セミナーやイベントを自社で実施する際は、イベント管理をする必要があります。
イベント参加者の管理や参加者からの問い合わせ対応、当日の受付対応にイベント実施後のフォローなど、やるべきことが多く、システムなしに管理することは困難です。
そこで当記事では、イベント管理システムを利用するメリットや選び方、おすすめのイベント管理システムについて解説していきます。
イベント管理システムとは?
イベント管理システムとは、イベントの開催にあたって必要となる運営業務を一元管理するためのITツールのことです。
セミナーを1つ開催するだけでも参加受付から受付完了メールの送付、当日の参加者管理にセミナー後のアフターフォローまで多くの業務が発生します。
数人規模であれば問題なく開催できるかもしれませんが、参加人数が数十人を超えてくると紙やExcelなどでの管理は困難です。
イベント管理システムを使えば、運営で必要な業務を1つのシステムで完結させることができ、メールの送信などを始めとした一部業務を自動化できます。
開催者の負担を減らして、イベントを成功に導くためにも、イベント管理システムの導入は重要です。
イベント管理システムを利用するメリット
イベント運営にあたってイベント管理システムを利用するメリットを解説していきます。
業務の効率化・工数削減につながる
イベント管理システムを利用することで、イベント運営に必要な業務を効率化し、一部を自動化することで工数削減にまでつなげることができます。
イベントを開催する際に最低限必要となる業務には以下のものが挙げられます。
- イベントの宣伝
- 受付ページの作成
- 受付完了メールの送付
- イベントに関する問い合わせ対応
- 参加者リストの作成
- イベント中のコミュニケーション手段の整備
- イベント後のアフターフォロー
有料セミナーでは決済システムの導入が必要になるなど、細かいケースまで挙げるともっと多いですが、一部だけでもイベント開催に際してこれだけの業務が発生します。
イベント管理システムを導入せずにイベントを実施するとなると、受付システムの構築や参加者管理など、仮に社内にエンジニアがいたとしても一苦労です。
最悪、すべてを外注で頼むとなると、イベントで期待できる集客効果などの予算とは到底釣り合わないコストがかかってくるでしょう。
そんな時、イベント管理システムを使えば、参加受付や顧客管理などをシステム上で一元管理できるため、コストと労力を最大限抑えてイベントを実施できるようになります。
データの集計・共有が簡単にできる
イベント管理システムを使えば、データの集計・共有を簡単にできるようになります。
仮にメールでイベント後アンケートを実施したとすると、内容を確認しつつ手動で集計することになり、手間なだけでなくヒューマンエラーが生じるリスクも出てきます。
イベント管理システムで参加者アンケートを取れば、メールの送信から回答の集計までが自動化されます。システム上で集まったデータを確認できるため、共有の手間がかからず人的なミスが出ることもありません。
イベント管理システムによっては、データのグラフ化や傾向の分析まで行ってくれるので、MAツールとしても活用できます。
イベント後のフォローに役立つ
イベント管理システムは、開催までの業務だけでなく、イベント後のアフターフォローにも活用できます。
イベント管理システムに参加者情報やアンケート結果などの情報が蓄積されていくため、確度の高そうな顧客を絞り込んで効率的な営業をかけることが可能となります。
イベントを実施する最大の目的は集客にあるので、アフターフォローの効率化はイベントの費用対効果を高めるためにも有用です。
イベント管理システムの選び方
イベント管理システムの選び方について解説していきます。
自社でかけられる費用や効率化が必要な業務などを考えて比較・選定していきましょう。
効率化したい業務を把握する
イベント管理システムを導入する前に、イベント実施にあたって効率化したい業務を把握しましょう。
メール送信を自動化したいのか、アンケート集計の工数を削減したいのか、はたまた当日の参加者管理を効率化したいのかなど、目的はさまざまだと思います。
イベント管理システムと一括りにいっても、音楽フェスなどのエンタメイベントに向いているものもあれば、製品セミナーなどに最適なBtoB向けのシステムもあります。
どこを重点的に効率化したいか、逆に何が必要ないかを整理しておけば、余計な機能を省いて自社に最適なイベント管理システムを選ぶことが可能です。
ランニングコストを確認する
イベント管理システムの導入にあたって、ランニングコストの確認はマストです。
毎月イベントを実施するのであれば、毎月定額で利用できるサブスクリプション型のクラウドサービスが適しています。
一方、半年に1回だけイベントを実施するなど、利用頻度が低いのであれば、少し高くても単発で利用できるシステムを選んだ方が総合的なコストを抑えられます。
また、イベントの登録人数などによって費用が変わる従量課金制のシステムも候補に上がってくるでしょう。
自社のイベント開催頻度からイベント1回あたりにかかる費用などを算出して、コスパよく使えるイベント管理システムを選ぶことが大切です。
安全性・セキュリティをチェックする
イベント管理システムを導入する際に、必ずチェックしておくべき項目がシステムの安全性・セキュリティレベルです。
イベント受付時に入力してもらった顧客情報や決済情報などが漏洩してしまうと、イベントの実施どころではなく、企業の信用問題にまで発展します。
過去に不正アクセスが発生していないか、SSL化やISO認証はあるかなど、セキュリティ面でどのような対策が行われているのか必ず確認しましょう。
無料お試しで仮運用してみる
イベント管理システムを本格的に導入する前に、無料お試しを使って仮運用してみましょう。
機能は充実していたけど使いにくかった、使ってみたら思っていたものと違ったなど、実際に使用してみると紙上のスペックとは違う印象を受ける可能性があります。
逆に直感的に操作できて簡単に利用できたなど、ポジティブな印象に変わることもあるでしょう。
おすすめのイベント管理ツール5選
おすすめのイベント管理ツールを5つ厳選してご紹介していきます。
オンラインイベント特化型や有料セミナー向けのシステムなど、幅広くご紹介していくのでぜひ参考にしてください。
E-VE!(イーベ!)
▲画像出典:E-VE!公式サイト
- 初期費用:55,000円
- 利用料金:16,500円〜
- 無料お試し:あり(30日間)
『E-VE!(イーベ!)』は、イベント告知ページの作成から参加後アンケートの実施までを一貫して行えるフラッグシステム運営のイベント管理システムです。
イベント申込フォームをブラウザ上で簡単に作成でき、クレカやPayPay対応の決済システムまでE-VE!単体で実装できます。
当日の受付はQRコードを用いて非接触で実施できるため、オンラインだけでなくリアルイベントにも最適です。
申込者の参加履歴を元にターゲティングメールを送る機能や個別メッセージを送信する機能もあり、イベント後のアフターフォローまで活用できます。
CLOUD PASS(クラウドパス)
▲画像出典:CLOUD PASS公式サイト
- 初期費用:50,000円
- 利用料金:要問い合わせ
- 無料お試し:なし
『CLOUD PASS(クラウドパス)』は、ユニエイムが提供する施設・イベント向けのチケット販売サービスです。
ただのチケット販売システムではなく、売上情報の管理や顧客情報・入場者内訳のデータ収集など、来場者管理を同時に実現できます。
遊園地で使える回数券の発行や観光施設でのクーポン配布、音楽フェスでの座席管理など、エンタメ系イベントで役立つ機能の充実度はトップクラスです。
現地販売とオンライン販売の両方に対応しているため、チケット販売が伴うイベントを実施される企業に最適のシステムとなっています。
EXPOLINE(エキスポライン)
▲画像出典:EXPOLINE公式サイト
- 初期費用:要問い合わせ
- 利用料金:要問い合わせ
- 無料お試し:なし
『EXPOLINE(エキスポライン)』は、スプラシアが提供するクラウド型のBtoBイベントプラットフォームです。
主にBtoB向けオンラインイベントで役立つ機能が多数搭載されており、イベントLPの構築からイベント終了後のアーカイブページの公開までワンストップで実施できます。
セミオーダー型のサービスのため、商談予約や展示コーナーの設置、スタンプラリー機能などを要望に応じて自由に設置可能です。
さらに、参加者情報の管理だけでなく、LPの閲覧やマイページへのログインなどの行動ログも残るため、データを分析して今後の営業活動に役立てることもできます。
LP作成から入るオリジナリティの高いサービスのため、単発で大きめのイベントを実施する際にはぜひ検討してみてください。
EventHub(イベントハブ)
▲画像出典:EventHub公式サイト
- 初期費用:要問い合わせ
- 利用料金:要問い合わせ
- 無料お試し:なし
『EventHub(イベントハブ)』は、大型カンファレンスや展示会などのビジネスイベントに特化したイベント管理プラットフォームです。
動画配信、コミュニケーション、アンケート、イベント概要などイベント実施に必要な情報が1画面に集約されたシンプルな画面設計が特徴のサービスとなっています。
ウェビナーにおけるライブ質問機能や参加者同士の交流を促すチャット機能なども搭載されているため、イベントに対するエンゲージメント向上に貢献してくれます。
また、EventHubはMAツールと連携できるため、資料ダウンロードや交流履歴などの行動データを取り組んで、確度の高そうな顧客を分析することも可能です。
kintone(キントーン)
▲画像出典:kintone公式サイト
- 初期費用:無料
- 月額(税別):1,500円 ※1ユーザーの料金
- 無料お試し:あり(30日間)
『kintone(キントーン)』は、ノーコードでアプリを作成できるサイボウズのクラウドサービスです。
自社の業務に合わせたオリジナルの業務効率化アプリを作成できるため、使い方次第ではイベント管理やリード管理など用途を限定せず幅広く活用できます。
導入社数30,000社超えとITサービスの中でもトップクラスの人気を誇りますが、標準機能だけでイベント管理ツールとして活用することは難しいのが実情です。
しかし、次項で解説するトヨクモのkintone連携サービスを導入すると、参加者受付からアフターフォローまでをkintoneでワンストップで実現できるようになります。
kintoneをイベント管理ツールとして活用する方法
kintoneでは、オリジナルのアプリを作成して情報を蓄積していくことができるため、標準機能だけでも顧客情報やセミナーの開催予定を管理できます。
しかし、kintoneライセンスを持たない外部のユーザーから情報を登録してもらうことができず、イベントの参加受付には活用できません。
そこで活躍するのが、トヨクモが提供するkintone連携サービスです。
特に以下のサービスを導入するとkintoneをイベント管理システムとして利用できるようになります。
- Webフォーム作成サービス『FormBridge(フォームブリッジ )』
- kintone上のデータを利用して帳票作成『PrintCreator(プリントクリエイター)』
- kintoneに連携するメール送信システム『kMailer(ケイメーラー)』
FormBridgeを使用してイベント参加受付フォームを作れば、登録された情報がkintoneにそのまま登録されるため、自動的に参加者リストが完成します。
受付時には、PrintCreatorを用いてQRコード付きの参加証を発行することも可能です。
また、kMailerを使用すれば参加受付完了メールの自動送信や開催間近のリマインドメール、さらにはイベント終了後のアンケートメールを送れるようになります。
このようにkintone連携サービスを使えば、kintoneをワンストップ型のイベント管理システムとして活用できるようになるため、kintoneご利用中の方はぜひご検討ください。
30日間の無料お試し実施中
今回は、イベント管理システムを利用するメリットとイベント管理システムの選び方、さらにはおすすめツールについて解説しました。
イベント管理システムを活用して業務を効率化することで、主催者・参加者双方にとって満足度の高いイベントを実現できます。
この機会に自社の業務やイベントに適したイベント管理システムを導入して、費用対効果の高い有意義なイベントを実施できるようにしましょう。
なお、最後にご紹介したkintoneおよびkintone連携サービスは30日間の無料お試しを実施しておりますので、少しでも興味がある方はぜひこの機会にお試しください。