「私とトヨクモとの出会い」のシリーズは、トヨクモ製品を活用している企業の「製品を知ったきっかけ」や「導入の決め手」、「社内に普及させるための取り組み」を紹介する企画です。
今回は、事業系廃棄物の収集・処分・資源リサイクルなどに携わる、株式会社利根川産業(以下、利根川産業) 取締役の利根川靖さんにお話を伺いました。
利根川さんは、すべての部門(現場)を経験したのち、経営全般の業務をスタート。加えて、以前から同社の課題であったバックオフィス部門の業務改善に取り組んでいます。
利根川さんが目指す会社の姿に、kintone(キントーン)やトヨクモ製品はどのような形で関わっているのでしょうか?
【中小企業の弱み】「システムの専門知識がない」と向き合う日々
利根川さんは、利根川産業に入社した当時、システム系の知識を持っている人材は社内に1人もいなかったと語ります。
中小企業って少数精鋭で会社を運営するので、専門の部署に所属するのではなく1人ひとりが幅広い業務に携わります。
プロフェッショナルよりはユーティリティープレイヤーが多く、パソコンとかシステムに特化した知識を持った人材はなかなかいないんですよ。
パソコンひとつを買うにしてもどれが自社に最適かわからない。とりあえず機能がたくさん付いているものを買うけど使いこなせない。どうしようもなくて途方に暮れる…という状態の繰り返しでした。
20年ぐらい前の話なので、今と比べてパソコン業務が必須ではなかったのも、不便さに目をつぶっていた原因でしょうね。
システムの知識を持った人材がおらず、なかなか業務改善が進まなかった利根川産業。そんな現状を打破すべく、利根川さんが先陣を切って、知識ゼロの状態からシステム管理に挑戦し始めます。
以前は重要度が高くなかった業務改善も、取引先が増加したことでいよいよ取り組まざるを得ない状態になったため、まずはkintoneの前身のグループウェアだったサイボウズOfficeを契約しました。知識はないので、とにかく必要な機能がまとまっていて使いやすいもの、という基準で契約したことを覚えています。
サイボウズOfficeを導入して少し経つと、kintoneが提供され始めて「kintoneは使いやすいぞ!」って情報をWebでキャッチしたんです。
その情報を元にkintoneを導入、実際に使ってみて、期待以上の操作性に感動しました。
ただ、当時はプラグインが多くなかったので、新しくやりたいことが出てきた時に機能を拡張しにくく…
何かしらの対策方法がないか探していた頃、セミナーイベントでトヨクモさんのPrintCreatorを使えば便利だよ」と他社のシステム担当者から教えてもらいました。
それがトヨクモさんとの出会いですね。
ホームページとメールを開けない危機的状況に?社外の方にシステム運用を任せるリスク
サイボウズOfficeを運用していた頃、システムに詳しい人材がいなかった利根川産業では、社外の方がシステム関連の業務を担当していました。この担当者は、社内メンバーの誰よりも知識が豊富だったため、業務改善ツールやサーバーの構築など、同社のシステムに関する業務のほぼ全てを対応してもらっていたそう。
ですが、社外の方にシステム業務を任せっきりにしていたら、大きな問題が生じたと利根川さんは振り返ります。
実は、システム担当者の方が急に音信不通になってしまって……。
その方には、バックアップ体制などの基本的な部分から、基幹システムの開発、その運用までをお任せしていたので、ホームページは見れない・メールは使えないというとんでもない状況になりました。
社外にシステム運用を任せっきりにすると、担当者がいなくなった時に社内メンバーが運用できなくなるリスクがある。そのリスクに気づいた利根川さんは、社内メンバーでも扱えるような基幹システムを作成することを決めました。
時代の流れに合わせて実施したトヨクモ製品の導入
【利根川産業が使っているトヨクモ製品】
- PrintCreator:kintoneの情報を活用して任意の形式で出力できる帳票サービス
- FormBridge:kintoneアカウントがない人も登録できるWebフォームサービス
- kMailer:kintone内の情報を含めたメールを自動で作成・送信できるサービス
- kViewer:kintoneの情報をアカウントがない人にも情報共有できるサービス
社内メンバーでも扱えるようなツールで、業務改善を進めることを決めた利根川産業。コロナウイルスが猛威を振るい始めた2020年に、トヨクモ製品の検討が加速したそうです。
トヨクモ製品の検討が加速したのは、コロナ禍により対面でコミュニケーションを取る機会が減少し、電話やホームページからの問い合わせが増加したからですね。
廃棄物収集では会社によって回収可能なルートや回収できる素材など、細かな決まりがあります。そのため、お問い合わせいただいても対応できないケースが意外と多いんです。
ご連絡いただいた際に、住所や回収してほしいゴミについてなど、さまざまなことを聞き取らないといけないんですが、電話で1件ずつ聞き取るのってかなり大変で…1件の聞き取りに10分程度かかるし、聞き取っても実際にお伺いできるのは1〜2割程度なんですよね。
改善のためには、電話よりWeb経由でのお問い合わせをしてもらえるような仕組み作りが必要だと方針が固まり、FormBridgeとkMailerの導入が決まりました。
大きな決め手は機能面と価格のバランスが取れている点です。他社さんのツールだと、年額で数百万くらいかかるものもありますが、中小企業ではそこまでの予算をかけられません。なので、必要な機能が揃っていて、コストも抑えられた点にはとても助けられました。
【製品導入の難しさ】パソコンがなかった世代をどう説得する?
利根川産業で製品導入をする際の流れは、利根川さんご自身がツールの選定を行い、決定後に社長へ相談。承諾をもらえたら導入のために動き始めます。
製品導入について社長に相談するとき、大きな課題を感じていると利根川さんは話します。
社長の時代は、紙で業務をしていたため、パソコンが全く使えません。
そもそも、インターネット自体が存在しなかった時代に第一線で働いていた経験を持つ人に対して、当時なかったものの必要性を説明して理解してもらうのって本当に難しいんですよ。
それが本当に必要なのか、それを入れたことでどのような効果が得られるのか、とかを説明しても理解していただくのが本当に難しいんですよね。大きな会社でもあることなのかもしれませんが、特に、我々のような小さい会社は、何十年も前から会社を支えていたような年齢層の方が今も活躍しているケースが多いです。
ですが、社長は従業員が快適に働いてくれる重要性を十分に理解されている方ですから、たとえ製品に関して全部を理解しきれなくても、従業員の役に立つものなら導入しようかと理解してくれるんです。
なので、他の従業員から「これがないとものすごい大変!」って声を寄せてもらって、導入や運用にお力添えしてもらっています。
導入後も、「これがなかったら残業をもっと増やさなきゃダメだった、残業なしでやれてるのはこの製品を活用してるからだよ」とか、導入によるメリットを伝えておくことで納得してもらえていると思います。
コストパフォーマンスなど、わかりやすいメリットをきちんと伝え、社長と社員が同じ方向を向いて業務改善を進めることが非常に重要ですね。
製品導入によって定常業務の効率化が大きく前進
こうしてkintone・トヨクモ製品が導入された同社では、業務の効率化がグッと進みました。
kintone・トヨクモ製品の導入で、日報業務の負担が一気に減って楽になりましたよ。廃棄物収集を行う事業者は、業務内容や収集物の詳細をまとめた書類を役所へ提出する義務があるんです。なので、どこのお店に行って何を何キロ回収したかを日報として社内でまとめておく必要があります。
もともとは、既存の管理ツールで日報管理を実施していましたが、kintoneとPrintCreatorの連携により、kintone内の情報をそのまま帳票出力できるので、本当に助かっています。
他にも、請求書の作成や給料計算業務も簡単になりました。弊社は、従業員の契約形態で、お給料が出来高制の人もいます。
以前は別の業務管理ツールで日報を作成しつつ、社員それぞれとコミュニケーションをとって情報を補完していましたが、手間がかかるし何か起きたときのリスクを考えると、怖い管理方法でした。
今では、kintone×FormBridgeを活用し、社員側で必要な項目を入力してもらうフローに改善しているので、不安が解消されたように感じます。
さらに、Webサイト内に受注フォームを設置することで、入力していただいた情報がすべて自動でkintoneに溜まる。連絡をくださった方へは、kMailerからメールを送信するという、お客様対応の仕組みもできました。
トヨクモ製品の導入で取引先の要望に柔軟に対応
時代の流れに合わせて製品の導入を実施している利根川産業は、コロナ後にも取引先の要望に沿い、トヨクモ製品を導入しています。
取引先とのやり取りを改善したいと思ったことがきっかけで、以前から導入のタイミングをうかがっていたkViewerを導入しました。
うちの会社では、取引先の方にわかりやすいように、リサイクル品の原料などを記録に残しているんですが、プラスで「商品が一目でわかるように写真が欲しい」とオーダーを受けました。
最初はメールで送ってほしいと頼まれ実施していましたが、毎日、結構な数の商品を更新するので、メール1通には添付しきれないぐらいの量を毎日送る作業が大変で……。
もともと、商品についての記録はkintone内に残していたため、「kintone内のデータと写真を一つのビューで見せられるkViewerを使えばラクではないか?」と提案をしたところ導入を認めてもらえました。
もちろん、製品導入は社長の承認を取る必要がありますが、取引先が写真についての要望を出してくれたことで、導入がスムーズに進んだと利根川さんは言います。
製品の導入時は、取引先や現場社員の要望をキャッチアップし、製品導入によってどんな恩恵が受けられるのか、丁寧に説明することが大切だと言えそうです。
わからないに寄り添う電話サポートの手厚さに感動
今までに4つのトヨクモ製品を導入している利根川産業では、すべての製品導入時に、30日間の無料お試し期間を活用しています。
お試し期間では、事前に調べていた機能が本当に使えるか・操作感はどうかなどの最終チェックを実施しました。
最初に契約した製品であるPrintCreatorを導入した当時は、SNSなどでツールの解説や使い方レクチャーなどの情報発信をしている人がそこまでいなかったため、実際に触って確かめられるお試し期間はとても有益だったと利根川さんは語ります。
実は、トヨクモさんの製品を初めて導入した2015年に、2回ほどトヨクモさんのオフィスを訪れたことがあります。様々な相談を聞いていただいたり、セミナーを受講したり、手厚いサポートをしていただきました。そもそも、トヨクモさんの製品は操作が簡単なので、使い方がわからないことはあまりないのですが、細かな疑問が生じたらヘルプページを見ていますね。
個人的におすすめしたいのは電話サポートです。サポートセンターの方が直接、非常に丁寧で細かいことまで支えてくれるから本当に助かるんですよ。サイトを見れば、いろいろな情報が載っていることはわかっているんですけど、「聞いちゃった方が早いか!」って電話したくなっちゃうんです。トヨクモさんには負担をかけてしまったかもしれませんが、質問に対して丁寧に答えていただいてありがたかったです。
電話だと何に迷ってるか言語化をうまくできていない段階でも、細かく聞き取ってもらえ解決の糸口が掴めるため、うまく活用することで業務全体の効率化にもつながると話していました。
【今後の課題】「自分が使う」から「誰でも使える」へ
kintoneとトヨクモ製品を連携させることで業務の効率化に成功している利根川産業ですが、利根川さんはシステム運用をしていくうえで、感じている課題もあると言います。
うちの会社でさらに効果的にトヨクモさんの製品を使っていくためには、ツールを使いこなせる人材の育成が必要です。
よく驚かれるんですけど、kintone・トヨクモ製品のアプリ作成や設定は僕が1人で全部やっています。
中小企業は1人が担う業務範囲が広いから、システム構築などは1人で終わらせたいし、本格運用の開始後も従業員の人数が少ない分、困りごとを聞き取って解決するところまで1人で完結できちゃうんです。なので、1人で問題を解決できるだけの機能が揃っているトヨクモ製品は、中小企業にとって非常にありがたいです。
だからこそ、製品の使い方についての教育に時間をかけられず社内浸透が進んでいないことに課題を感じてもいます。
定期的に勉強会を開催したり、トヨクモ製品で実際にアプリを作ってみる研修をしていますが、従業員たちは幅広い業務を抱えているので、時間を割いてシステム管理だけに集中してもらうことは不可能です。
この子はシステム管理に興味がありそうだなとか、積極的で視点がいいなって子もいるので、歯痒さもありますね。
よって、今は少しでも積極的に勉強に取り組んでもらえるように、自分が過去に作成したアプリごとに仕様書のようなものを作りkintoneのスペースに溜めるようにしています。
スペースにあれば興味を持ってくれている人がいつでも勉強できますし、自分のメモ代わりとしても役立ちます。今後、僕が社外に出たり他の業務で手が離せなくなることもあるはずです。そのときに活躍してくれるシステム管理の担い手を、育てないといけないと強く感じているので、できることから取り組んでいます。
様々な働き方にマッチするトヨクモ製品で業務を効率化!
少数精鋭で会社を運営している中小企業では、システムに関する知識を持つ人材がいないケースが多いと語る利根川さん。
知識がないゼロからのスタートの人間にとって、トヨクモ製品は業務を効率よく進めることができる心強い味方だと教えてくれました。
すべての担当者がよりよい働き方を従業員の皆さんや取引先に提供したいと思っているはず。それを助けてくれるのが間違いなく、トヨクモさんの製品です。
トヨクモさんやkintoneの情報など、世の中に溢れている情報をうまくキャッチして、それぞれの会社さんが抱えている課題の解決に何が最適かを上手に選択していってほしいと思いますね。
情報収集をしても自分ひとりでは解決策を見つけられないこともあると思います。
そんなときは、イベントなどに参加して、ぜひ同じ境遇の方を見つけてください。きっと、社内では思いつかなかった課題解決のヒントが得られるはずですよ。
外に目を向けると、自分と同じ境遇の方と出会うことができるはず。刺激を得てお互い業務に励んでいきましょう!
kintone×トヨクモ連携ツールで業務改善に成功した活用事例は、トヨクモkintoneフェスで一挙公開します。
トヨクモkintoneフェス参加で得られること
- トヨクモユーザーが語るサービス活用のコツ
- もっと便利なkintone活用法
- トヨクモ製品の新機能紹介
- 業種/職種別の活用例集
- 初心者マニュアル/設定テンプレート
- 他社比較
- 初心者向けのセッション
- トヨクモユーザーとの交流の機会
トヨクモkintoneフェスでは、トヨクモ製品の具体的な活用事例をバックオフィス、現場マネージャーなどといった業種・職種別に幅広く紹介。加えて、kintoneやトヨクモ製品のユーザーとの交流を通して、業務で直面している悩みやその解決策を共有することもできます。トヨクモ製品の活用法やコミュニティへの参加に興味のある方はぜひご参加ください。
kintone利用者必見!始めたての方から活用を深めたいユーザー、それぞれに向けた25以上のkintone活用例を視聴で…