【特別セッション】現役ユーザーに聞く!トヨクモkintone連携サービス導入時のコツ・失敗談・活用方法とは

トヨクモが主催する「トヨクモ kintone フェス 2025」のリアルイベントで開催された特別セッションをご紹介します。
今回は、新幹線メンテナンス東海株式会社 朝田氏、株式会社エクセディ物流 有田氏、ファシリテーターとしてkintoneエバンジェリストのkinbozu株式会社 瀧村氏にご登壇いただきました。
目次
kintone/トヨクモ製品の利用環境
瀧村氏:本日ファシリテーターを務めます、2019年からkintone エバンジェリストをしているkinbozu株式会社の瀧村です。
本日は、普段からkintoneおよびトヨクモ製品を活用されているお二人を交えて、導入時のポイント、失敗談、活用のコツなどについて、特にユーザーの皆さまが気になるテーマをお話ししていければと思います。
まずは、どのような状況でkintoneを使っているのかお伺いしていきます。会社規模、契約中のトヨクモ製品、管理者の人数を教えてください。
朝田氏:新幹線メンテナンス東海株式会社の朝田です。
当社は東京駅にて、東海道新幹線の車両の清掃・整備を行っている会社になります。
社員数は約2,000名で、kintone・トヨクモ製品の管理者は3名です。基幹システムとしては使用していません。
トヨクモ製品は、FormBridgeとkViewerを導入しています。本日はよろしくお願いします。
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■FormBridgeとkViewerはkintoneに不可欠!新幹線の整備でのアプリ活用と業務改善の可能性
有田氏:株式会社エクセディ物流の有田です。
当社は、運送業者を利用して国内・海外に自動車部品をお届けするロジスティックカンパニーとなっています。社員数は大阪200人、三重80人、北海道20人の構成です。
トヨクモ製品は、FormBridge、kViewer、kMailerを導入中です。管理者は2名で、同じく基幹システムとしては使用していません。
本日はよろしくお願いします。
株式会社エクセディ物流様の導入事例はこちら
◾️発注管理のデジタル化で年間12,000枚の紙を削減! 物流業界がトヨクモkintone連携サービスで実践する業務効率化への道
導入時に決裁者を説得するコツ
瀧村氏:それでは、トヨクモ製品に興味がある方に向けて、導入時にどのようにして決裁者を説得したのか教えてください。
朝田氏:私の場合、最初にkintone hiveを一緒に見てもらいました。
導入当時は、コロナ禍真っ只中だったため、kintone hiveがオンライン開催だったんです。そのため本社からリアルタイムで映像を見ながら話すことができたのが、逆にいい方向に働きました。
トヨクモ製品に関する業務改善事例を話されている登壇者の話を聞きながら、「こんな課題に対して、当社ならこういう風に使えますよね」と同時進行で説得をして、納得してもらったという背景があります。
コスト面に関しては、それなりにお金がかかりますが、kintoneやトヨクモ製品でやりたいことが1つだけではなかったため、そこを強調しました。
「10個解決すればコストは10分の1、100個解決すれば100分の1になる」と話して、上司に納得してもらいましたね。
瀧村氏:最初から現在契約している全ての製品を導入できましたか?
朝田氏:はい。その前からkintoneのことを色々調べていたので、絶対にトヨクモ製品は入れないとダメだということで、同時に説得しました。
瀧村氏:ありがとうございます。有田さんはいかがですか?
有田氏:当社の場合、様々な職種がある中で200人いる従業員全員にkintoneライセンスを付与するのはあまり現実的ではありませんでした。
その点、トヨクモ製品は社外だけでなく社内でのコミュニケーションにもうまく活用できそうでしたので、すんなり決裁が通ったと思います。
瀧村氏:ありがとうございます。朝田さんが仰ったように、Cybozu Daysやkintone hiveなどのイベントに決裁者を連れて行くのは効果的ですよね。
上司も納得してくれたり、こんなことができるのかと気付いてくれたりするので、もし導入やプランアップができず悩んでいる方は、1つの手だと思います。
ツールを継続して利用するために
瀧村氏:月額/年間契約している中で、支払いの時期になると「この製品まだ使うの?本当に必要?」といった反対派の意見が出てくることがあると思います。
もし、継続して製品を使うために、気をつけているポイントや準備などがあれば教えてください。
朝田氏:私は毎年のように言われますね。きっと、この先も言われ続けると思うので、ツールの利用を辞めることができない状況を作っていくことを心掛けています。
「これがないと、〇〇ができなくなりますよ。前みたいに戻るんですか?」というように、突かれたら逆に戻してます。
瀧村氏:やはり、それぐらいアピールするべきですよね。
使っている人は、ツールがなくなると明日の仕事が回らなくなるとわかっていても、抽出されたデータだけ見ている人からしたらそうではないので、大事だと思います。
kintone/トヨクモ製品での失敗談
瀧村氏:次に、kintoneやトヨクモ製品での失敗があれば教えてください。
私の場合は、公開したらいけないkViewerを全体公開していたことがあって、幸い深夜だったのですぐに気付いて消したという経験があります。
便利なツールである一方、ちょっとした設定ミスが失敗につながる製品だと思うので、もし経験があれば、ぜひ共有してもらいたいと思います。
朝田氏:最初から難しいことをやってしまったという失敗があります。具体的には、年末調整をkintoneでやってみることになって、一生懸命アプリを作りました。
FormBridgeで社員のみなさんに情報を入れてもらう設計にしたのですが、ご存知の通り、年末調整の業務は、非常に項目数や計算が多いのです。
さらに、何年も使っていくと途中で制度が変わって、計算方法も変わっていくので、そこまですべて網羅する必要がありました。
そんなことを最初からやってしまい、一緒に作っていた担当者からは「二度とこんなことやりたくない」という言葉が出てきて、kintoneアレルギーが発症してしまったのです。
こうなると、今後kintoneを使う際に「もうやりたくない」と言われて何もできなくなってしまうので、最初から難しいことはやるべきじゃないなと学びました。
瀧村氏:ちなみに、最終的に年末調整はkintoneでやりきったのでしょうか?
朝田氏:結論、2年はやりきりました。そのあと、別のシステムに切り替えています。
瀧村氏:ありがとうございます。あえてkintoneで頑張るという選択もあれば、kintoneを使わないと決断するのも大事だと思います。有田さんはいかがですか?
有田氏:FormBridgeでの失敗があります。私は、2年半前からkintoneを使い始めました。
はじめはkintoneだけの開発をしていたのですが、そのあと前任者から引き継ぐ形でトヨクモ製品を使うことになります。
はじめてFormBridgeを触ったときに、前任者が設定していたフィールドコードが「文字列_1行_0」みたいな初期値になっていたんですよね。
私、それだと全然分からなかったので、従業員マスタアプリのフィールドコードを全部フィールド名と同じものに入れ替えたんですよ。そうしたら、システムがすべて動かなくなったという失敗があります。
kintoneだけなら、フィールドコードを変えてもkintone側でフォローしてくれるのですが、トヨクモ製品やプラグインを使うようになってからは、かなり気遣うようになりました。
瀧村氏:寒気が出るような失敗ですね。あと、FormBridgeでよくある失敗として挙げられるのは、kintone側で必須項目にしてしまっているとかでしょうか。
kintoneで必須項目にしているものをフォームでは必須にしていなくて、入力されずに回答された場合、全部エラーになりますからね。
私のお客さんも、全部必須項目にしていたためにエラーになって届かなくなっていたので、全部必須設定を解除しました。
有田さんは、失敗後に社内でルールを決めたり、勉強会をされたりしたのでしょうか?
有田氏:すぐに、フィールド名とフィールドコードを合わせるというルールを作りました。
上記のトラブルは、以下ヘルプページにてご案内がございます
■「入力内容が正しくありません。 (record.○○○.value : ~~」とエラーが表示される
管理者間での情報共有
瀧村氏:管理者が2人、3人と増えてくると、自分だけのときと比べてインプットした情報やアップデート情報の共有などが難しくなってくると思います。お二人はどうされていますか?
有田氏:お互いにアップデートのメールが届くようになっているので、早く見た方が見ていない方に共有する形で進めています。
朝田氏:当社の場合は、社内でkintone通信を出していまして、そこでアップデート情報を流しています。
社内でkintoneを使ってもらうためには、いろいろな情報を開示していく必要があると思うので、やり始めました。
瀧村氏:アップデート情報って流していたら結構大事なものだったということがあるので、複数人でのキャッチアップは難しいけど大切ですよね。
トヨクモ製品が最も輝いている活用方法
瀧村氏:今、トヨクモ製品が一番今輝いていると感じる場所や使い方を教えてください。
朝田氏:当社の場合、アンケートや情報収集に関しては、トヨクモ製品なくしてはあり得ないと感じています。
あと、最近ホットなのは、定期健康診断の受診管理です。FormBridgeとkViewerでシステム化して、病院との情報のやり取りに活用しています。
瀧村氏:病院ということは、外部の他社になりますよね。健康診断をお願いしている先の病院と連携しているということですか?
朝田氏:そうです。ゲストユーザーとして招待したり、FormBridgeとkViewerで情報を見てもらったりしています。1年くらいの下準備を経て、受け入れてもらいました。
瀧村氏:ゲストスペースとかトヨクモ製品があって簡単でも、いざ外に持っていくと、なかなか受け入れてもらうのは難しいイメージがあります。
費用面の話も出てくるので、逆にわずか1年で受け入れてもらえたんだなと感じました。ただ、せっかくkintoneを使っているので、やはり外でつながるのは大事だと思います。
有田さんはいかがですか?
有田氏:当社では、社外向けと社内向けの両方でトヨクモ製品を活用をしています。
社外向けでは、FormBridge、kViewer、kMailerの3製品で発注管理システムを開発し、仕入先に共有しています。
紙ベースで行っていたものをkintoneでデジタル化し、kViewerで仕入先に見せて、FormBridgeで受領確認をするというものです。
■詳細はこちらの記事でお話しいただいています
発注管理のデジタル化で年間12,000枚の紙を削減! 物流業界がトヨクモkintone連携サービスで実践する業務効率化への道
社内向けでは、120人の社員に対してマイページを作り、その人だけが見れる情報を送る仕組みを作っています。
今後仕組み化を考えている業務
瀧村氏:今後、さらにトヨクモ製品を使って効率化したいと考えている業務や仕事はありますか?
有田氏:先ほど120名の社員それぞれにマイページを作っているとお伝えしましたが、今後はその社員の家族に向けても、情報共有できる仕組みを作りたいと考えています。
社員の家族に健康診断を受けてもらう人事総務の仕事がありまして、その際に情報伝達で間違いが頻発しているので、家族に直接情報が届くようにkViewerで効率化したいです。
瀧村氏:ありがとうございます。朝田さんはいかがですか?
朝田氏:新幹線の中に広告があるのですが、その広告の取替記録をkintoneとトヨクモ製品で取れるようにするべく、現在進行形で進めています。
当社だけでなく、大阪や博多方面の他社と協力して行っている業務になるため、FormBridgeやkViewerなどで他社とつなげて連携が取れるようにしたいと考えています。
トヨクモユーザーにメッセージ
瀧村氏:最後に、トヨクモ製品を使うお仲間に向けて、メッセージをお願いします。
朝田氏:kintoneでの業務改善は、なかなか難しいことがあります。kintoneだけだと足りないところがあるので、思うように動いてくれないことも多いでしょう。
ただ、その不足を克服していく中に、業務改善のポイントがあるはずです。
そして、その少し足りないところを助けてくれるのが、FormBridgeやkViewerなどのトヨクモ製品だと思っています。
今後もトヨクモ製品をうまく使って、足りない部分を補いながら業務改善を進めていければと思いますので、ぜひ、みなさんも一緒に頑張っていきましょう。
本日はありがとうございました。
有田氏:自分に向けてのメッセージになるかもしれませんが、DX推進の立場として、DXをやっているつもりが、どうもIT化をしているのではないかと感じています。
※DXはビジネスモデルや組織全体を根本的に変革し、新たな価値を創造することを目指す一方、IT化は既存の業務プロセスの効率化に重点を置く
というのも、物流業界は全然DXが進んでいないので、そう感じてしまうのです。
ただ、IT化を進めないとDXもできないはずなので、今やっていることを信じて、今後もみんなで頑張っていきたいと思います。
以上です。本日はありがとうございました。
ご登壇ありがとうございました!
これからトヨクモ製品の導入をご検討いただいているご担当者さま、そしてすでにトヨクモ製品をご導入いただき使い始めてくださっているご担当者さま、現役のトヨクモユーザーである朝田さん、有田さんのお話の中でこれからの業務改善のヒントになるようなお話はございましたでしょうか。
また、トヨクモ製品を使いこなしてくださっているご担当者さまには、「あるある」とうなづけるお話もあったのかなと思います。
トヨクモ製品は30日間何度でもお試し環境を無料でお使いいただけます。
ぜひお気軽にお試しください。