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【5月ユーザー会】猪原[食べる]総合歯科医療クリニック様による登壇レポート記事

トヨクモ編集部のサムネイルアイコン トヨクモ編集部

ユーザー会での事例登壇の様子をレポート!

この記事はユーザー会での猪原[食べる]総合歯科医療クリニック でkintone担当として働く前田さんの事例登壇の様子をお届けするレポート記事です。

今回は「訪問診療の記録業務をkintoneに一元化した話」というテーマでご登壇いただきました!

会社概要/組織体制

猪原[食べる]総合歯科医療クリニックは、広島県福山市多治米町にある歯科医院です。

歯科医院=ご飯を美味しく食べれるようになるために来ていただく場所!という想いから、キッチンがあったり、名前に「食べる」の文字が入っている珍しい歯科医院です。

職員が常勤・非常勤合わせて50人とかなり多いのも特徴です。今回の事例でお話しする訪問診療部以外の部門もたくさんあるので、これだけの人数がいます。

こういった環境の中で、私はkintone担当として、現場の仕事を見に行って、ワークフローを見える化し、問題を評価してから必要に応じてシステム化したり、組織の戦略立案〜実行を担ったりしています。

本日は、当院におけるkintone×PrintCreatorを使った業務改善事例を紹介させていただきます。

なお、私個人では、kintone エバンジェリストとしてnoteを書いていたり、kintone用フリーアイコンサイト「KUMA ICON」を運営していたりするので、よければご参照ください。

※前田さんのX、note、フリーアイコンサイトは上記QRコードよりご確認いただけます。

PrintCreatorについて

PrintCreatorをあまりご存知でない方もいらっしゃると思うので、まずは製品の特徴や機能についてご説明します。左側が、PrintCretorの実際の設定画面です。

書類に「連絡箋」と書かれているかと思います。

こちらは当院独自に作成したものでして、自分で作ったPDF上に「このkintoneフィールドを、この文字サイズでこの上に表示する」というようにドラッグ&ドロップで項目を置いていく感じで直観的に帳票を作成できます。

自分で書類を作成して、その上にkintoneのデータを自由に載せられるので非常に便利です。
右側は少しややこしい細々とした書類になりますが、行政に出す必要のある細かい書類などでも、制限なく対応できるのが素晴らしいポイントだと思います。

PrintCreatorをkintoneに設定すると、こちらのようにkintoneアプリ画面に出力ボタンが出てきます。

出力ボタンを押すとワンクリックでPDFを発行できて、そのまま保存したり、印刷したりできるのがPrintCreatorの仕組みです。

他にも、契約したプランによってはレコードの一覧画面から書類を一括出力できたり、他のトヨクモ製品と連携できたりと、使い方によって可能性が大きく広がるツールだと思います。

事例.訪問診療部での記録作業

ここからは、訪問診療部での活用事例を1つお話しさせていただければと思います。

訪問診療部は、私たちが患者さんのお住まい(ご自宅・老人ホーム・病院)に直接お伺いする部門です。

こちらの車はもう使用していないのですが、このように訪問先の診療で必要な車椅子や荷物を積んだ車でお伺いし、高い品質の診療をお届けしています。

訪問診療部のワークフロー

訪問診療部での課題として、診療後の記録が大変というものがあります。医療行為を行った後に自分たちの業務記録兼、患者さんやそのキーパーソンに向けてお手紙を作成したりしないといけません。
なので、ただお伺いして診療をして終わりという訳にはいかないわけです。

訪問診療部のざっくりとしたワークフローは以下の通りです。

  1. 準備
  2. 移動
  3. 診療
  4. 記録・印刷
  5. 移動
  6. 事務作業

荷物などを準備して、患者さんのお住まいに移動し、診療を行い、訪問先の玄関などをお借りしてPCで診療の記録をしてモバイルプリンターで印刷します。

1日6人〜12人程の患者さんを見るので、この作業を1日に何度も繰り返していきます。

そして、帰ってきたらまた事務作業をして終わりというのが、訪問診療部のざっくりとした1日のワークフローです。

訪問診療の連絡箋について

それでは、なぜ診療した内容について記録が必要かと言うと、患者さんのキーパーソンにお届けして連携を取るためになります。

基本的に、訪問診療は、通院が難しくなった方が対象になります。例えば、認知症を患われて通院が難しくなったり、脳血管疾患で歩くことが難しいなどの事情があります。

そうなると、ご本人との意思疎通が難しかったり、自分では動けなかったりするので、普段患者さんの面倒を見ているキーパーソンに情報をお届けする必要があるのです。

これが非常に重要な連携となっていまして、患者さんやキーパーソンとなる方に、私たちを信頼していただくために実施していることでもあります。

連絡箋には、「痛いところはないようです。」といった診察内容や、誰がいつ訪問したかなどを記載しています。

OneNoteを使ったワークフロー

実は、昔はこの連絡箋を手書きで書いていたのですが、流石に大変すぎたのでMicroSoft OneNoteで書くようになりました。

OneNoteでやっていたときのワークフローは、以下の通りです。

現場について、診療が終わったら、OneNoteの患者さんのページに「何月何日こんなことをしました」と記録します。

そこからが面倒で、別にWordで作成した連絡箋のテンプレートを開いて、そこに1つずつコピー&ペーストしていくのです。

貼り付けて、完成したら印刷をして患者さんのもとに記録を置いていきます。

訪問診療の記録で抱えた課題

記録を置いてきたら、1日が終わり…という訳にはいかず、帰ってきたら事務作業をしなければいけません。

というのも、自宅で介護を受けている方は基本的に介護保険をお持ちで、お一人おひとりに担当のケアマネジャー(介護支援専門員)さんがついています。

※ケアマネジャー…介護保険を利用する高齢者のために、どんな介護サービスをどれくらい使うかを計画・調整する専門職

当然私たちもケアマネジャーさんに話を通して訪問していて、訪問したら報告書を送る必要があります。

しかも、広島県はなぜか、その報告をFAXで送らなければいけないのです。

なので、帰宅したらOneNoteをもう一度開いてWordにコピペして印刷し、差し込み印刷をして、送り状を作って、FAXを送って…これを1日6〜12人分しなければいけないんです。

この作業を、夕方5時に帰ってきてからするのが本当に大変でした。この作業は当時50代の歯科衛生士の方がメインで担当してくれていました。PCやOfficeソフトの使い方などほとんど習ったことが無い方が作業されるので、なお大変なわけです。

訪問診療の記録で抱えていた課題点をまとめると、以下のようになります。

  • 一度OneNoteに入力した情報を、手作業で何回も転記している
  • 電波の悪いところに行くとOneNoteのデータが吹き飛ぶことがある
  • 複数のソフトウェアで業務を行っている
  • FAXの送り先マスタがなく、毎回手作業で入力・送信している

上記の作業を帰院後(17時前後)に行わなくてはいけない状況で、毎日当たり前のように2時間の残業が発生していました。

煩雑な事務作業をkintoneに一元化

煩雑なワークフローを何とか改善したいということで、kintone、PrintCreator、BIRDSのサービスを使って業務効率化を図りました。

まずは、改善後のワークフローをご覧ください。

記録・印刷の部分を丸ごとkintoneとPrintCreatorに代替しています。

まず、kintoneに患者マスタアプリを作り、それとは別に書類作成のためのkintoneアプリを作りました。

ルックアップで、マスタアプリから情報を引っ張ってくるのに加えて、「誰がいつ行った」という情報は、kintoneのラジオボタンなどで簡単に選択できるようにしました。

この時点で、書類作成にかかる入力作業がかなり簡素化され、改善されています。

ただ、kintoneは2016年当時、印刷するとWebページをそのまま印刷したような見た目になってしまっていたので、そのまま患者さんにお渡しする用途には使えませんでした。

そこで、PrintCreatorの出番です。PrintCreatorなら、入力した情報を自社のPDF上に綺麗に整えて、ワンクリックで出力・印刷できます。

機能と価格面から、一番当院のニーズにハマってくれたので、kintone導入とほぼ同じタイミングのときから契約して今でも使い続けています。
PrintCreatorを導入したことで、記録・印刷の部分までkintoneに一元化されました。

残る課題は、ケアマネジャーへのFAX送信業務になりますが、ここはBIRDSの「FAX+kintone」を導入したことで解決しました。

※FAX+kintone…kintoneアプリからFAXの送信と受信を行えるkintone連携ソリューション

このように、kitnoneおよび連携サービスを導入したことで、煩雑な事務作業をkintoneに一元化して効率化できました。

業務改善のポイント

最後に、今回の事例における業務改善のポイントをまとめています。

主な改善のポイントとしては、以下の通りです。

  • 一度kintoneに入力したら、あとはレコード詳細画面でクリック操作するだけに
  • トヨクモのPrintCreatorとBIRDSのFAX+kintoneの導入で事務業務をkintoneに一元化
  • FAXの送り先マスタアプリをkintoneに作り、毎回のリスト作りの作業をゼロに
  • FAX送信自体を現場で行えるように改善

この業務改善により、今まで毎日2時間の残業を生んでいた、帰ってからの事務作業を丸ごとカットすることができました。

以上が、当院がkintone・PrintCreatorを導入して一番最初に取り組んだプロジェクトの事例になります。

PrintCreatorのそのほかの活用事例

実は今回の事例以外でも、かなりPrintCretorを活用しているので、簡単に3つの事例をご紹介させていただきます。

1.診療情報提供書

私たちは歯科医院なので、内科の先生のように主治医になることはできません。

なので、高血圧や糖尿病などの病気をお持ちの方に治療を行う際は、「治療の際に薬を止めてもいいでしょうか」や「検査データをいただけませんか?」といった内容のお手紙を出す必要があります。

以前は、このお手紙をWordで作成していたのですが、毎回この人の主治医は誰か、住所はどこかといった情報を確認して手打ちするのが非常に大変でした。

そこで、活躍するのがPrintCreatorです。

kintoneで主治医の情報をマスタ化して、ルックアップできるようにしたことで、基本的に情報を引っ張ってきて、あとは中身を打つだけで済むようになりました。

加えて、この書類を出力するkintoneアプリ側をJavaScriptカスタマイズすることで、定型文を呼び出せるようにしているので、全体的に書類作成の作業が非常に楽になりました。

2.物品販売の領収書

歯医者では、歯ブラシや歯磨き粉などの物品を販売する機会が結構ありまして、実は200種類くらいあります。

なので、患者さんに 「前回のアレちょうだい」と言われても、どの歯ブラシなのか分からないことがほとんどです。

そこで、kintoneで物品マスタを作り、患者さんごとの購入履歴を見られるようにして、領収書まですぐに出せるようにしました。

A5の切れ目がある紙に印刷すれば、パッと半分に切るだけで控えが出せるなどの工夫もしています。

このシステム化により、受付対応が本当にスムーズになりました。

3.歯科技工指示書

当院では、院内に歯科技工士がいます。

院内のラボに技巧物を発注するために、「歯科技工指示書」を出す決まりがあり、これまでは毎回手入力で手間がかかっていました。

しかも、この歯科指示書を歯科技巧物にくっつけて何工程も進めていきます。
そうすると、複数の工程を進めていく中で、指示書が誰のものか分からなくなってしまうこともあるのです。

すごいアナログですよね。ただ、やっぱりこういった現場仕事は紙の方が相性が良い部分もあるのです。

なので、こちらの指示書もkintoneで管理し、PrintCreatorでワンクリック出力できるようにしました。

ミシン線を入れているので、PrintCreatorで出力して印刷したら、あとはミシン線に沿って切って歯科技巧物へ貼り付けられます。

kintone化したことで統計が取れるようになったのも良かったポイントです。

まとめ

最後に、まとめです。PrintCreatorは、非常に便利な神ツールだと思っています。

そして、活用のポイントは、とにかくワークフローの終端にPrintCreatorを置くことです。

なぜなら、業務の流れの真ん中に紙が必要な作業を置いてしまうと、その紙をまた別のシステムに打ち込んだり、誰かが収集したりする必要が出てくるからですね。

紙が必要な業務をワークフローの終端に置くこと。私はこれを非常に大事なことだと認識して、常々気をつけながら活用しています。

また、PrintCreatorの活用の幅はこれだけではありません。

kMailerと連携して、請求書や領収書をレコード一覧画面から自動で出して、それを一斉送信することなどもできるようになります。

トヨクモ製品同士での連携まで含めて、まだまだやれることもあるので、私も今後さらに活用していきたいと考えています。

本日は以上です。ありがとうございました。

猪原[食べる]総合歯科医療クリニックさまの公式HPはこちら
https://inohara-dental.net/

ご登壇ありがとうございました!

前田さん、今回はご登壇いただきましてありがとうございました!

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監修者トヨクモ編集部


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