新卒3年目の私が、770分/月の業務をチームメンバーと削減した方法

私の業務改善シリーズでは、トヨクモやkintone界隈の方1人ひとりが「どのように業務をしているのか」「どのような業務改善を実施したのか」をご紹介していきます。
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今回は、株式会社ジョイゾーのSIチームで勤務され、kintone show+case unlimited 2023にも出場し活躍されている田中さんに、kintoneやトヨクモ製品を用いた業務改善事例についてお話しいただきました!
自己紹介
株式会社ジョイゾー
田中 美有(たなか みう)さん
2021年4月 株式会社ジョイゾーへ新卒入社。
入社後、SIチームとプラグインチームを兼任し、2年目の後半からSIチーム専属で勤務。
新卒3年目にしてkintone show+case unlimited 2023 にも出場。
ーこれまでのご経歴や、どのような業務をされてきたか教えてください。
2021年4月「お客様と一緒に」システム開発ができるシステム39に魅力を感じ株式会社ジョイゾーに新卒で入社しました。入社後、SIチームとプラグインチームを兼任し、2年目の後半からSIチーム専属で働いています。
ーSIチーム専属になったのは、ご自身で手を挙げられたのですか?
はい。元々SI軸で、コーディングの勉強をするためプラグインのチームも兼任していましたが、SI業務により集中していきたいと思ったため、SI一本に絞らせてもらいました。
ー挙手して、実際に異動させてくれるのもジョイゾーさんの良さですね。プログラミングの勉強はどのようにされているのですか?
実は入社するまで、プログラミングの経験はありませんでした。入社当初、BB道場(プログラミング研修)を受けたことをきっかけに、プログラミングに興味が出てきました。
その後、実務で先輩に教えてもらいながら習熟度を高めています。
ーkintone show+case unlimited 2023に新卒3年以内で出ているのは珍しいですが、どうして出ようと思ったのですか?
新卒3年目は社会人の区切りというイメージがあり、実力試しがしたい、対外的にどう評価を受けるのかを客観視したい、と思い参加しました。また、kintone hackはインターン時代に見て、プログラミングを勉強したいと思ったきっかけだったので、kintone hackへの出場に憧れがありました。
kintone hack / kintone show+case unlimited とは、
kintone カスタマイズや、一歩進んだ活用方法を披露し合う、kintone カスタマイズ最大級のコンテストイベントで、kintone hackはその予選、kintone show+case unlimited は本戦となります。
kintoneと連携サービスを活用した業務改善事例
田中さんにkintoneやトヨクモ製品を用いて、実際に行われた業務改善について伺いました!
複数連携で、電子署名に対応!やり取りコストの削減
SIの見積送付から契約までが電子化できていなかったので、紙でのやり取りをなくしたいという背景からDocuSign連携を実施されたそうです。
◇問題
- 見積から発注までにやり取りが複数回発生しており時間がかかっていた
- 電子署名を採用したい
◇対策
- 注文書送付依頼をFormBridgeで受けるようにした
- 電子署名には、DocuSignを導入した
◇効果
- 1回のやり取りで済むようになった
- 見積と注文書との紐付けが容易になった
従来は注文書をいただく際、見積のファイルの2枚目に注文書を入れており、その注文書に署名の上、お客様に送ってもらう運用でした。
注文書、注文請書などのやり取りが煩雑で、できれば電子署名にしたいとの要望が社内外からありました。
今はPrintCreatorで見積書を発行し、その見積書をkMailerでメール送信しており、そのメールの中にFormBridgeのURLを記載しています。注文書が必要な場合はフォームから情報を送ってもらい、PrintCreatorで出力した注文書PDFをDocuSignで送っています。
フローをまとめると以下の通りです。
- PrintCreatorで見積書を発行/kMailerで見積書をメール送信
- FormBridgeでお客様から注文書発行依頼を受ける
- PrintCreatorで注文書を発行する
- DocuSignで注文書を送付する
ーフォームという仕組みを選んだ背景はありますか?
注文書送付に関してやり取りが多数発生してしまっていたためです。
FormBridgeを利用すれば、見積ごとにフォームURLが異なるため、どの見積から依頼が来たのかがわかるので、スムーズに注文書を発行できるようになりました。
ーどれくらい工数を削減できましたか?
お客様からのご注文を受けるまで少なくとも2-3往復、そこから実際に注文書を出す処理で合計30分くらいかかっていた作業が2-3分でできるようになりました。
SIチームで月に10回程度発生していたので、チーム全体で月あたり270分ほど短縮できたことになります。
また、お客様にとってもやり取りにかかる工数を減らせたことは良かったと感じています。
【kMailer】属人化防止で、顧客対応業務の意識改革を
株式会社ジョイゾーが提供している「システム39」では、初回開発・相談を無料で実施しています。初回相談の受付業務でも、kMailer等を用いて、業務改善を図られたそうです。
◇問題
- 「システム39」の初回相談などの対応状況が、チーム内でうまく共有できていなかった
◇対策
- 案件状況を確認する定例会で、目視しながらリマインドメールを送るようにした
- リマインドメールの送付にはkMailerを用いた
◇効果
- 担当者による属人化を防げた
「システム39」は、相手が初回相談の申し込みをする際、ジョイゾーのHPにあるFormBridgeで作成されたフォームに必要事項を入力します。
申込があるとメールワイズにメールが飛んでくるので、社内担当者が調整アポという日程調整ツールのURLをお客様に送り、日程調整を行ってもらいます。反応がなく予約されない場合リマインドメールを送っているのですが、リマインドメールは担当者が気付いた際に送る運用となっていたため、メールの送り漏れや、問い合わせの対応状況を把握できていないケースがありました。
また、どのくらいの申込があり実案件にどれだけ繋がっているのか把握できていなかったため、意識改革も兼ねて定例時に2週に1度のタイミングで送信するようにしました。日程調整のURLを送っているものは「案内済」、日程の予約が入ったものが「日程調整完了」というステータスになっているため、「案内済」のものを絞り込んでkMailerでメールを送付しています。
ー業務改善する上で、何かポイントはありますか?
メールの送付を一斉送信ではなく、一件一件確認して送るようにしています。
問い合わせをしてくださる方のお悩みや状況がそれぞれ異なるため、こちらからのご案内内容も変わるからです。こちらから送るメールの内容は定例会で確認してから送るようにしています。しかし、それもkMailerで複数のテンプレートが用意できるので、手間をかけず簡単に送れていますね。
ー見積送付後もリマインドをされているのですか?
はい。見積送付後も、ご返信がない方に対してはリマインドを送っています。見積送付日の2週間後になってもリアクションを頂けない場合、再度メールを送るよう、担当者にkintone基本機能のリマインド通知が届くようにしていましたが、これも担当者任せになってしまっていました。
また、各担当者がメールを送ったか否かを絞り込みで検索できない仕様になっていることも課題でした。そこで、絞り込みができるようチェックボックスを付ける必要が出てきました。kMailerの「送信後レコード編集」機能を用いてメールを送信することで、見積管理アプリのレコードにチェックが付く仕様に変更しました。
また、案件管理アプリにも連携が必要なので、そのステータスの同期はkrewDataで行っています。
これらの取り組みにより業務の属人化が解消され、担当者が不在であったり、メール送信を失念してしまったりといったことが原因で問い合わせへの返信が漏れてしまうことがなくなりました。
ー属人化業務を無くそうというのは田中さんが提言されたのですか?
私が、定例会で提言しました。今回はたまたま私でしたが、SIチームの業務は、チーム全体で業務の効率化の案を出しながら回しています。
ー他にもメール送信のサービスはありますがkMailerを選んだ理由はありますか?
「送信後レコード編集」機能や、「ログ取得」機能が便利だったからです。見積を送って見てもらえているかがログで追えるので、活用しています。
ーお客様からの反応はありましたか?
リマインドメールを送付することで、お客様のステータスを正確に把握することができるようになりました。検討中なのか、補助金の申請中で回答を保留しているのか、稟議申請中なのかなどです。
もちろん、kMailer導入前もリマインドの連絡はしていましたが、より力を入れていくべきという意識が社内で醸成されました。
【FormBridge】パラメータ連携で問い合わせを集約し業務効率化!
「システム39」等の開発の注文と、トヨクモ製品や他社製品のライセンスの注文を合わせて案内する時に、開発の注文はkMailerで送っていましたが、ライセンスの注文はメールワイズでといった形で、サービスによってメールを送る流れが異なっていたそうです。
◇問題
- サービスによって、注文の際に必要な情報が異なるため、個々に対応が必要となり工数がかさんでいた
◇対策
- 申し込んだサービスによって、項目が変わるフォームを作成した
◇効果
- やり取り工数の削減
- 発注時の必要項目不備の解消
注文の送付方法が別々になってしまっていた理由は、ライセンス注文の手続きの際、サービスによって必要な項目が異なるためです。
ライセンスに関する見積をお客様にお出しする際は、担当者が注文に必要な情報を判断し、お客様に対して連絡を取る必要があったため、一括での送信が難しいという状況でした。
しかし、この流れではお客様と何度もやり取りをする必要があり、弊社とお客様の双方にとって大きな負担となっていました。
この不便さを解消するため、弊社の各サービスの提供を受ける上で必要な情報を、一つのフォームで入力できる仕様を考えました。
そこで選んだのがFormBridgeです。
FormBridgeで作成したフォームに複数のパラメーターを付与します。選択されたパラメーターによってお客様に入力していただく項目の出し分けを行えるようになりました。所謂条件分岐というものです。この仕様により、一つのフォームでお客様からのご注文に際して必要な情報を取得できるようになりました。
ー改善効果は大きかったですか?
ライセンス注文のやり取りは、5から6往復のやり取りが発生し、平均して1時間ほどかかっており、SIチームで月に10回程度発生していました。改修後は1回につき、10分ほどでできるようになりました。50分×10回=500分/月の業務削減につながっています。
また、お客様に対して複数回に分けてメールを送る必要もなくなりました。送るメールの本文を修正する際も、ボタン一つでできるようになりとても助かっています。
お客様にとっても、弊社から「この情報が不足しています」と言われ、複数回やり取りを繰り返さなければならなかったことは大きな負担であったと思います。
トヨクモ製品のおかげで、弊社とお客様双方の負担が大きく軽減されました。
ー時間が短縮できたことで良かったことはありますか?
お客様のために分かりやすい資料を作ったり、アプリの構成を考えたり、エンジニアとしてかけるべきところに時間をかけられるようになったことが嬉しかったです。お客様に向き合える時間を増やすことは、良いシステムに直結すると思っています。
今後の展望
私たちはSIer・エンジニアなので、自分たちの業務は後回しになってしまいがちですが、自分たちに対しても39(サンキュー)していこうという意識でやっています。
ージョイゾーのメンバーはみなさん熱いですよね!
みんなシステム39が好きだからだと思います。なので、もっとサービスを良くしたくて、どうすれば良くなるかを常に探しています。自分たちが価値があると思うものを届けたいのですし、自分たちが良いと思っていないとそれはお客様にも伝わってしまいます。自分たちが納得できる形に落とし込んで、価値あるサービスを届けていきたいです。
また、「システム39」は今年10周年を迎えます。noteでこの10年の歴史についても書いていますので、見ていただけると幸いです。
「自分たちの業務が、自分のアイデアで変わった時、そしてその還元を感じた時、業務改善って楽しいなと感じられると思うので、システム39でも、別のコミュニティでも、その楽しさを共有していきたいです。そして、楽しいをみんなで届けていきたいです。」と田中さんは締めてくれました。

株式会社ジョイゾー
田中 美有(たなか みう)さん
2021年4月 株式会社ジョイゾーへ新卒入社。
入社後、SIチームとプラグインチームを兼任し、2年目の後半からSIチーム専属で勤務。
新卒3年目にしてkintone show+case unlimited 2023 にも出場する等、精力的に活動している。
X:https://twitter.com/miumiu_joyzo

トヨクモ編集部
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