kintoneの年齢計算機能の使い方は?自動更新の設定方法も解説

kintoneで顧客や従業員の年齢を記録する際、年齢計算をしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。生年月日と現在の日付けから年齢を自動算出できれば入力作業の手間を大幅に削減できますが、結論としてkintoneに年齢計算の機能は搭載されていません。ただし、自身で設定したりJavaScriptで自動年齢計算を可能にしたりすることは可能です。

そこで今回は、Kintoneで年齢計算をする方法について詳しく解説します。年齢計算を可能にして業務効率化を図りたい方は、ぜひ参考にしてください。

kintoneの基本機能で年齢計算はできない

kintoneのヘルプページには、基本機能では年齢計算ができないと明記されています。そのため、kintoneで年齢計算を行うことを諦めている方もいるでしょう。

実は、基本機能をうまく活用することで、年齢計算ができるアプリの作成が可能です。

kintoneの基本機能で年齢計算する方法

kintoneのアプリは、さまざまなラベルを組み合わせてオーダーメイドのアプリを作成できます。その特性をうまく活用すれば、年齢計算ができるアプリの作成が可能です。

まず、年齢計算の計算式を確認しましょう。

前提として、kintoneでは1時間を3,600秒で計算します。まず、「本日日付-生年月日」で出た結果を24時間にあたる86,400秒で割ることで、本日日付から生年月日までの日数差を算出できます。

そして、日数差を1年の日数である365で割ると、年齢を算出できる仕組みです。

kintoneの基本機能で年齢計算をする手順は以下のとおりです。

  1. パーツを3つ設定する
  2. 計算式を設定する

それぞれの手順について、詳しく見ていきましょう。

1. パーツを3つ設定する

最初に、年齢計算に必要な以下のパーツを配置します。

  • 日付……生年月日
  • 日付……本日日付
  • 計算……年齢

2. 計算式を設定する

計算パーツのフィールドの設定にて、以下を「計算式」に入力します。

本日日付ー生年月日

続いて、レコード登録画面の「生年月日」と「本日日付」に以下の形式でそれぞれ入力します。

  • 生年月日……1990-04-06
  • 本日日付……2023-04-06

そうすると、「本日日付ー生年月日」で出た結果が秒の単位で算出されます。今回のケースでは、「946,080,000秒」です。

差分の秒数を1日の秒数で割り、さらに365で割ると年齢を算出できます。

(本日日付-生年月日)÷86,400秒÷365日
(例)946,080,000秒÷86,400秒÷365日=30歳

上記の計算式を下記の形式で、計算パーツのフィールドの設定内にある「計算式」に入力しましょう。先に設定した「本日日付-生年月日」を一度消して、入力し直す必要があります。

(本日日付-生年月日)/86400/365

小数点以下の表示桁数は0に設定し、保存をクリックします。実際にレコードを登録し、年齢が自動で計算されるか確認しましょう。

kintoneの基本機能を使った年齢計算の問題点

kintoneの基本機能を使った年齢計算には、以下の2つの問題があります。

  • うるう年が考慮されない
  • 年齢が自動更新されない

それぞれについて、詳しく解説します。

うるう年が考慮されない

kintoneの基本機能を使った年齢計算では、うるう年が考慮されません。うるう年とは、1年が365日ではなく366日になる年のことで、以下のいずれかの条件を満たした年度が該当します。

  • 西暦年号が4で割り切れる(100で割り切れる年を除く)
  • 西暦年号が400で割り切れる

たとえば、2024年は西暦年号が4で割り切れて100で割り切れないため、うるう年です。うるう年が考慮されなければ、誕生日によっては誤差が生じてしまいます。

多くの場合はうるう年を考慮しなくても年齢はずれませんが、従業員の生年月日からずれるかどうかを1人ずつ確認するのは時間と手間がかかり現実的ではありません。

年齢が自動更新されない

kintoneの基本機能を使った方法で算出した年齢は自動更新されません。年齢が自動で更新されなければ、kintoneを使って表を作成する意義がなくなるでしょう。

従業員が誕生日を迎える度に記録を書き換えるのは現実的な方法ではないうえに、自動計算の設定が意味をなさないことになります。

kintoneで年齢を自動計算するにはJavaScript設定が必要

kintoneで年齢を自動計算するにはJavaScriptカスタマイズ機能を使用する必要があり、プログラミングの知識が求められます。また、JavaScriptカスタマイズ機能の利用には、スタンダードコースの契約が必須です。

ライトコースが月額780円(税別)/1ユーザーでアプリ数~200個、スペース数~100個であるのに対し、スタンダードコースは月額1,500円(税別)/1ユーザーでアプリ数~1,000個、スペース数~500個に対応しています。

この機会にスタンダードコースの利用を検討してもよいでしょう。

kintoneの年齢自動計算のJavaScriptの設定方法

開発者様向けのサイトのcybozu developer networkでは、年齢計算のJavaScriptのサンプルコードが公開されています。

JavaScriptによる年齢自動計算の設定方法は、以下のとおりです。

  1. 下準備
  2. JavaScript ファイルの追加

各手順について、詳しく解説します。

1. 下準備

下準備として、kintoneアプリストアで提供されている「社員名簿」アプリを利用します。組織内の社員情報を管理するのに便利なアプリです。

次に、エディターも用意しましょう。kintoneでは、以下のエディターが推奨されています。

  • JSEdit for kintone
  • Brackets
  • Sublime Text
  • Visual Studio Code

2. JavaScript ファイルの追加

アプリの設定画面の「JavaScript / CSS によるカスタマイズ」をクリックし「PC 用の JavaScript ファイル」に、下記のURLを指定します。

  • Luxon
    https://js.cybozu.com/luxon/2.3.0/luxon.min.js
  • jQuery
    https://js.cybozu.com/jquery/2.2.4/jquery.min.js

次に、サンプルプログラムをエディターにコピーし、下記のようにそれぞれ設定して保存します。

  • ファイル名……sample.js(ファイル名は任意・拡張子はjs)
  • 文字コード……UTF-8
  • BOM……なし

上記で指定したライブラリの下の「アップロードして追加」をクリックし、サンプルプラグラムをコピーしたファイルを追加します。

kintoneが提供しているサンプルプログラムは以下から取得できます。
>>>cybozu developer network<<<

kintoneの年齢計算のプラグイン

JavaScriptの設定が難しい場合は、プラグインを使う方法もあります。kintoneの年齢計算プラグインを利用すれば、日付フィールドの値から当日時点の年齢や経過年月日を自動で算出できます。

プラグインの設定画面から、算出に使用する「日付」フィールドと結果を出力するフィールドを選択するだけで利用できるため、専門知識は不要です。

たとえば、社員の生年月日を入力する「日付」フィールドから、本日の日付を基準にして年齢を算出し、「数値」フィールドに結果を出力できます。

また、レコードが編集されたり一覧表示されたりする度に、再計算されて最新の情報が表示されます。さらに、複数の日付フィールドにも対応しており、複数のフィールドに同時に出力も可能です。

月額料金は1ドメインあたり2,000円(税別)、買い切り料金は1ドメインあたり50,000円(税別)で、1ヶ月の無料お試し期間もあるため、利便性を確認するとよいでしょう。

kintoneの年齢計算についてよくある質問

ここでは、kintoneでの年齢計算の際によくある質問と回答を紹介します。

kintoneで年齢計算をする方法はありますか?

kintoneの基本機能を使えば年齢計算が可能です。まず、アプリを作成し、「生年月日」と「本日日付」「年齢」を設定します。次に、生年月日から本日日付を引いて日数差を算出し、それを年齢に変換する計算式を設定します。これにより、レコード登録時に自動的に年齢が計算されるようになります。

kintoneの年齢計算における問題点は何ですか?

kintoneでは、基本機能で年齢の自動計算はできますが、うるう年を考慮できない、自動更新ができないなどの問題点があります。しかし、JavaScriptカスタマイズ機能を使用することで、生年月日と現在の日付から年齢を自動計算することが可能です。プログラミング知識が必要になるため、プラグインを導入する方が簡単でしょう。

kintoneの年齢計算はどのようなシーンで使いますか?

kintoneの年齢計算は、顧客や従業員の年齢を記録する際に役立ちます。生年月日を入力するだけで自動的に年齢が計算されるため、手作業で年齢を算出する手間を省くことができます。また、顧客や従業員の属性分析やデータの整理にも役立ちます。

kintoneの年齢計算はプラグインを使うのがおすすめ

kintoneでの年齢計算は基本機能で実現できます。ただし、うるう年を考慮できない、自動更新ができないなどの課題があり、JavaScriptでカスタマイズをする必要があるでしょう。

年齢計算を行う場合はプラグインの利用がおすすめです。プラグインを使用すると、日付フィールドの値から自動的に年齢を算出できるようになります。手作業での計算作業を省略するとともに、データの正確性を向上させることが可能です。

kintoneで年齢計算を行い、顧客や従業員の情報管理に役立てましょう。