世界的なグループウェアの先駆けとして、多くの企業や団体で使用されてきた「Notes」ですが、2024年6月にサービスを終了することが発表されました。
そこで、Notesの新たな移行先として注目されているのが「kintone(キントーン)」です。
本記事では、Notesと比較しながらkintoneの機能や費用、導入メリットなどを紹介します。
現在Notesを利用中で、移行先のサービスを探している方、kintoneの全体的なイメージを掴みたい方は、ぜひ参考にしてください。
Notesとは?
NotesとはHCLテクノロジーズ社が開発・販売を行うグループウェアパッケージです。
グループウェアとは企業や団体など組織内における、コンピューターネットワークを介した情報共有システムのことを指します。具体的には電子メールや電子掲示板(BBS)、予定管理(カレンダー・スケジュール)、ワークフローやファイル共有・管理などの機能を持ち、組織内外のコミュニケーションの円滑化に役立ちます。
また、Notesは定型・非定型の様々なデータを蓄積でき、文字ベースの情報だけでなく、画像や音声なども扱えます。スクリプト言語などで追加機能の開発も可能です。
Notesと組み合わせて利用するサーバー製品を「Domino」といい、システム全体のことを「Notes/Domino」と呼ぶことが多いです。
2024年6月にサービス終了
1989年の販売開始からシェアを拡大し、一時期は7割以上の企業が導入していたとされるNotesですが、2000年代以降はビジネススタイルの変化や競合サービスの登場によって、徐々にシェアの縮小が加速しました。
そしてHCLテクノロジーズ社は、2024年6月1日をもって「Notes/Domino V9.0、V10」のサポートを終了することを発表しました。有償でのサポートもありません。
また、Notesは最新版の「V12」にバージョンアップすることで引き続き利用できますが、バージョンアップにより従来のアプリが使えなくなる可能性も考えられます。
さらに、オンプレミスでの利用を基本とするNotesは、クラウド利用が想定されておらず、アプリ開発には独自の言語が必要です。シェア縮小によりNotes運用可能な技術者も減っていることから、別のグループウェアへの移行が推奨されています。
Notesの移行先として注目されている『kintone』
Notesのサービス終了に伴い、移行先として多くの企業に検討されているのが「kintone」です。では、kintoneとはそもそもどのようなサービスなのでしょうか。
kintoneとはサイボウズ株式会社が提供する、クラウド型の業務改善アプリ開発プラットフォームです。サイボウズ株式会社は国内グループウェア市場において、10年連続シェア1位を獲得している「サイボウズOffice」を提供していることで有名です。
kintoneでは開発の知識がなくても、日報・スケジュール管理、お問い合わせ管理、顧客管理、採用管理などの業務に必要なアプリを簡単に作成・運用できます。
複雑で膨大なデータを一元化し、複数人で共有も可能です。アプリ内のコメント機能やチームごとの「スペース」、チャットや掲示板形式の「スレッド」などを社内SNSとして利用し、コミュニケーションの円滑化にも役立てられます。
リアルタイムのスピーディな情報管理により、業務効率の大幅な改善を期待できます。
以下で、kintoneが注目されている理由をさらに詳しく見ていきましょう。
ITの知識がなくても使いこなせる高い操作性
通常、システム開発をする際には、プログラミングやITに精通している人材が求められます。中小規模の組織にとっては、IT人材の不足が業務のデジタル化や効率化を妨げている場合も少なくありません。
しかし、kintoneを利用する上では、特別な知識やスキルは必要ありません。
kintoneではプログラミングを必要とせず、「ドラッグ&ドロップ」「エクセルを読み込む」「サンプルアプリから選ぶ」だけで、簡単にシステムを開発できます。
実際に2020年12月時点では、導入担当者の93%が非IT部門でした。
部署や立場に関わらず、IT知識がなくても誰でも使いこなせるため、大企業はもちろん、中小企業のデジタル化にも貢献するでしょう。
豊富な導入実績
kintoneは2023年8月末時点で、31,000社以上で導入されています。
卸売業・小売業から情報通信業、製造業、サービス業、建設業、不動産業、医療・福祉、運輸業、金融業、教育、公務、農業、電気・ガス・水道業まで、幅広い業種で選ばれています。
豊富な導入実績を誇るkintoneの可能性は、今後も無限に広がっていくでしょう。
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あらゆる業務に対応する高いカスタマイズ性
kintoneには業務や業種ごとに、あらかじめ100種類以上のサンプルアプリが用意されています。用途に合ったものを選んで追加し、そのまま使うほか、デザインや設定の変更も可能です。
また、従来使っていた顧客情報などのExcelを読み込んで、適切なフィールドタイプを選ぶだけで、データを引き継いで簡単にアプリを作成できます。
API連携やJavaScript、CSSを用いた豊富な拡張機能やプラグイン、外部サービスを活用すれば、アプリをさらに便利にカスタマイズ可能です。
時間と費用を抑えて、あらゆる業務に対応するシステムを構築できます。
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導入前後の充実したサポート
kintoneを提供するサイボウズのカスタマーセンターは、HDI-Japan(ヘルプディスク協会)主催のHDI格付けベンチマーク「モニタリング」において、最高評価の三つ星を獲得しました。
kintone導入の進め方や導入後の展開・活用など疑問点を相談できる「キントーン相談窓口」や、製品の操作や使い方に困った時の「カスタマーサポート」、初心者から上級者までレベル別のセミナー・動画・資料・ブログなどの勉強コンテンツも充実しています。
提案・開発・設計・教育など、製品の導入から運用までを支援するkintoneのオフィシャルパートナーが全国各地にいます。
Notesの移行先としてkintoneが最適である理由
Notesとkintoneを比較した表は以下の通りです。
Notes(オンプレミス型) | kintone(クラウド型) | |
主な機能 | ・電子メール ・文書共有、ファイル管理 ・社内掲示板、回覧板 ・スケジュール、カレンダー |
・業務アプリ作成、運用 ・社内チャット、掲示板 ・データ蓄積、一覧、検索 ・セキュリティ、アクセス制限 |
費用 | 要問い合わせ | スタンダードコース 月額1,500円/ユーザー(5ユーザー〜) |
サポート体制 | カスタマーサポートポータル、電話、チャット、ゲストフォーム | カスタマーサポート(メール・電話・チャット) 月~金 10:00~12:00、13:00~17:30 |
Notesの移行先としてkintoneが最適な理由を見ていきましょう。
クラウド型で情報管理が楽になり属人化を防げる
kintoneでは業務ごとに最適なアプリを作ったり、スレッドでコミュニケーションをとったりなど、ユーザー全員が使いやすいように自由にカスタマイズできます。
また、クラウド型であるため、インターネットを経由して社内外の情報共有が可能です。
過去の情報やデータも蓄積・保管されるため、いつでも見返せます。
情報が一元化されて管理が楽になり、業務の属人化を防げるでしょう。
実際に、Excelでの煩雑な情報管理をやめ、全てkintoneに移行した事例も多く存在します。
クラウドは自社でのサーバー管理が不要のため管理費用を削減できる
オンプレミス型はシステムやデータ運用のために自社サーバーを保有する必要があり、サーバー本体の購入費に加え、維持費や故障時・バージョンアップ時のコストがかかります。
一方で、クラウド型は自社サーバーが不要なため、初期費用や管理費用を抑えられます。
kintoneは初期費用がかからず、1ユーザー単位で契約可能な月額料金制であり、低コストで気軽に始めやすい点がメリットです。
kintoneのライセンスについて詳しく知りたい! kintoneの料金体系は? 今回はこういった疑問にお答えします。 業務アプリ作成クラウドサービス・kintoneは、幅広い業種で利用が進んでいます。 […]
スマホ・タブレットでも使用でき働き方改革を実現できる
原則、オンプレミス型は社内ネットワークから接続します。スマートフォンやタブレットなどを用いて外部ネットワークからアクセスする場合は、VPN接続などの複雑な設定が必要です。
一方、クラウド型は複雑な設定不要で、スマートフォンやタブレットでいつでも接続できます。kintoneもマルチデバイスに対応しており、場所や時間に関わらずアクセス可能です。
リモートワークや働き方改革の実現に繋がるでしょう。
kintoneをモバイル環境でも使いこなせるようになると、移動中などパソコンが開けない時のやり取りが便利になります。しかし、kintoneを導入したばかりであったり、パソコンでの使用がメインになっていたりして、モバイルでの使い方がわからない[…]
次のグループウェアはkintoneで決まり!
今回はkintoneの機能を紹介し、Notesからkintoneに移行するメリットを解説しました。
クラウド型のkintoneはITの知識がなくても、低コストで簡単にシステムを構築でき、幅広い業種・職種での導入実績があります。
また、kintone内に蓄積された情報はユーザーしか閲覧・編集ができないものの、トヨクモ社が提供するkintone連携サービスを用いれば、kintoneのライセンスを持たない人も情報の閲覧・編集・登録などができるようになります。
kintoneの情報を社外の人に共有したり、外部からの情報を集めたりしたい際におすすめです。kintoneを導入後、さらに便利に活用したいと感じた場合は、ぜひ以下の記事もチェックしてみてください。
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