kintoneでは、定期的なメンテナンスやアップデートが行われています。アップデート時には機能追加や仕様変更が実施されるため、効率よく活用するためには常に最新の情報を知っておかなければなりません。
そこで今回は、アップデートの時期や内容を知る方法とともに、最新のアップデート情報についてお伝えします。ぜひ参考にしてください。
kintone(キントーン)は、ビジネスアプリ作成のクラウドツールで、サイボウズ株式会社が運営するサービスです。 業務で生じる多量なデータやそれに伴うコメントなどを一元管理でき、最近はCMでもよく見かけるようになりました。 今回[…]
kintoneのアップデートとは
まずは、kintoneのアップデートが行われている目的や頻度を見ていきましょう。
不具合改善や新機能追加が目的
kintoneのアップデートは、ほかのクラウドサービスと同様、不具合の改善や新機能、セキュリティ向上を目的としてソフトウェアを最新の状態にする「ファームウェア アップデート」です。
開発元のサイボウズ社は、ユーザーの要望に応えるためにkintoneのアップデートを行い、機能の追加や仕様の改善に力を入れています。
アップデートの頻度
kintoneでは毎月第2日曜日、午前1時~7時の間に定期メンテナンスを実施しており、その際にアップデートをしています。日曜日はkintoneを使用していない企業やユーザーも多く、この時間を狙っていると考えられるでしょう。
【kintone】2024年の主なアップデート情報
2024年6月
最新のアップデートは、2024年6月です。アップデートは6月9日となっており、以下の更新が行われました。
- プロセス管理設定にフロー図表示機能を追加
- 2要素認証の利用を全ユーザーに強制できるように
- スペース設定をREST APIで更新できるように
- スペース設定の「アプリ作成権限をスペース管理者に限定する」設定を、REST API で取得/更新できるように
- その他のアップデート
アプリ設定
アプリ設定では、プロセス管理設定にフロー図表示機能を追加できるようになりました。設定画面で「ステータス」と「アクション」の設定内容が視覚的に図示されるため、内容が容易に把握できます。また、現状を把握したり、問題点を発見したりする際にも便利です。
ユーザー認証
ユーザー認証のアップデートでは、2要素認証の利用を全ユーザーに強制できるようになりました。
これまでは、2要素認証の利用は各ユーザーの設定に任されていましたが、現在は2要素認証を行わないログインを禁止できるようになっています。不正アクセスやログインを防止し、より安全にkintoneを活用できます。
API
APIのアップデートでは、スペース設定を「REST API」で更新できるようになりました。その他に、スペース設定の「アプリ作成権限をスペース管理者に限定する」設定を「REST API」で取得/更新できるように。
これまでは、スペース設定の取得のみしかできなかった「REST API」ですが、アップデートによって更新が可能になっています。
その他のアップデート
その他のアップデートとしては、「ツアー機能」の提供終了が行われました。今後、さまざまな機能を実装したり、要望に応えたりするために一部の機能の提供を終了しているとのことです。
(参考:2024年6月版 主なアップデート)
2024年5月
主なアップデートは以下のとおりです。
- Androidのホーム画面にkintone内のアプリを直接開けるショートカットを追加可能に
- アプリ設定画面上でアプリコードを変更できるように
- カテゴリーの削除操作時に、カテゴリーを削除できるかをチェックする処理を追加
- プラグインごとに利用を許可するアプリを設定できるように
- OAuthクライアントで使用できるAPIに、グラフ設定などのアプリ設定の取得/更新REST APIを追加
- アプリに追加されているプラグインの一覧を取得するREST APIを追加
- アプリの所属するスペースを変更するREST APIを追加
- アプリ管理者用メモを取得/更新するREST APIを追加
- スレッドを作成できるREST APIを追加
なかでも大きいのが、Androidのホーム画面上に、kintoneのアプリを直接開けるショートカットを追加できるようになったことです。
利用頻度の高いアプリのショートカットをホーム画面に追加することで、より少ない操作でアクセスでき、すぐに作業を開始できるようになります。
(参考:2024年5月版 主なアップデート)
2024年4月
主なアップデートは以下のとおりです。
- レコード一覧画面でレコードを編集する際の列幅が維持されるように
- スペースに所属しているアプリでも、アプリの画面でアプリ名を識別しやすく
- 現行デザインへの移行と画面パーツ/レイアウトの共通化
- 一覧の設定で、一覧に配置するフィールドをキーワード検索で絞り込めるように
- ユーザー情報のポップアップ表示機能
2024年4月には、レコード一覧画面やスペースに関するアップデートが行われました。レコードを編集する際には列幅が維持されるようになり、スペースではアプリ名を識別しやすくなりました。
また、現行デザインへの移行や画面パーツ/レイアウトの共通化、絞り込み機能の追加、ポップアップ表示機能なども追加されています。
(参考:2024年4月版 主なアップデート)
2024年3月
主なアップデートは以下のとおりです。
- デスクトップ通知を利用可能に
- フィールド選択箇所で、テーブル/グループ名が表示されるように
- フィールドに対して重複禁止の設定ができないとき、エラーが発生しているフィールド名が表示されるように
2024年3月のアップデートで大きいのは、デスクトップ通知が利用可能になったことでしょう。kintone以外の画面で作業をしているときでも素早く通知に気づけるため、チームの連携がスムーズになります。
そのほかにもフィールドに関するアップデートがいくつか行われました。
(参考:2024年3月版 主なアップデート)
2024年2月
主なアップデートは以下のとおりです。
- cybozu.com共通管理者の設定画面に説明やラベルを追加
- JavaScript APIで数値フィールドに対して値を取得/書き換えする際の動作の変更
2024年2月のアップデートでは、cybozu.com共通管理者の設定画面に、共通管理者に関する説明が追加されています。
また、メンテナンス情報などに関するメールを受信するかを設定するためのチェックボックスにはラベルが追加され、何の設定なのかが把握しやすくなりました。
さらに、kintone JavaScript APIにおいては書き換え時に「数値として扱える値」への書き換えが可能になっています。
(参考:2024年2月版 主なアップデート)
2024年1月
主なアップデートは以下のとおりです。
- レコード入力時に手動入力できないフィールドであることが、フォーム設定画面上でも分かるように
- プロセス管理で、作業者の設定を変更できない場合に、エラー表示によって変更できないことに早く気付けるように
- ログイン時に使用する各種画面に関連するヘルプへのリンクや補足説明を追加
2024年1月のアップデートでは、レコード入力時やプロセス管理に関するアップデートが行われました。手動入力できないフィールドであることが設定画面上で分かったり、プロセス管理で作業者の設定を変更できない場合にエラー画面が表示されたりするようになります。
また、ログイン時に使用する各種画面に関連するヘルプへのリンクや補足説明が追加されたことで、より使いやすくなりました。
(参考:2024年1月版 主なアップデート)
過去のアップデートを一覧で紹介
ここからは、過去のアップデートをピックアップしてご紹介します。
ここからは、過去のアップデートをピックアップしてご紹介します。
2023年12月
2023年12月のアップデートでは、スペイン語が使用可能になりました。その他の主なアップデートは以下のとおりです。
- フィールドを選択する箇所で、キーワード検索で候補を絞り込めることに気付きやすく
- ファイル添付時にカメラを使用する機能が利用できない場合の原因を把握しやすく
- スペイン語を選択可能に
(参考:2023年12月版 主なアップデート)
2023年11月
2023年11月のアップデートでは、「関数」や「フィールドコード」の入力を補助する機能が追加されました。そのほかの主なアップデート内容は以下のとおりです。
- 「関数」や「フィールドコード」の入力を補助する機能
- ドロップダウン等の選択肢フィールドの設定で、項目を追加しやすく
- アクションの設定で、「コピー先のアプリ」の候補リストからアプリを開けるように
- 写真や動画ファイルのアップロード時に「写真選択ツール」が利用できるように
- Microsoft Entra IDとのプロビジョニングの設定が手軽に
(参考:2023年11月版 主なアップデート)
2023年10月
2023年10月のアップデートでは桁区切り表示に関する変更が行われました。これにより桁数の多い数字を読み取りやすくなったり、入力の手間が減ったりといったメリットが期待できます。
また、ルックアップフィールドの設定から「関連付けるアプリ」を開けるようになりました。
- レコード追加/編集画面の数値フィールドが桁区切りのカンマ付き数字や全角数字入力に対応
- ルックアップフィールドの設定から「関連付けるアプリ」を開けるように
(参考:2023年10月版 主なアップデート)
2023年9月
2023年9月のアップデートでは、同じ名前のアプリの存在を知らせる機能が追加され、アプリが重複するリスクを減らせるようになりました。また、ゲストユーザーの情報を記録しておきたい場合などに役立つ機能も追加されています
- 同じ名前のアプリの存在を知らせる機能を追加
- ゲストユーザーの一覧をCSV形式でダウンロード可能に
(参考:2023年9月版 主なアップデート)
2023年8月
2023年8月には、ファイル添付時にその場で動画を撮影できるようになりました。あらかじめ撮影せずともファイルを送れるようになったことで、より便利にkintoneを活用できます。また、その他の主なアップデートは以下のとおりです。
- フィールド選択時にキーワード検索できる箇所をアプリ設定内画面に追加
- スペースの種類(公開、非公開、ゲスト)を確認できるラベルが表示されるように
- 複数の画像ファイルをスワイプによって切り替えられるように
- ファイル添付時にその場で動画を撮影できるように
(参考:2023年8月版 主なアップデート)
2023年7月
2023年7月には、フロントエンド基盤の刷新が行われました。その他の主なアップデートは、以下のとおりです。
- フィールドのアクセス権設定でのフィールド選択時、キーワードで候補を絞り込めるように
- プロセス管理のステータスの削除ボタンクリック時に、そのステータスが削除可能かのチェックを追加
- フロントエンド基盤の刷新(ヘッダー/グローバルナビゲーションバー )
- 開発基盤の刷新(日時情報の文字列パース処理ライブラリの変更)
(参考:2023年7月版 主なアップデート)
2023年6月
2023年6月には、関連レコードフィールドが「一件ずつ」表示できるようになりました。その他の主なアップデートは以下のとおりです。
- 関連レコードフィールドを「一件ずつ」表示できるように
- ユーザー、グループ、組織に「削除済み」表示が追加
- ユーザー選択系パーツにおいて文字入力のみでログインユーザーを選択できるように
- アプリ貼り付け機能で50件のレコードをまとめて表示できるように
- スレッド作成時に自分宛通知を送るかどうか選択可能に
(参考:2023年6月版 主なアップデート)
2023年5月
2023年5月には、新機能の適用タイミングを選択可能になりました。新機能が追加された際、自分のタイミングで適用することが可能です。その他の主なアップデートは以下のとおりです。
- グラフ編集時のプレビューが常時表示されるように
- 計算式で演算子の入力間違いの可能性がある場合、修正候補を表示
- 新機能の適用タイミングを選択可能に(アップデートチャネル)
(参考:2023年5月版 主なアップデート)
2023年4月
2023年4月には、ポータルの設定ダイアログに関連するヘルプやドキュメントへのリンクが追加されました。これにより、よりスムーズにkintoneを活用できるようになります。その他の主なアップデートは以下のとおりです。
- アプリ更新時の確認ダイアログに、その更新によって変更される設定範囲が表示されるように
- ポータルの設定ダイアログに、関連するヘルプやドキュメントへのリンクを追加
- モバイルアプリで、複数の画像ファイルをスワイプによって切り替えられるように
(参考:2023年4月版 主なアップデート)
2023年3月
2023年3月には、添付ファイルをドラッグ&ドロップで並び替えられるようになりました。直感的な操作で並び替えられるため、スムーズに作業が進められます。
- 添付ファイルをドラッグ&ドロップで並び替えられるように
(参考:2023年3月版 主なアップデート)
2023年2月
2023年2月には、アクセス権設定の反映処理の変更が行われました。その他の主なアップデートは、以下のとおりです。
- 現行デザインへの移行と画面パーツ/レイアウトの共通化を実施
- アクセス権設定の反映処理の変更
(参考:2023年2月版 主なアップデート)
2023年1月
2023年1月には、日付/日時フィールドで年月日を「/」区切りで入力しても保存できるようになりました。その他の主なアップデートは以下のとおりです。
- 日付/日時フィールドで年月日を「/」区切りで入力しても保存できるように
- 「最近開いたスペース」が利用可能に
- kintoneのリンクを直接kintoneモバイルアプリで開けるように
(参考:2023年1月版 主なアップデート)
kintoneのアップデートでよくある質問
最後に、kintoneのアップデートでよくある質問を2つ紹介します。
最新/過去のアップデート情報はどこで確認できる?
kintoneのアップデート内容は「kintone公式サイト」で確認できます。
2022年12月以前を含む、すべてのアップデート内容を確認できるだけではなく、製品内プラグインアップデートも確認可能です。ここから最新のアップデート情報も閲覧できるので、こまめにチェックしましょう。
アップデートオプション画面で何ができる?
以下のようなことが可能です。
- アップデートの配信方式の選択
- 一部の新機能、既存機能の有効/無効の切り替え
- リリース予定機能の先行利用
- 現在開発中の新機能のお試し利用
(参考:kintoneヘルプ)
アップデートオプションの設定を変更できるのは、システム管理者のみなため利用の際は注意が必要です。
まとめ:最新アップデートでkintoneをより快適に
今回は、kintoneの最新のアップデート情報を紹介しました。アップデートをすることで新機能が追加されたり、不具合が改善されたりするため、より快適に活用できるでしょう。
それでも機能が足りない、使いにくいなどと感じる場合にはプラグインや連携サービスの活用がおすすめです。トヨクモでは、さまざまな内容の連携サービスを提供しているので、ぜひあわせてチェックしてください。