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【3月ユーザー会】でのぞ様による登壇レポート記事

トヨクモ編集部のサムネイルアイコン トヨクモ編集部

ユーザー会での事例登壇の様子をレポート!

この記事はユーザー会での、でのぞさんの事例登壇の様子をお届けするレポート記事です。

今回は「社内に業務改善の波を起こして、後進育成まで進めた話」でご登壇いただきました!

kintone活用歴と3つのテーマ

現在、本業のBPO企業でkintoneを担当しながら、副業でもkintoneの構築支援をしている、でのぞと申します。

前職の私立学校にて、kintoneおよびトヨクモ製品と出会いました。kintoneは2017年からで約8年、トヨクモ製品は2019年からで約6年使用しています。

これまで作ってきたものとしては、主に以下のシステムが挙げられます。

  • 経理申請システム
  • 高校の制服販売会予約システム
  • 大学WEB出願システム
    ※これらの実際のシステムについてお話しいただいている動画はこちら

今回は業務改善の入門編がテーマということで、前職の経験を元にお話しできればと思っています。

挙げたシステムを作った話ではなく、このようなシステムを活用できる環境に至るまでのお話になりますので、どうぞよろしくお願いします。

お話しするテーマとしては、以下の通りです。

  1. 社内に業務改善の波を起こすには?
  2. トヨクモ製品を社内へ広めるときのポイント
  3. 後進育成の際に必ず伝えていること

私自身、導入時は業務改善に取り組む中で、さまざまな課題に直面してきたため、そのときのことを共有し、少しでも皆さんの参考になればと思います。

1.社内に業務改善の波を起こすには?

まず、1つ目のテーマは「社内に業務改善の波を起こすには?」です。

中小ではあるあるかもしれませんが、私自身も中小規模の学校法人にいたため、導入時は完全に1人でのスタートでした。

ピラミッドにおける最下段、「自分の業務改善」から始めたため、正直、他部署に広めていくという意識は当時、自分自身も持っていない状況でした。

ただ、自分の業務改善が上手く進んでいく中で、上司から「活用の幅を広げなさい」と指示を受けたんです。

他部署とは、あまりコミュニケーションも取っていない状況で、どうしていこうかと思いつつ、実際に取り組んでみたところ、すぐに壁にぶち当たりました。

その壁が何かというと、小規模の組織だと”キーマン”を見つけるのがとても難しかったんです。

本当に事務員が少ない学校だったので、一人部署があったり、一人業務が当たり前という環境でした。

なので、皆さん目の前のタスクに追われてしまって、業務改善の思考があまりなかったんです。結局、「前年度と同じやり方をする」というのを繰り返している状況でした。

導入初期に抱えた課題は「思考の改善」

事務員に業務改善の思考がない中、「kintone便利ですよ」とか「使ってみてください」と言ったところで、誰も手を挙げてはくれませんでした。

もはや、自分が一方的に喋っているみたいな状態だったのですが、そんな時期にとある一言を言われることになります。

「なに頑張っちゃってんの。意味ないし、やるだけ無駄でしょ」

これを言われたときは、結構な衝撃を受けました。ただ、一旦立ち止まって「この言葉の裏は何だろう?」と考えてみたんです。

そこから、その人が「やるだけ無駄」と発言しているということは、問題意識がすごいある人なのだと考えました。

つまり、思考が眠っている状態にあるわけです。本当はやりたいけどなかなかできない、長い歴史の中で変われないという経験があったのではないかと思います。

なので、その人たちの思考を変えることこそが、導入初期の課題となりました。

深く眠ってしまった思考にどのようにアプローチしていこうかと考えたのですが、その前提に、私が行動を起こすキーとなった言葉があります。

それは、「教育は人の行動を根本的に変えられるものではない」というアメリカの元小学校教授の言葉です。私は、これは本当にその通りだと思います。

例えば、「タバコはやめなさい」と広告で教育されたところで多分やめませんよね。
でも、子供とか孫が生まれたタイミングで「悪影響があるからやめよう」とか「孫と長く過ごしたいからやめよう」ってことはあると思います。

そういった想いから、思考が変わることこそが、根本的に行動が変わることにつながるのだと考えています。

この意味で、「kintone便利ですよ」と一方的に教育しても、自分ごととして捉えられていない段階では、なかなか進んでいかないのではないかと思います。

業務改善の波を起こす意識改革

根本的に行動を変えてもらうために、最初は泥臭く意識改革に取り組んできました。

具体的に取り組んだこととして、以下の2つをご紹介します。

横に張り付いて、実際に使ってもらう
社内のメルマガで成功体験や社外の事例を発信

まずは、横に張り付いて一緒に操作することで、「便利だな」と思ってもらったり、どう業務改善の効果が出るのかイメージしてもらったりという行動を取りました。

少ししつこかったかもしれませんが、ほぼ毎日のように一緒に取り組んでいましたね。

あとは、当時図書館と情シスを兼任してメルマガの発信もしていたので、成功体験や社外事例を盛り込んでいました。

社内で行われた小さな成功体験を記事にしたり、社外の業務改善事例を記事にしたりして、社内のメルマガで送っていました。

毎日送っていた時は「送りすぎだぞ」と上司に突っ込まれたこともありましたが、それだけ皆さんの目につくように思考を変えるための行動をしてきました。

多方面から根本的に行動を変えてもらうための意識改革を始めたということです。

業務改善の仲間が増えた

結果、どうなったかというと、業務改善を自ら行う仲間が徐々に増え始めました。

ピラミッドで言えば、小さな成功体験の共有までいけるようになったと思います。

私自身は、2年前に前職を辞めていますが、その後もバージョンアップをしたり、kintoneを使った新しい取り組みが始まったりしたと聞いています。

私が1人から始めて、離職する前の数年には5人体制まで増え、今もなお活用が続いている状況です。

当初は全く考えられなかった環境が、今も継続しているのは、私が導入時期に、根本的に行動を変えるための意識改革に取り組んできたからだと考えています。

そのため、導入時期に1人で悩まれている方も沢山いらっしゃると思うのですが、まずは意識改革から始めることをおすすめします。

2.トヨクモ製品を社内へ広めるときのポイント

次に、トヨクモ製品を社内に広めるときのポイントをお伝えします。

具体的には、私が毎月のように行っている製品レクチャーで抑えている以下のポイントを共有できればと思います。

  1. 必ず会社説明を入れる
  2. イメージが付きやすい題材で話す
  3. 「システム=難しい」と思わせない
  4. セキュリティ機能の説明
  5. 不安を感じたら、専門家に頼る

1つ目。私は必ずトヨクモの製品ページを開いて、製品の特徴だけでなく、企業背景まで説明しています。

説明する中で、元々サイボウズ社の100%子会社からスタートしたというのが、かなりのパワーワードだと感じています。

あと、お問い合わせの回答がとにかく早いことなどを伝えると、良い反応をもらえることが多いですね。

もう1つ、私が話すのが、トヨクモのミッションである「すべての人を非効率な仕事から解放する」という言葉です。製品に愛着を持ってもらうために必ず伝えています。

2つ目。入門時のレクチャーでは、必ずイメージがつきやすいような題材を選ぶようにしています。

販売部なら注文受付フォーム、企画部ならイベント予約フォームというように、参加者によって具体的にイメージしやすいレクチャーにしているんです。

規模が大きくなると教えるのも大変なので、定型化していいと思いますが、初期は業務改善の仲間を増やすことが大事なので、少し手間でも都度テーマを変えて準備しています。

3つ目。「システム=難しい」と思わせないように工夫しています。

私の強みは非エンジニアであることだと考えていて、自分が受講する側だったらと思いながら、難しい用語は噛み砕いて説明するなどの工夫をしています。

操作面においても、「業務改善が楽しい!」と感じてもらうことが重要だと思うので、楽しく簡単にできることをひたすらアピールしていますね。

4つ目。不安を取り除くために、セキュリティ機能の説明を丁寧にしています。

ボット対策やリソースの読み込み制限、Toyokumo kintone App認証など、トヨクモ製品に備わっている機能項目を説明し、安心・安全に利用しましょうと伝えるんです。

自治体の案件などもあるので、セキュリティ部分をしっかり説明することで、トヨクモはしっかりしているんだなと思ってもらえます。

私自身、トヨクモの製品は簡単すぎて、逆に不安になる時があるんですよ。

世の中に初めて自分のフォームをリリースする時、ドキドキしたのを覚えているので、そういった不安を取り除くためにも説明していますね。

あとは、よくある質問に「意図しない情報公開を防止するためのチェック項目」があるので、ここは必ず一緒に確認しています。

最後に、5つ目。情報の取扱いに不安を感じたら、専門集団の力を借りるのも1つの手です。

有料のサービスにはなりますが、2023年11月にトヨクモクラウドコネクト(TCC)が設立されました。

ガバナンス支援や情報漏洩リスク診断などのサービスを提供されているので、お金に余裕があれば、こうしたサービスを活用するのも社内展開には良いと思います。

プロの診断を受けて、内製化の体制に厚みを持たせることもできますし、私自身もここで教えていただいて、スキルが上がったなと感じることがありました。

以上5点が、トヨクモ製品を社内に広めるときのポイントです。初めて触るメンバーの不安を取り除き、トヨクモ製品の信頼性を説明で高めながら広めてきました。

3.後進育成の際に必ず伝えていること

最後に3つ目のテーマは、後進育成の際に必ず伝えていることです。

私は、アジャイルソフトウェア開発宣言(アジャイルマニフェスト)の4つの価値の1つである「プロセスやツールよりも個人と対話を」という価値について伝えています。

アジャイルソフトウェア開発宣言は、2001年にソフトウェア開発の将来を議論する会合「Snowbird 17」で、より効率的で柔軟な開発を目指して作られた宣言文です。

その中で、対話が価値とされています。イメージでは、エンジニアの方々はツールを大事にされると思っていましたが、実は対話が大事にされているんです。

私は業務上、現場と一緒に伴走構築するメンバーにレクチャーをすることが多く、こういった思考を忘れて欲しくないので、個人との対話を重視する価値をしっかり伝えています。

実際、業務改善って対話で8割は解決しているのではないかと思います。対話の中で業務改善のゴールは、ほとんど見えてくるんです。

逆に、対話が上手くいかないと、システムも上手く使えないことに繋がりかねません。抽象的な部分ではありますが、人間同士なので、この部分を忘れずに、楽しく製品を活用していって欲しいと思います。

まとめ

最後にまとめです。本日は、業務改善入門編ということで、「仲間の業務改善思考の呼び起こし」「レクチャーでは不安を取り除くこと」「対話を大事に」とお伝えしてきました。

ただ、私もこれまで色々な事例を聞いてきましたが、最終的には自分の会社の規模や風土に合わせて、自分たちなりの進め方を見つけていく必要があります。

本日のお話は参考程度に持ち帰っていただき、今後自分たちの正解を見つけていただければ幸いです。

そして、最後にもう1点。1人で頑張りすぎないことが大事だと思います。

私も社内に相談役がいない中で1人からスタートしたので、コミュニティの皆さんには何度も助けていただきました。ぜひ、皆さんもコミュニティを活用していただければと思います。

そして、最近アイデアや悩みをシェアできる場として「トヨクモPark」がリリースされました。

こちらで一緒に悩みを共有して、一緒に業務改善ができたらいいなと思っているので、ぜひ皆さんも参加して共有してください。

以上です。本日はありがとうございました。

ご登壇ありがとうございました!

でのぞさん、今回はご登壇いただきましてありがとうございました!

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監修者トヨクモ編集部


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