kintoneで会議室予約を行うには、アプリを構築するかプラグインを使う必要があります。アプリの構築にはプログラミング知識が必要なため、通常は支援会社に開発してもらうか、プラグインを使用します。
今回は、kintoneで会議室予約ができるようになるプラグインや、支援会社に開発してもらう方法などについて詳しく解説します。kintoneで会議室予約を行いたい方は、ぜひ参考にしてください。
kintoneでも会議室予約は実現可能
kintoneには会議室予約機能がデフォルトで備わってはいませんが、機能は実装可能です。会議室予約は、会議室の効率的な管理と予約を可能にする機能のことを指します。カレンダーの任意の日時に会議室予約を設定すると、会議室の空き状況をリアルタイムで確認したうえで予約ができるようになります。
kintoneによる会議室予約のメリット
kintoneによる会議室予約のメリットは次のとおりです。
- 会議のダブルブッキングを防止できる
- 速やかに予約ができる
- リマインダー機能を利用できる
- 過去の会議日程を追跡できる
kintoneによる会議室予約のメリットについて、詳しく見ていきましょう。
会議のダブルブッキングを防止できる
紙やExcelなどに会議の予定を記載する方法では、ダブルブッキングのリスクがあります。従業員がkintoneを利用することで、会議のダブルブッキングのリスクを解消できます。予定管理のアプリを利用することで、従業員が正確に会議のスケジュールを把握できるでしょう。
速やかに予約ができる
kintoneを利用することで、リアルタイムで会議室の空き状況を確認し、予約を入れることができます。会議の日程を決めてから会議室を予約する場合、タイムロスによって他部署などに会議室を先に予約されてしまう可能性があります。
その点kintoneであれば、日程の設定と会議室の予約を同時に行えるため、そのような心配がありません。また、急な会議を開く必要が生じた場合、リアルタイムに空き状況を確認し、迅速に予約を入れることができます。
リマインダー機能を利用できる
kintoneは会議の参加者にリマインダー通知を送信する機能を備えています。これにより、参加者は会議に出席する時間や場所を忘れる心配がなくなり、滞りなく会議を行えるようになります。
過去の会議日程を追跡できる
kintoneは過去の会議室予約履歴を簡単に参照できるため、過去の予約内容や参加者、会議の内容を追跡できます。会議の頻度の変更や参加者が集まりやすい曜日などの分析に役立ちます。
プラグインの導入は必要になる可能性がありますが、kintone上でレポートを作成することも可能です。
kintoneによる会議室予約のデメリット
kintoneによる会議室予約には、次のデメリットがあります。
- カレンダー機能を構築するだけでは利用できない
- プラグインの導入に手間がかかる
- エラーが起きるリスクがある
各デメリットについて、詳しく見ていきましょう。
カレンダー機能を構築するだけでは利用できない
kintoneには、作成したアプリ内のリストをカレンダー形式で表示する機能があります。しかし、カレンダー機能を用いてアプリを作成しても、会議室予約の機能は搭載できません。会議室予約機能は、外部アプリとkintoneをAPIで連携することで実現できるもののため、プログラミング知識が必要です。
社内にプログラミング知識を持つ人材がいない場合は、プラグインを利用するか、支援会社に開発を依頼することになります。
プラグインの導入に手間がかかる
kintoneで会議室予約機能を利用したい場合は、プラグインを導入する方法もあります。しかし、プラグインは簡単操作で導入できるものではなく、複雑な設定が必要になる場合もあるため、自社だけでは導入できないこともあるでしょう。
エラーが起きるリスクがある
kintoneの会議室予約機能を利用できるようになれば、APIで連携した外部ツールやWebサイトなどを通じて会議室予約が可能になります。しかし、何らかの原因でAPIが正常に作動せず、会議室予約ができないトラブルが起きる可能性があります。
このようなエラーは自然に解消されるケースとされないケースがあり、その度にプログラミングに詳しい人材や支援会社にサポートを依頼しなければなりません。
kintoneで会議室予約をする方法
kintoneで会議室予約を利用する方法は、次のとおりです。
- プラグインを導入する
- 支援会社に開発を依頼する
- 自社で機能を構築する
それぞれのメリット・デメリット、方法などについて詳しく解説します。
プラグインを導入する
kintoneのプラグインストアから、会議室予約に特化したプラグインを選定し、導入する方法です。kintoneのプラグインを利用することで、会議室予約システムを迅速に実装できます。ただし、導入するにはkintoneの基礎知識に加えて、多少のプログラミングスキルが求められます。
また、プラグインを使用する場合、自社に最適な形へのカスタマイズには限界があります。
支援会社に開発を依頼する
支援会社にkintoneへの会議室予約機能の実装を依頼する方法もあります。依頼の手順は以下のとおりです。
- 要件定義と相談::会社のニーズや要件を支援会社に相談する。必要な機能や求められるユーザー体験などを明確にする。
- 提案と見積もり:支援会社は、要件定義を元に会議室予約システムの提案と見積もりを行う。開発期間や費用、機能の詳細などを確認し、問題なければ正式に依頼する。
- 開発:支援会社がシステムの開発を開始する。定期的に進捗状況を確認する。
- テスト:開発が完了したらテストする。
- デプロイメント:システムを本番環境にデプロイし、利用者が利用できるようにする。
支援会社の多くはkintoneの開発に関する専門知識と豊富な経験を持っており、効率的に適切なシステムを開発できます。また、自社のニーズに合わせてカスタマイズできるため、会議室予約機能の導入効果が高くなるでしょう。
一方で、支援会社に開発を依頼する場合、コストや時間がかかる点に留意が必要です。また、要件の変更や追加がある場合は、開発期間や費用が増える場合があります。
自社で機能を構築する
自身で会議室予約機能を構築する方法は、会社のニーズや要件にあわせて、機能やインターフェースを自由に設計できるのが特徴です。予約システムに必要な機能や仕組みを柔軟に追加・変更することで、業務効率が格段に向上するでしょう。
一方で、自身でプログラミングする場合、開発に時間とコストがかかることに注意が必要です。プログラムの品質やセキュリティを確保するためには、専門知識やスキルが必要なため、社内のIT人材では対応できない可能性もあります。
また、システムを開発した後も、保守や運用には一定のリソースが必要です。バグ修正や機能追加などのメンテナンスを行うためには時間と手間がかかります。
自身でプログラミングして会議室予約機能を搭載する流れは以下のとおりです。
- 要件定義:会社のニーズや要件を明確に定義する。必要な機能やユーザー体験を把握する。
- 設計:会議室予約システムの設計を行う。データベースや画面レイアウトを決定し、システム全体の設計を構築する。
- プログラミング:設計を元にプログラミングを行う。kintoneの開発環境を利用して、必要な機能を実装し、システムを構築する。
- テスト:プログラミングが完了したら、システムをテストする。ユーザーの操作をシミュレートし、バグやエラーを修正する。
- デプロイメント:テストが完了したら、システムを本番環境にデプロイする。利用者が利用できるように設定し、システムを運用開始する。
kintoneで会議室予約を実現できる連携サービス
ここでは会議室予約をする連携サービスを紹介します。
FormBridge・kViewer
FormBridge(フォームブリッジ)とkViewer(ケイビューワー)はトヨクモが提供する連携サービスです。
FormBridgeでは任意のフォームを簡単に作成でき、kViewerではkintone内の情報を外部に公開可能です。この2つを組み合わせることで会議室予約が実現します。
まず、FormBridgeで会議の日時や場所、会議室名などの入力フォームを作成し、記入します。そして、kViewerでフォームの情報を公開すれば、従業員に会議室を予約した日時や場所を簡単に知らせることができます。
社内に大きなモニターがあればそこに表示する、kViewerで公開した情報をメールなどで従業員に共有するといった使い方が考えられます。
なお、この2つの連携サービスは横浜市医師会様でも会議室予約に利用されているので、興味のある方は以下の記事も合わせてご覧ください。
kintone連携サービス活用事例 横浜市医師会 様 : コロナワクチン接種管理システムを、たった1か月で構築から運用ま…
カレンダーPlus
kintoneのWebサイトで公開されているプラグインのうち、会議室予約機能を利用できるプラグインにはラジカルブリッジが提供する「カレンダーPlus」があります。
1つの画面に組織や個人ごとに日単位から月単位まで、さまざまな表示形式でスケジュールを集約表示できます。また、ドラッグ&ドロップで予定の調整を行えるため、利用に専門知識は不要です。
1ドメインあたり月額10,000円、または年額98,000円で利用できます。
まとめ:kintoneに会議室予約機能を導入しよう
kintoneで会議室予約をすることで、会議を忘れる、ダブルブッキングをしてしまうなどのトラブルが少なくなります。
会議室予約機能を自社で作ることが難しい場合は、プラグインや連携サービスを導入するといいでしょう。予算に余裕があったり、自社のニーズや要件にあった会議室予約機能を作りたい場合は、支援会社へ実装を依頼することも視野に入ります。
トヨクモではFormBridgeとkViewerを提供しています。この2つを組み合わせることで、簡単に会議室予約を実現できます。興味のある方はお気軽にお試しください。