トヨクモが主催する「トヨクモ kintone フェス 2024」は、25以上のkintone+トヨクモ製品の活用例を大公開する年に一度のオンライン+リアルイベントです。
2024年のテーマは「きっと、もっと好きになる、kintone」で、さまざまな業界で活躍中のユーザーからkintone+トヨクモ製品の便利な使い方をご紹介いただきました。
今回は、株式会社プロダクション・エース 制作部 鹿野内春奈氏に語っていただきました。
自己紹介
皆さん、こんにちは!株式会社プロダクション・エースの制作部に所属しています、鹿野内と申します。所属は制作部になりますが、総務経理部の方でもシステム管理担当を拝命しております。
いろいろなことをどんどん進めていかなきゃいけない年だと思っているので、今年は「ガンガンいこうぜ」を目標にしています。X(旧Twitter)やnoteなどもやっておりますので、もしよければ、ぜひ読んでみてください!
本日は、「強力な味方を手に入れたら、いろんな仕事が楽しくできる!」というお話をさせていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
会社概要
プロダクション・エースは、タレントのマネジメントおよびゲームや映画、アニメなどへの出演のサポートを行っている会社です。会社は声優事業部、制作部、声優養成部、総務経理部の4事業部で構成されています。
私が所属している制作部では、主にゲームやナレーションなどのキャスティング、録音・編集をして納品するといったスタジオ運営の業務を担っています。
声優事業部はタレントのマネジメントをしている部門になりまして、声優養成部では新人声優の育成や発掘をしております。また、総務経理部ではkintoneなどの処理を行っている状況です。
そして、私がシステム管理担当として働く中で、いろいろな問題が出てきました。
問題1.プロフィールシートの作成業務に膨大な時間が発生
声優事業部でさまざまなマネジメントの仕事をしているのですが、役者を出演させてくださいと先方にお願いをしにいく時、何も持たずに行くことってないじゃないですか。
そこで当社では、プロフィールシートというものを各役者1人1枚ずつ作り、お客様のところにお持ちして、いかがでしょうかとおすすめしております。ただ、このプロフィールシートを作るのがすごく大変なんです。
プロフィールシートを皆さんでもピンとくるように言うと、履歴書みたいなものになります。履歴書を作る時、自分のことなのに書けないことって結構あると思うんです。
プロフィールシートでも同じようなことが起きています。具体的には、プロフィールシートは以下のような項目を埋めて作っていきます。
- 役者名
- ふりがな
- ローマ字表記
- 身長
- 体重
- スリーサイズ
- 足のサイズ
- 趣味
- 特技
- 資格
- 出演履歴
ローマ字表記はもちろん、やはりタレントなので身長、体重、スリーサイズ、足のサイズなど衣装を着る時に必要な情報も一緒に載せていきます。当たり前ですが、これ一人ひとり全部違います。
さらに、その役者がどんな仕事をしてきたか記載する出演履歴、いわば職務履歴書みたいなものについても種類が多い人もいれば、数が多い人もいて、ものすごく大変なんです。
kintoneのルックアップで脱Excel
今まで膨大な項目の入力をどうしていたかと言うと、Excelで1枚1枚シートにして全部打ち込んでいたんです。
この手作業が大変だったので、kintoneで解決しようと決めて作成したのが「役者プロフィール管理アプリ」になります。
「役者プロフィール管理アプリ」では、役者名をルックアップにしてふりがな、ローマ字表記、生年月日を取得しています。
ルックアップ……他のkintoneアプリに登録されている情報を参照してデータを取得できるkintoneの基本機能
ここは絶対に間違えてはいけない情報なので、「役者一覧」という別アプリから情報を取得することで誤入力をシステム的に防げるようにしています。
このルックアップフィールド、基本情報の入力を簡略化するという意味もありますが、必ず同じ情報が入るという使い方もできるので、非常におすすめです。
また、先ほどお話しした出演履歴を管理するために、「出演履歴管理アプリ」も作りました。
一件一件、職務経歴書のように、どんな種類のどんな仕事をどんな役名でやったのかが一覧になっています。
こちらも役者名はルックアップで取得し、それ以外の項目は請求の情報から取得しているため、手で入力する必要があるのは役名ぐらいです。役名さえ入力すれば、その人がいつどんな形で出演したのか、全部残せるようになっています。
対策.PrintCreatorで更なる効率化を実現
「役者プロフィール管理アプリ」と「出演履歴管理アプリ」、この2つのアプリを利用してPrintCreatorで帳票作成をしていきます。
こちらPrintCreatorの設定画面です。基本情報は「役者プロフィール管理アプリ」と連携し、出演作品の欄は「出演履歴管理アプリ」と連携して情報を持ってくるように設定しています。
このように、PrintCreatorではアプリ連携機能を利用して、2つのアプリからそれぞれの情報を取得し、1つの情報としてまとめることができるんです。ただ、「出演履歴管理アプリ」から取得している主な出演作品の欄を、もう少し便利にしたいなと思う時があります。
プロフィールに載せたくない作品と言うと語弊がありますが、記載できる行数がどうしても限られているので、主役や大きな作品を優先して出していくんです。そうすると、他の出演履歴が「その他」の欄にまとまってしまう時があります。
例えば、画面のままの状態だと、プロフィール欄には7個の出演実績が表示されます。そこで、出演履歴の内2つは今回のプロフィールには載せなくていいかなと思ったとしましょう。
そしたら、「出演履歴管理アプリ」のプロフ反映欄にあるチェックを外してあげるんです。この状態で保存して帳票出力すると5個だけ印刷される、つまり選択したものだけ掲載できるようになります!
私、この仕組みを作った時ものすごく嬉しかったので、ぜひ皆さんも使ってみてください!
問題2.入所オーディションの受付業務が非効率
養成所への入所オーディションの受付業務もkintoneとトヨクモ製品で改善しました。
たくさんの方からオーディションにご応募いただくのですが、以前は一人ひとりに1通ずつメールを送ってご連絡を差し上げていました。
受付済メールを送信して、日時決定メールを送って、リマインドメールを送って、受付台帳にも転記してとひたすらクリックの嵐だったんです。
コピー&ペーストして送信を何回も繰り返して、ずっとマウスを操作していたので、このままだと本当に腱鞘炎になってしまうのではないかと感じるぐらいでした。
対策.FormBridgeとkMailerでメール送信を自動化
この煩雑な受付業務を改善したいと思い、トヨクモのFormBridgeとkMailerを組み合わせて構築したのが「シン・入所オーディション受付業務」です!
FormBridgeで作成したフォームを使ってWebから申し込みを受け付ける。そして、メールの送信はkMailerで行い、この流れを繰り返して当日を迎える形に変更しました。
結果、何回も繰り返していたクリック作業が、たったの4クリックに省略されました!kMailerを使うことで、メール本文はフィールドを引用してコピペミスを防止できるのと同時に、アプリの中からメールを送れるので1クリックで済むようになります。
また、FormBridgeではスマホ入力を意識したフィールド配置にして入力しやすいフォームを作ることで、フォームから登録してくれることを前提にできるようになりました。
まとめ
皆さん、「kintoneを導入してこれからデータ管理していきたい!」と絶対に考えていると思います。
でも、そこには以下のような壁が立ちはだかってくるはずです。
- なかなか使ってもらえない
- ログインすらしてもらえない
- アプリはあるのに入力してもらえない
- アプリを運用したいのに合意を得られない
そんな時、それぞれの業務における「一番ツラい部分」を解消していくことが最初の導入時のポイントになります。
本日お話しした2つの私がやってきたことにおいて、PrintCreatorとFormBridgeとkMailerは、この一番ツライ部分を解消するのに本当に役立ちました。
FormBridge:直接データを入力してもらうことで、再入力や転記作業をなくした
kMailer:ボタン1つでたくさんのメールを送ることができるように
これは、非常に強力な味方だと私は思っています。それぞれの業務における一番ツライ部分、皆さんの中にも絶対にあると思うので、ぜひ探してみてください。
私からのお話しは以上です。本日はご清聴いただき、ありがとうございました!