税理士がkintoneを導入するメリット|効率化できる業務や事例を紹介
税理士事務所で勤務されている担当者の方の中には、煩雑な業務管理や書類作成、情報共有の非効率さに課題を感じている方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、直感的な操作で業務効率化を実現できるクラウドサービスとして注目を集めているkintoneを活用することで、業務効率を高めることが可能です。
この記事では、税理士事務所におけるkintone活用のメリットや具体的な活用方法、導入事例を詳しく解説します。業務効率化を検討されている税理士事務所の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
税理士業務で起こりうる課題
税理士業務では、以下のような課題がよく見られます。
- 進捗管理の不透明さ
- 情報管理の属人化
- 紙資料の多用による非効率性
- 情報共有の遅れ
進捗管理の不透明さ
税理士事務所では、複数の顧問先の確定申告や税務書類作成などの業務を同時に進行させる必要があります。しかし、案件の進行状況が把握しづらく、締切遅れやミスが発生するリスクがあります。また、各業務にかかる工数が正確に把握できないため、採算性の管理も難しい状況です。
情報管理の属人化
顧問先との対応履歴や各種手続きのノウハウなど、重要な情報が特定の担当者のみに集中していることがあります。そのため、担当者の不在時に適切な対応ができない、引継ぎに時間がかかるといった問題が発生しています。
紙資料の多用による非効率性
税理士業務では、確定申告書や各種届出書など、多くの書類を扱います。紙ベースでの書類作成や保管は、作業時間の増加や保管スペースの確保など、様々なコストが発生します。また、書類の検索や整理にも多くの時間を要し、本来注力すべき専門的な業務に時間を割けない状況を生んでいます。
情報共有の遅れ
メールや口頭での情報共有は、重要な連絡の見落としや、伝達の遅れが起きやすい状況です。特に、複数の担当者が関わる案件では、最新の情報が共有されていないことによる業務の手戻りや、クライアントへの対応の遅れなどが課題となっています。
税理士事務所がkintoneを導入するメリット
kintoneを導入することで、日々の税理士業務の効率化が可能です。ここではkintoneの活用によって得られるメリットを紹介します。
業務効率化
税理士事務所がkintoneを活用するメリットとして、まず業務の効率化があげられます。
kintoneは自社に合わせて機能をカスタマイズできる、クラウド型の業務管理プラットフォームのため、あらゆる業務フローのデジタル化が可能です。
たとえば、進捗状況を一元管理することで、どの案件が滞っているかをリアルタイムで把握できます。また、タスクを自動作成し、組織全体で見える化することで遅滞なく適切に業務を行うことが可能です。
顧客情報やクライアントとの過去のやり取りなどの記録を集約すれば、必要な情報がひと目で把握できる状態が実現します。
これにより、担当者が変更になった際の引継ぎがスムーズになります。
コスト削減
デジタル化により、紙の使用や保管スペースが不要になるため、文書管理にかかっていたコストを削減できます。
また、属人化を防ぎ業務効率化を実現することで担当者の負担を大幅に減らし、人件費の最適化が可能です。
さらに、業務にかかわるあらゆる機能がkintoneに集約されているため、複数のITシステムを導入するコストを削減し、IT投資に必要な費用を最小限に抑えられます。kintoneは1ユーザーあたり月額1,000円から利用できるため、中小規模の税理士事務所でも導入しやすい価格です。
kintoneで効率化できる税理士の業務
kintoneは、税理士業務の様々な場面で活用できます。以下に、代表的な例を3つ紹介します。
進捗管理
kintoneでは案件ごとに、進捗の視覚的な管理が可能です。
たとえば、「未対応」「処理中」「完了」といったステータスを設定すれば、組織の全員がリアルタイムで状況を可視化できるようになります。
タスクを設定することで責任も明確になり、業務の漏れや遅れの防止につながります。
書類管理
紙の資料をクラウド上にアップロードすることで、必要な書類を素早く検索できます。
一元管理により、書類探しにかかっていた時間を大幅に削減でき、書類の紛失リスクの低減にもつながります。
情報共有
コメント機能や通知機能を活用することで、情報伝達を迅速に行えます。これにより、組織内のスムーズなコミュニケーションを実現し、業務の抜け漏れの防止につながります。
紙の書類で起こりやすい紛失リスクがなくなるため、外部関係者とも安全な情報共有が可能です。
税理士の業務に役立つサンプルアプリ
kintoneでは、さまざまな業種や業務に対応したサンプルアプリが提供されています。ここでは税理士業務に役立つサンプルアプリを3つ解説します。
案件管理
各案件を登録し、進行状況を記録するアプリです。どのようなアクションを取ったかを簡単に記録できるため、最新の状況を常に確認でき、担当者の引き継ぎもスムーズに行えます。集計機能により、売上や案件数の報告の効率化を実現可能に。さらに、オンラインで最新情報にアクセス・共有できるため、ファイル更新の遅れや情報漏れを防ぎます。
To Do
タスクごとに期限や担当者を設定し、効率的なタスク処理と情報共有を可能にするアプリです。個人やチームでの作業の可視化により、進捗状況をリアルタイムで確認でき、作業漏れや締切間際の混乱を防止します。コメント欄に連絡や相談内容を集約するため、経緯の確認や引き継ぎも簡単に行えます。
日報
日々の業務内容や報告事項を記録し、振り返りやチーム内のコミュニケーションに活用できるアプリです。コメント欄でフィードバックやディスカッションができるため、コミュニケーションの活性化につながります。また、キーワード検索機能により過去の情報を簡単に探し出せるため、引き継ぎ作業もスムーズに。クラウド対応のため、外出先から簡単に日報の登録・閲覧ができ、リアルタイムでの情報共有が可能です。
kintoneは、税理士事務所のあらゆる業務の効率化に大いに役立つツールです。自社の課題を明確にした上で、適切なアプリを活用し、業務フローを最適化しましょう。
税理士事務所のkintone活用事例
kintoneを導入し業務効率化を実現した事例を2つ紹介します。
税理士法人 葵パートナーズ
出典:税理士法人 葵パートナーズ 様の導入事例|kintone
愛知県で事業を展開する税理士法人葵パートナーズは、事業拡大に伴う情報管理の課題を解決するため、kintoneを導入し業務の基盤を構築しました。
複数のツールで分散していた顧客情報や業務進捗を一元管理し、社員や外部スタッフの作業内容の可視化に成功しています。
特に申告管理では従来半日かかっていた作業が約1時間に短縮され、業務の抜け漏れ防止やクレームへの適切な対応も可能に。トヨクモが提供するサービスPrintCreatorと連携し、サービススタッフの月ごとの作業一覧がPDFで印字可能になることで、煩雑な管理の負担を軽減。
また、PrintCreatorは納付書作成にも利用され、郵送記録の管理にも役立っています。今後は業務処理簿や日報など、すべての情報をkintoneで一元管理し、さらなる業務の可視化・効率化を目指しています。
アイエクシード税理士法人
出典:アイエクシード税理士法人 様の導入事例|kintone
アイエクシード税理士法人は、Excelでの業務管理に課題を感じ、kintoneを導入しました。
従来のExcelで管理していた日報はファイルの開閉に時間がかかり、社員の負担が大きかったといいます。そこでアクセスしやすく、柔軟にカスタマイズできるkintoneを導入しました。アプリの構造の最適化に試行錯誤を重ね、利便性の高い日報アプリの構築に成功しました。
また、顧問先のデータとも連携し、業務記録や工数管理を効率化しています。kintoneを導入した結果、日報の入力・集計の手間が大幅に削減され、正確なデータ活用と業務改善を実現しました。
kintoneをより便利に使うならToyokumo kintoneApp
kintoneをより便利に使うためにおすすめしたいのが、トヨクモ株式会社が提供するkintone連携サービス「Toyokumo kintoneApp」です。
Toyokumo kintoneAppでは、以下6つのサービスが提供されています。
FormBridge | kintoneへデータが自動で保存されていくWebフォームを作成できるサービス |
PrintCreator | kintoneアプリのデータをPDFで出力できるサービス |
kViewer | kintoneライセンスがない人に、kintoneアプリのデータを共有できるサービス |
kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できるサービス |
DataCollect | 複数のkintoneアプリに登録されたデータを集計できるサービス |
kBackup | kintoneアプリに登録されたデータを安全にバックアップするサービス |
ここからは、Toyokumo kintoneAppの各サービスについて紹介します。
FormBridge
FormBridge(フォームブリッジ)は、kintoneアカウントがない人でもkintoneに直接データを保存できるWebフォーム作成サービスです。
kintoneの基本機能における「ライセンスを持たないユーザーは情報を登録できない」という問題を解消できます。
また、FormBridgeで作成したフォームは、kintoneに直接データが保存されるため、転記の必要がなく、業務効率化や入力ミス・漏れの削減ができるのがメリットです。
kViewer
kViewerk(ケイビューワー)は、kintone内の情報を手間なく外部に公開できる連携サービスです。kintoneアカウントを持たないユーザーにも簡単にkintone内の情報を公開できます。
kintoneの情報を共有する際にわざわざデータを移し替える手間もなく、グラフなどの数値情報もそのまま外部に公開することが可能です。
公開範囲を設定することもできるので、社外秘の情報が漏洩するリスクを抑えつつ、社外の人に資料やデータを気軽に共有できるようになります。
kMailer
kMailer(ケイメーラー)は、kintone上で管理しているメールアドレス宛に、kintone内のデータを自動引用したメールを自動・手動・予約で送れるサービスです。
kintoneで管理している顧客に向けて一斉送信や、kintoneからのテキスト引用などを行ったり、誰にいつどんなメールを送信したかなどのログを確認することもできます。
普段社内で使っているメールアドレスからメールを送信するため、新たにメールサーバーやメールアドレスを用意する必要はありません。
誰に、いつ、どんなメールを送信したか、受信者がいつ資料をダウンロードしたかなどの情報をログとして確認することもできます。
PrintCreator
PrintCreator(プリントクリエイター)は、kintoneに登録されている社名や金額などの情報を活用して、マウスのみで簡単に帳票が作成できる帳票出力サービスです。
現在使用している見積書や請求書などをPDFファイルでPrintCreatorにアップロードすれば、マウス操作のみで簡単に帳票を作成できます。
kintoneアプリの複数レコードを一括で出力できるので、複数社の請求書や月報を簡単に印刷できるのもメリットです。
DataCollect
DataCollectk(データコレクト)は、関数を利用した計算や複数アプリ間の収集・計算・加工を可能にし、kintoneが苦手とする予実管理や在庫引き当てを実現できるサービスです。
Excelと同じ感覚で複数のアプリから情報の集計や計算が可能で、スケジュール設定による自動実行やリアルタイム更新などにも対応しています。
事前に設定しておけば、手動で操作することなく情報を自動で収集・計算できるので、情報の集計漏れや更新忘れを防げます。
kBackup
kBackupk(ケイバックアップ)は、kintoneアプリに登録したデータが消えてしまった際に備えて、kintone内のデータを別環境にバックアップできるサービスです。
kintoneの基本機能では、kintone上のすべてのデータを一括でバックアップすることはできません。kBackupを利用することで、誤って必要なアプリを削除してしまったり、スペースが復旧できなくなったという事態を防げます。
また、大切な顧客情報や添付ファイルのバックアップにも対応しています。
まとめ:Toyokumo kintoneAppでkintoneをより便利に活用しよう
「kintoneで貸出管理を行いたい」「kintoneを活用する幅を増やしたい」とお考えの方は、kintone連携サービス「Toyokumo kintoneApp」の利用がおすすめです。
トヨクモのkintone連携サービスは1万契約を突破し、サイボウズのオフィシャルパートナー評価制度においても全製品で受賞と、実績と使いやすさに定評があります。
トヨクモ連携サービスを導入することで、紙の書類を介さず、直接データの書き込みや管理が行えるため、職員の負担軽減や業務効率改善が図れるでしょう。
FormBridge | kintoneへデータが自動で保存されていくWebフォームを作成できるサービス |
PrintCreator | kintoneアプリのデータをPDFで出力できるサービス |
kViewer | kintoneライセンスがない人に、kintoneアプリのデータを共有できるサービス |
kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できるサービス |
DataCollect | 複数のkintoneアプリに登録されたデータを集計できるサービス |
kBackup | kintoneアプリに登録されたデータを安全にバックアップするサービス |
悩みややりたいことに合わせて最適な機能を追加できるので、kintoneと一緒に使いたい便利なサービスをお探しの場合は、30日間無料お試しからぜひ実際の使用感を体感した上でご検討ください。
YamadaNaoki