金融機関は、複雑な業務プロセスや厳しい規制といった複雑な環境におかれており、業務効率化やセキュリティ確保が欠かせません。そんな中注目されているのが、業務改善クラウドサービス「kintone(キントーン)」です。
「金融業においてkintoneの導入を検討している」「kintoneを導入するメリットや具体的な活用例を知りたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
本記事では、金融機関における業務改善の課題や、金融業でkintoneを導入するメリット、成功事例などを解説するので、ぜひ参考にしてください。
金融機関における業務改善の課題
金融機関は法律やガイドラインによって、業務環境が厳格に定められているため、改善は基準を満たす範囲で行う必要があります。
たとえば、金融庁によってサイバーセキュリティに関するガイドラインが公表されているため、業務改善で導入するITツールはセキュリティ要件を重視することが望ましいです。
また、システムの老朽化も金融機関特有の問題点として挙げられます。
経済産業省が公表した「DXレポート」によると、金融業界では2018年時点でほとんどの企業がレガシーシステムを運用していることが明らかになりました。
※レガシーシステム:老朽化、肥大化・複雑化、ブラックボックス化したシステムのこと
レガシーシステムは運用・保守が属人的になりがちだと考える企業も多く、新しいシステムへの移行ができないと、DX推進に遅れが生じる懸念があります。
これらの課題を解決し、安全かつ質の高いサービスを提供するためにも、要件を満たした新しいITツールの導入が重要視されているのです。
金融機関でkintoneを導入するメリット
金融機関のITツール導入なら、ノーコードで業務アプリを開発できるクラウドサービス「kintone」の活用がおすすめです。
金融機関でkintoneを導入するメリットには、以下の5つが挙げられます。
- アプリを柔軟にカスタマイズできる
- 顧客情報を管理できる
- 営業活動を効率化できる
- 現場のニーズを反映できる
- セキュリティ面の信頼性が高い
ここでは、それぞれのメリットについて解説します。
アプリを柔軟にカスタマイズできる
kintoneを活用することで、業務上の課題に合わせてアプリを柔軟にカスタマイズすることが可能です。
kintone内には、複数の機能が存在するため、必要なものを自由に組み合わせ、用途にあったアプリを作成できます。
たとえば、1つのテーブルに顧客名や担当者の入力欄や、提案プランの選択肢などを用意することで、営業の顧客管理アプリが完成します。
共有すべき情報や細かい業務フローは金融機関によって異なるかもしれませんが、カスタマイズ性の高いkintoneであれば、自社にあったアプリを運用できるでしょう。
また、IT未経験者でも直感的に操作できる画面となっているため、導入後すぐに現場で活用できるのもメリットです。
顧客情報を適切に管理できる
kintoneを使用することで、顧客情報を一元管理し、必要なときにすぐアクセスすることが可能です。
金融機関で顧客管理を行う場合、複数の項目別で管理することも考えられます。
たとえば、顧客によって提供しているサービスのほか、口座利用の用途、個人と法人といった違いが出ることが考えられます。
kintoneであれば、項目を自由に設定できる上、項目別で顧客管理の画面を分けることもできるため、情報活用の効率が大きく向上するでしょう。
また、情報の更新や共有も簡単に行えるため、チーム全体での情報共有もスムーズに行えます。
営業活動を効率化できる
kintoneは営業活動の効率化にも大いに役立ちます。営業担当者は、顧客情報や商談の進捗状況をリアルタイムで確認できるため、スピーディーな対応が可能です。
また、訪問記録や商談メモを簡単に入力・共有できる機能もあり、チーム内での情報共有がスムーズに行えます。
金融業における営業活動の無駄を削減することで、より多くの時間を顧客との関係構築やコア業務に充てられるでしょう。結果として、営業成績の向上や組織全体の生産性向上が期待できます。
現場のニーズを反映できる
kintoneは現場のニーズを反映しやすいシステムです。現場のスタッフが直接アプリをカスタマイズし、自分たちの業務に合った形で利用することができます。
コメント機能などで受けた現場からのフィードバックをもとに、アプリの仕様を改善・最適化しやすいため、継続的な業務改善が可能な点も大きな特徴です。
また、システム運用だけではなく提供しているサービスのニーズも反映できるという側面もあります。顧客からの要望もkintone上で一元管理できるため、蓄積したデータを活用して、より良いサービスへと改善されるかもしれません。
このシリーズ企画は、トヨクモやkintone界隈の方が、どのような業務改善を実施しているのか、を紹介する企画です! kintoneに限らず、その人にフォーカスし、どんな考えで業務改善・DXに取り組んでいるのかを紹介します。 今回は、猪[…]
セキュリティ面の信頼性が高い
kintoneはISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)に登録されるほど高いセキュリティ強度があるため、安心して利用できるでしょう。
具体的には、IPアドレス制限や2要素認証などを実施でき、許可されたユーザーだけをアクセスすることが可能です。アプリ作成やデータの閲覧権限などの設定も可能で、個人情報や取引先との重要な情報を適切に保護できます。
また、kintoneは高い頻度でアップデートやメンテナンスが行われているため、常に最新のセキュリティ環境下で安全に業務を行えるでしょう。
kintoneは、顧客の情報資産を守るために、さまざまなセキュリティ対策が施されています。 kintoneの堅牢なセキュリティ対策は、多くの企業に支持される理由になっていますが、セキュリティ対策の具体的な中身まで、知らない人は多いので[…]
金融業で活用できるkintoneのサンプルアプリ
ここからは、金融業で活用できるkintoneのサンプルアプリ例を紹介します。
- 作業依頼申請
- 投資案件管理
各アプリの特徴や使用例について解説します。
作業依頼申請
作業依頼申請アプリは、他の部署や他のチームに対して作業を依頼できるアプリです。
作業依頼には担当者やステータスを紐づけられ、申請/承認、および作業状況の管理もできます。一覧画面で依頼の対応状況を可視化できるので、対応漏れを減らしやすいのもポイントです。
依頼に紐づいたコメント機能を使えば、依頼に関する質問などのコミュニケーションについての情報が分散することもありません。
社外にいる場合でもすぐに作業を依頼でき、対応スピードを高められるため、金融業における顧客満足度や生産性の向上につながるでしょう。
投資案件管理
投資案件管理は、ベンチャーキャピタルが投資先の案件を管理できるアプリです。投資金額や進捗状況だけでなく、過去の面談履歴を共有することもできます。
担当変更などがあった場合も、前任が誰といつどんな面談をしたか、投資をしたか、検討したかなども把握できるのが特徴です。
案件単位でコメントできるのでスピーディーな社内調整が行えるうえに、ゲストユーザーを契約すれば投資先を招待することもできます。
金融機関におけるkintoneの導入事例
ここからは、金融機関におけるkintoneの導入事例について紹介します。
北國銀行
北國銀行では、金融機関の業務効率化とビジネス拡大の武器としてkintoneをフル活用し、内製化することで取引先の住宅メーカーとの円滑な情報共有を実現しました。
kintone導入前は、電話対応や来店対応のたびに紙の帳票のやり取りが行われており、膨大なコミュニケーションや手続きに追われているという課題がありました。
そこでkintoneを導入することで、顧客情報や必要書類、進捗管理などをシステム化でき、住宅メーカーに負担をかけることなく良好な関係を築いたまま業務効率化が行えるようになったそうです。
みずほ信託銀行
みずほ信託銀行では、ローコード・ノーコード開発で信託銀行のシステム内製化を実現し、本部と営業店間1700名以上の業務基盤としてkintoneを採用しています。
kintone導入前は、報告用Excelの作成・分割・配布・集計などをすべて手作業で行っていたため、業務の負担が非常に大きかったようです。
そこでkintoneを導入して、本部と営業所あわせて1700名にkintoneアカウントを配布することに。約60店舗の営業店や本部側において個別に情報を集計する作業がなくなり、業務不可が大幅に軽減できました。
Web上の開発動画を見ることで、開発未経験でもアプリの内製化を実現しているそうです。
NECキャピタルソリューション株式会社
NECキャピタルソリューション株式会社では当初、別のソフトウェアを活用し、社内ポータルや社員の方のスケジュール管理を行っていましたが、本格的な現場の業務改善を行うためにkintoneの利用も開始しました。
これまで外部委託先に安全管理策実施状況に関する情報を、Excelとメールを使って手作業で情報を集計していましたが、FormBridgeを使用してWebフォームを作成。
外部委託先に直接入力してもらうことで負担が軽減されました。
また、kViewerのAPIを活用して、外部委託先番号を含む「外部委託管理マスタ」アプリの情報をフォームに引用させることで、よりミスのないデータ整理が実現できたそうです。
そのほかにも、社内セミナーでFormBridgeを使ってアンケートフォームを作成し、kintoneにデータを直接登録することで、セミナー後の会議で即座にグラフを見せることができ、報告資料の作成が不要に。
kintoneをはじめとし、複数の連携サービスを掛け合わせることで大幅な業務時間の削減と、労働環境の改善に繋がりました。
>事例記事:10年以上kintoneを利用するへビーユーザーがトヨクモ製品を選ぶ理由
kintoneをより便利に使うならToyokumo kintoneApp
kintoneをより便利に使うためにおすすめしたいのが、トヨクモ株式会社が提供するkintone連携サービス「Toyokumo kintoneApp」です。
kintoneの基本機能では実現が難しいことも、トヨクモの連携サービスであればさらに便利に活用することができます。
Toyokumo kintoneAppでは、以下6つのサービスが提供されています。
FormBridge | kintoneへデータが自動で保存されていくwebフォームを作成できるサービス |
PrintCreator | kintoneアプリのデータをPDFで出力できるサービス |
kViewer | kintoneライセンスがない人に、kintoneアプリのデータを共有できるサービス |
kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できるサービス |
DataCollect | 複数のkintoneアプリに登録されたデータを集計できるサービス |
kBackup | kintoneアプリに登録されたデータを安全にバックアップするサービス |
ここからは、Toyokumo kintoneAppの各サービスについて紹介します。
FormBridgez
FormBridge(フォームブリッジ)は、kintoneアカウントがない人でもkintoneに直接データを保存できるWebフォーム作成サービスです。
kintoneの基本機能における「ライセンスを持たないユーザーは情報を登録できない」という問題を解消できます。
また、FormBridgeで作成したフォームは、kintoneに直接データが保存されるため、転記の必要がなく、業務効率化や入力ミス・漏れの削減ができるのがメリットです。
kViewer
kViewer(ケイビューワー)は、kintone内の情報を手間なく外部に公開できる連携サービスです。kintoneアカウントを持たないユーザーにも簡単にkintone内の情報を公開できます。
kintoneの情報を共有する際にわざわざデータを移し替える手間もなく、グラフなどの数値情報もそのまま外部に公開することが可能です。
公開範囲を設定することもできるので、社外秘の情報が漏洩するリスクを抑えつつ、社外の人に資料やデータを気軽に共有できるようになります。
kMailer
kMailer(ケイメーラー)は、kintone上で管理しているメールアドレス宛に、kintone内のデータを自動引用したメールを自動・手動・予約で送れるサービスです。
kintoneで管理している顧客に向けて一斉送信や、kintoneからのテキスト引用などを行ったり、誰にいつどんなメールを送信したかなどのログを確認することもできます。
普段社内で使っているメールアドレスからメールを送信するため、新たにメールサーバーやメールアドレスを用意する必要はありません。
誰に、いつ、どんなメールを送信したか、受信者がいつ資料をダウンロードしたかなどの情報をログとして確認することもできます。
PrintCreator
PrintCreator(プリントクリエイター)は、kintoneに登録されている社名や金額などの情報を活用して、マウスのみで簡単に書類が作成できるサービスです。
現在使用している見積書や請求書などをPDFファイルでPrintCreatorにアップロードすれば、マウス操作のみで簡単に書類を作成できます。
kintoneアプリの複数レコードを一括で出力できるので、複数社の請求書や月報を簡単に印刷できるのもメリットです。
DataCollect
DataCollect(データコレクト)は、関数を利用した計算や複数アプリ間の収集・計算・加工を可能にし、kintoneが苦手とする予実管理や在庫引き当てを実現できるサービスです。
Excelと同じ感覚で複数のアプリから情報の集計や計算が可能で、スケジュール設定による自動実行やリアルタイム更新などにも対応しています。
事前に設定しておけば、手動で操作することなく情報を自動で収集・計算できるので、情報の集計漏れや更新忘れを防げます。
kBackup
kBackup(ケイバックアップ)は、kintoneアプリに登録したデータが消えてしまった際に備えて、kintone内のデータを別環境にバックアップできるサービスです。
kintoneの基本機能では、kintone上のすべてのデータを一括でバックアップすることはできません。kBackupを利用することで、誤って必要なアプリを削除してしまったり、スペースが復旧できなくなったという事態を防げます。
また、大切な顧客情報や添付ファイルのバックアップにも対応しています。
まとめ:Toyokumo kintoneAppでkintoneをより便利に活用しよう
「kintoneをより便利に使いたい」「kintoneを活用する幅を増やしたい」とお考えの方は、kintone連携サービス「Toyokumo kintoneApp」の利用がおすすめです。
トヨクモのkintone連携サービスは1万契約を突破し、サイボウズのオフィシャルパートナー評価制度においても全製品で受賞と、実績と使いやすさに定評があります。
トヨクモ連携サービスを導入することで、紙の書類を介さず、直接データの書き込みや管理が行えるため、職員の負担軽減や業務効率改善が図れるでしょう。
FormBridge | kintoneへデータが自動で保存されていくwebフォームを作成できるサービス |
PrintCreator | kintoneアプリのデータをPDFで出力できるサービス |
kViewer | kintoneライセンスがない人に、kintoneアプリのデータを共有できるサービス |
kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できるサービス |
DataCollect | 複数のkintoneアプリに登録されたデータを集計できるサービス |
kBackup | kintoneアプリに登録されたデータを安全にバックアップするサービス |
悩みややりたいことに合わせて最適な機能を追加できるので、kintoneと一緒に使いたい便利なサービスをお探しの場合は、30日間無料お試しからぜひ実際の使用感を体感した上でご検討ください。