ご登壇ありがとうございました!
武田さん、今回はご登壇いただきありがとうございました!
この記事はトヨクモkintone収穫祭のアフターイベントでの、株式会社トラストバンク 武田さんの事例登壇の様子をお届けするレポート記事です。
今回は「トヨクモ4製品で実現している基幹システムとオペレーション自動化事例」をテーマにご登壇いただきました!
株式会社トラストバンクは、ふるさと納税事業、EC事業、パブリテック事業などを展開しているIT企業です。トヨクモと同じく、JR東急目黒ビルに本社を構えています。
自治体向けクラウドサービスの開発・提供をしておりまして、以下の2製品が主力サービスとなっています。
LoGoチャット:自治体向けビジネスチャット
LoGoフォーム:自体向けフォームサービス
6年前、新規事業の立ち上げ当時は2名体制となっており、基幹システムもないような状況でした。
見積書や発注書の作成すらどうするのかというゼロからのスタートでしたが、そんなときに助けられたのがトヨクモ製品をはじめとしたkintone関連の製品でした。
現在事業部内で契約しているkintone関連のプラグイン/連携サービスは以下の通りです。
トヨクモ製品としては、FormBridge、kViewer、PrintCreator、kMailerの4製品を導入しています。
これらの製品を駆使して、新規事業の立ち上げにあたり数々のシステムを構築してきたので、本日はその中から3つの活用事例をご紹介いたします。
1つ目の事例は、発注受付後、社内承認フローを回し、発注請書を発行するまでのフローです。
まずは、FormBridgeで作成した発注フォームから発注情報を受け付けます。
注文サービスや発注種別、社名やメールアドレスなどの必要な情報を入力いただき、回答していただくと、直接発注データがkintoneアプリに保存されます。
kintoneに発注データが登録されたあとは、社内で承認フローを回していきます。
当社では複数サービスを扱っており、それぞれ承認までのプロセスが異なるためフロー図では複雑に見えますが、すべてkintoneの基本機能であるプロセス管理で回しています。
ステータスが承認済みに更新されたことをWebhookのトリガーとして、PrintCreatorを使い発注請書(注文請書)を出力します。
また、PrintCreatorの機能を使って、出力された書類を添付ファイルフィールドに自動で保存しています。
最後に、kMailerを使って請書をメール送信するというのが一連の流れです。
また、kViewerを使い、パートナー(代理店)に発注情報を公開・共有しています。
公開・共有用のビューには制限をかけており、担当する自治体のレコードだけが見える設定にしているのがポイントです。
受付〜請書発行のシステム構築で工夫した点は、以下の3点です。
まず、1点目はFormBridgeのフォーム作成で、入力不要な項目を隠すようにしたことです。
製品でLoGoチャットを選択したら、LoGoフォームの項目は出ないようにするというように、条件分岐を駆使して隠すようにしました。
2点目は、最初から完璧を目指さないようにしたことです。初めから綺麗に作ろうとすると、いつまで経っても完成しなくて先に進めないという状態になりがちです。
例えば、PrintCreatorであれば、一旦情報だけ出せるようにさえなればいいのです。成果物を正しく出せるかどうかだけを確認して、あとから最終的な調整をしていけばいいのではないでしょうか。
3点目は、Webhookで押印済みの発注請書PDFを添付ファイルフィールドに自動保存するようにしたことです。
これまでは別ツールを使っていたのですが、PrintCreatorの機能として自動保存が追加されたので、ステータスの更新を契機に出力して、保存まで自動でできるようにしました。
2つ目の活用事例は、社内での貸与物の棚卸しを自動化した事例です。
背景として、当社は全員がフルリモートワークとなっておりまして、開発に必要な検証用のスマートフォンやテスト用のマイナンバーカードなどを自宅に郵送して貸与しています。
大切なものなので、月次で付属品まで含めて紛失してないかを現物チェックしているのですが、以前はこちらの管理をGoogleのスプレッドシートで行っていました。
そうすると、チェックの記入忘れが出てきて、毎月リマインドする方もされる方もツラいという状況がありました。
そこで、何とか人を介さずに運用できないかと考えて構築したのが、今回のシステムになります。
まず、kintoneアプリに貸与物を登録し、貸与物ごとに誰が持っているのかを管理しています。
こちらをkViewerのMyページに登録しておき、MyページのURLを含めた棚卸依頼をSlackで自動で通知します。
送られてきたMyページを開いてもらうと、棚卸しの手順や対象となる貸与物の情報が記載されています。
Myページ内の「棚卸を開始する」を押すと、kViewerと連携しているFormBridgeで作成した貸与品棚卸フォームに遷移します。
貸与品棚卸フォームに回答してもらうのですが、もし未回答だった場合は、自動的に週次でリマインドされるように設定しています。
この仕組みを構築したことで、私自身は何もしなくとも棚卸実績が自動でkintoneに蓄積されるようになりました。
今回棚卸しの自動化のために工夫したポイントは、以下の2点です。
1つ目の工夫した点は、kViewerとFormBridgeの連携です。Myページに貸与品棚卸フォームへの遷移ボタンを設置し、スムーズに回答できるようにしました。
kViewerとFormBridgeそれぞれにサービス連携という項目があり、そちらを数クリックするだけで簡単に連携できました。
また、こちらはおまけになりますが、Slackでのリマインド通知にはiPaaSのMakeを使用しています。
ノーコードでさまざまな製品を連携することができ、kintoneとも相性がいいため、自動化する際に活躍しています。
最後の事例は、kMailer×SendGridを活用して、数千件のメールを一斉送信した事例です。
まず、本件においては以下の6つの要件をクリアする必要がありました。
これまでは、kMailerとGmailを連携し、裏側ではGmailのAPIを使ってメールを送信するという運用をしていました。
以前はこの運用で問題なかったのですが、Gmailには1日2000通までの送信上限数があり、障害が発生した際に、上限に到達して送信しきれなくなるという問題が発生しました。
そこで活用したのが、kMailerとSendGridです。SendGridには送信上限数がなく、1分に1000通までメールを送ることができます。
社内にメールサーバ不要!SendGridとkMailerを連携してみる
SendGridと連携してkMailerの設定をしたあとは、通常と同じUIでkintone上に「メールを作成する」というボタンが設置されます。
あとは、ボタンを押すだけで一斉送信も個別送信も簡単に送信可能です。
SendGridの移行に際して、急に一斉にメールを送ろうとすると評価が下がり、迷惑メールボックスに入りやすくなる可能性があります。
SendGrid側の設定、レピュテーションリスクへの対策、安全に移行するためのポイントなどを以下の記事でまとめたので、気になる方はご参照ください。
■武田様執筆
kintoneからのメール送信をGmail APIからSendGrid API経由に移行した時の注意事項まとめ
これまで、kintoneやトヨクモ製品を使ってさまざまなシステムを構築・運用してきました。実際に数えてみると、以下の数だけアプリや設定を作っていました。
私は、kintoneやトヨクモ製品を設定する際、社内のメンバーと画面共有をしながら一緒に要件を整理して、運用を決めていくという作り方をしています。
それを続けてきたことで、周りも自然とトヨクモ製品の使い方や設定を覚えてきて、今では私よりも設定が得意なメンバーが増えてきているので、非常に感慨深いです。
最後にまとめになります。私はトヨクモサービスをはじめ、kintone連携は「1+1=3」のようなことができるサービスだと考えています。
最初は「トヨクモ製品でこれ実現したいな」と思っていたのが、あとから「こんなこともできるのか、ならこうしてみよう」と、どんどんアイデアが湧いてくるのです。
私はそれがすごく楽しくて、トヨクモ製品の導入が増えるたびにできることが増えていき、自動化も促進できたと感じています。
元々、まさか自分が基幹システムを作ることになるとは思っていなかったのですが、やってみたら案外できましたし、楽しく取り組むことができました。
新規事業の立ち上げに成功したのは、トヨクモ製品のおかげという部分もあり、本当に感謝しています。本日はありがとうございました。
武田さん、今回はご登壇いただきありがとうございました!
新規事業の立ち上げという切り口から事例を紹介いただきましたが、既存の業務でも真似できそうな工夫をたくさんお話しいただきました。
特に、PrintCreatorのWebhook自動保存の設定や、SlackやMakeといった別のシステムとの連携は「こういう使い方したかった!」と思っている方多いのではないでしょうか。
この記事の内容(目次)