ感覚で複数のアプリから情報の集計や計算が可能で、スケジュール設定による自動実行やリアルタイム更新などにも対応しています。
事前に設定しておけば、手動で操作することなく情報を自動で収集・計算できるので、情報の集計漏れや更新忘れを防げます。
kBackup
kBackup(ケイバックアップ)は、kintoneアプリに登録したデータが消えてしまった際に備えて、kintone内のデータを別環境にバックアップできるサービスです。
kintoneの基本機能では、kintone上のすべてのデータを一括でバックアップすることはできません。kBackupを利用することで、誤って必要なアプリを削除してしまったり、スペースが復旧できなくなったという事態を防げます。
また、大切な顧客情報や添付ファイルのバックアップにも対応しています。
まとめ:Toyokumo kintoneAppでkintoneをより便利に活用しよう
「kintoneをより便利に使いたい」「kintoneを活用する幅を増やしたい」とお考えの方は、kintone連携サービス「Toyokumo kintoneApp」の利用がおすすめです。
トヨクモのkintone連携サービスは1万3千契約を突破し、サイボウズのオフィシャルパートナー評価制度においても全製品で受賞と、実績と使いやすさに定評があります。
トヨクモ連携サービスを導入することで、紙の書類を介さず、直接データの書き込みや管理が行えるため、職員の負担軽減や業務効率改善が図れるでしょう。
FormBridge | kintoneへデータが自動で保存されていくwebフォームを作成できる |
PrintCreator | kintoneアプリのデータをPDFで出力できる |
kViewer | kintoneライセンスがない人に、kintoneアプリのデータを共有できる |
kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できる |
DataCollect | 複数のkintoneアプリに登録されたデータを集計できる |
kBackup | kintoneアプリに登録されたデータを安全にバックアップする |
悩みややりたいことに合わせて最適な機能を追加できるので、kintoneと一緒に使いたい便利なサービスをお探しの場合は、30日間無料お試しからぜひ実際の使用感を体感した上でご検討ください。

トヨクモ編集部
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