kintone(キントーン)を社内ツールとして採用したのはいいものの、以前のほうがスムーズに入力できていたという方もいるのではないでしょうか。
kintoneはレコードごとに別ページで表示されるため、一見すると手間がかかるように感じます。しかし、ショートカットを活用すれば入力・参照時間の大幅な効率化ができます。
本記事では、kintoneのショートカットキーについて詳しく紹介します。
kintoneのショートカットキーを解説
kintoneには、業務効率化に役立つさまざまなショートカットキーがあります。ページごとに使えるショートカットキーは一覧化されており、kintoneの画面右上にある「?」のマークをクリックすると一覧で表示が可能です。
kintoneのショートカットキーは独自のものが多いものの、WordやExcelと同じショートカットキーもあるため、新しく覚えることが苦手な方でも利用しやすいといえます。
スピーディな操作を実現するために、ショートカットキーを積極的に利用しましょう。
レコード一覧画面でのショートカットキー
レコード一覧の画面は、次のショートカットキーが使用できます。
ショートカットキー | 対応する操作 |
Enter | 選択しているレコードの詳細を表示 |
/ | 検索キーワードの入力 |
? | ショートカットキーの一覧の表示/非表示切り替え |
c | 新しいレコードを追加 |
e | 選択しているレコードを編集 |
j | 次のレコードを選択 |
k | 前のレコードを選択 |
n | 次のページに移動 |
o | 選択しているレコードの詳細を表示 |
p | 前のページに移動 |
これだけでも活用できれば作業の効率化が可能です。さらに効果的な使い方や組み合わせ方を紹介します。
効果的な使い方
レコード一覧の画面でショートカットキーを活用すると、内容のスムーズな編集や確認が可能です。
わざわざマウスを使って操作をしなくても、キーボードのキーだけで操作ができます。
たとえば、ページを前後に移動する際は「n」「p」、画面の上下スクロールには「↑」「↓」、アプリ内検索にカーソルを持っていきたいなら「/」を押すというショートカットキーがあります。
作業のたびにマウスへ手を伸ばす必要がなくなるため、作業スピードが上がります。
上下スクロールはウィンドウズのショートカットにもあるため、使い慣れているという方も多いでしょう。
組み合わせたいブラウザショートカット
ブラウザショートカットとは、ブラウザで使用できるショートカットキーのことです。kintoneはブラウザ上で動作するツールのため、各ブラウザごとに設定されたショートカットキーも利用できます。
例の1つとして便利なものが、本来ブラウザの左上にある戻る・進むキーを代用する「Alt+←」「Alt+→」です。カーソルを動かさずにブラウザの画面遷移をコントロールできるため、作業効率を高められるでしょう。
レコード詳細/編集画面でのショートカットキー
レコード詳細/編集の画面は、次の9つのショートカットキーが使用できます。
ショートカットキー | 対応する操作 |
j | 次のレコードを選択 |
k | 前のレコードを選択 |
c | 新しいレコードを追加 |
/ | 検索キーワードを入力 |
gi | 絞り込み結果に戻る |
ga | レコード一覧に戻る |
? | ショートカットキーの一覧の表示/非表示切り替え |
Ctrl+s | 変更を保存 |
esc | 編集をキャンセルする |
編集したレコードを保存する「Ctrl+s」はWordやExcelと共通するショートカットキーです。
レコード詳細やレコードの編集画面で使用できるショートカットの一部には、使用時に気をつけたいショートカットキーがあります。以下の「効果的な使い方」の章では、それらについても解説します。
効果的な使い方
レコードの詳細閲覧時に、次/前のレコードに移動するときは「j」「k」を使用します。レコードの順送りは入力欄の右上にあるため、マウスで操作をしようとすると入力箇所から少し距離があります。
ショートカットキーを利用すれば、マウス移動の手間を省き、作業の効率化が可能です。
使用の際に注意しなければならないこととして、絞り込み結果やレコード一覧に戻る「g i」「g a」が挙げられます。これらは、使用しているキーボードにもよりますが、同時押しでは反応しません。
元々順に押すことが想定されているショートカットの場合、「g」の入力後、約1秒以内に「a」または「i」を入力すると動作します。
レコード追加/再利用画面でのショートカットキーレコード追加や再利用の画面は、次の3つのショートカットキーが使用できます。
ショートカットキー | 対応する操作 |
? | ショートカットキーの一覧の表示/非表示切り替え |
/ | 検索キーワードを入力 |
Ctrl+s | 変更を保存する |
レコードの追加画面で使用可能なショートカットキーは3つしかありません。
ただし、どのショートカットキーもレコードの一覧画面や編集画面で使用できるショートカットと同じもののため、混乱することは少ないでしょう。
効果的な使い方
レコードの追加画面で使用できるショートカットは少ないため、覚えることは比較的簡単です。
一覧画面で使用可能なショートカットキー「c:新しいレコードを追加する」と「Ctrl+s」を活用すると、マウスを使わずにレコードの追加が可能です。
このとき、入力欄の切り替えにはブラウザショートカットの「Tab」キーを使うといいでしょう。Tabキーを使うと、次の入力可能な箇所にカーソルが移動します。
ショートカットキーをフル活用できれば、マウスのボタンを一切使用せずにkintone内を自在に移動・編集できるようになるでしょう。
通知一覧画面でのショートカットキー
通知一覧の画面にも多くのショートカットキーが設定されており、次の12種類が使用できます。
ショートカットキー | 対応する操作 |
? | ショートカットキーの一覧の表示/非表示切り替え |
e | 通知のボタンの表示と非表示を切り替え |
Enter | 選択している通知の詳細を開く |
j | 次の通知を選択 |
k | 前の通知を選択 |
s | 選択している通知の「あとで読む」マークをつけ外しする |
x | 選択している通知の未読表示と既読表示の切り替え |
ga | 絞り込み条件を「すべて」に切り替え |
gm | 絞り込み条件を「自分宛」に切り替え |
gs | 絞り込み条件を「あとで読む」に切り替え |
gr | 既読の通知を表示 |
gu | 未読の通知を表示 |
種類が多く、また「g」キーから連続で入力しなければならないものも複数種類あるため、覚えることが多いと考える方もいるでしょう。一方、レコード一覧画面で使用できるものと同じ操作で順送りができるため、これらについては比較的覚えやすいのではないでしょうか。
ショートカットキーの操作は慣れるまで時間がかかりますが、慣れてしまえばスムーズに作業ができます。
覚えやすいものから優先的に手に慣れさせると、作業効率が少しずつ上げられます。
効果的な使い方
通知画面を開くと、自分宛の未読通知が表示されます。そこから、既読通知の確認や、絞り込み機能を使用して通知を探したい場合は、ショートカットキーの「g r」や「g a」「g m」「g s」を使用しましょう。
重要な通知には「s」を使用すれば「あとで読む」マークのつけ外しが可能です。絞り込み関連のショートカットは、共通して2つのキーの連続入力です。猶予時間は1秒ほどあるため、落ち着いて入力しましょう。
通知詳細画面でのショートカットキー
通知詳細の画面では、次の5つのショートカットキーが使用できます。
ショートカットキー | 対応する操作 |
? | ショートカットキーの一覧の表示/非表示切り替え |
u | 通知一覧へ戻る |
j | 次の通知を選択 |
k | 前の通知を選択 |
s | 選択している通知の「あとで読む」マークをつけ外しする |
通知詳細の画面で使用できるショートカットキーの数も、それほど多くはありません。
効果的なショートカットキーの使い方は以下で紹介します。
効果的な使い方
通知詳細画面で使用できるショートカットキーのほとんどは、通知画面で使用できるショートカットキーと一致しています。共通で利用できるショートカットキーが多く、どちらかで覚えてしまえばいいため汎用性が高いです。
通知詳細画面でも「あとで読むマーク」のつけ外しが使用できるため、通知の内容確認後そのままショートカットキーでマークづけが可能です。重要なものには、マークづけをしておくことをおすすめします。
「u」は、通知一覧画面へ戻るショートカットキーです。通知詳細画面を閉じる際に使用できます。
ショートカットキーを活用するメリット
マウスを使わずにショートカットキーを活用するメリットとして、以下2つの点が挙げられます。
- マウス操作は手を痛めやすい
- ショートカットのほうが時間効率はいい
以下では、それぞれのメリットについて詳細を解説します。
マウス操作は手を痛めやすい
キー入力とマウス操作の併用は手や手首周辺に負担がかかりやすく、手を痛める原因になります。
デスクワーカーが腱鞘炎になりやすい原因の1つは、長時間のマウス操作が挙げられます。
マウス操作が減るだけでも、手首にかかる負担を大きく減らせるでしょう。そのため、日々の業務でマウス操作をしている手に痛みを感じることがある方は、ショートカットの活用をおすすめします。
ショートカットのほうが時間効率がいい
ショートカットキーを使って、マウス操作の時間を短縮することは、時間効率を高めることにも役立ちます。なぜなら、マウスとキーボードの間を手が行き来する時間を削減できるためです。
キーボードは両手で打つことが前提とされたつくりをしており、マウスカーソルを使って入力欄を決めたあとは、一度マウスを手放して手をキーボードに運ぶという動きをします。入力欄の決定やページ遷移をすべてキーボードで操作していた場合、その手順が必要なくなり、作業効率は格段に上がるといえるでしょう。ただし、これはショートカットキーが正しく使用できることが前提です。キーを間違ってしまい、何度もキーボードを確認しながらショートカット入力を打ち直す場合、かえって時間がかかってしまうこともあります。
最初は作業効率が落ちてしまう可能性もありますが、ショートカットキーを手に慣れさせることから始めることをおすすめします。
ショートカットキーの覚え方
ショートカットキーにはさまざまなキーが割り当てられています。単語の略称を使用したものや、単純に押しやすさを意識したものまでさまざまにあるため、語感や意味で覚えようとすると身に付きづらいと言えます。
また、ショートカットキーを使用するときに毎度、意味と頭文字のつながりを思い出しながら打ち込むことは非効率です。そのため、最初はショートカット表を見ながらでも構わないため、手に慣れさせるところから始めましょう。
毎日使用していると、覚えづらいと考えていたショートカットキーの位置や組み合わせを、体が記憶します。
「覚えなくてはならない」と意気込むのではなく、ただ使用することを意識すれば、さまざまなショートカットを手に慣れさせられるでしょう。
ショートカットを活用してkintoneでの業務効率をさらに上げよう
kintoneは、さまざまな機能を1つのツールに集約しているため、利用したい機能やページごとにショートカットキーが異なります。そのため、覚えることが困難なようにも感じますが、WordやExcelのようなほかのツールと共通しているものもあります。
まずは覚えやすいものや使用頻度が高いものから繰り返し使用すると、なにも意識せずとも使用できるようになるでしょう。
また、ショートカットキーを利用することは業務効率の向上に非常に役立ちます。そのため、作業速度を向上させたいと考えている方は、ショートカットキーを使用するところから始めるといいでしょう。