トヨクモが主催する「トヨクモ kintone フェス 2024」は、25以上のkintone+トヨクモ製品の活用例を大公開する年に一度のオンライン+リアルイベントです。
2024年のテーマは「きっと、もっと好きになる、kintone」で、さまざまな業界で活躍中のユーザーからkintone+トヨクモ製品の便利な使い方をご紹介いただきました。
今回は、株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー 千葉ブロック統括本部 デジタル改革PT 真鍋太一氏に語っていただきました。
自己紹介
皆さん、こんにちは。株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー(以下、NTT-ME)の眞鍋と申します。
本日は、「トヨクモ製品を活用したインフラ会社の連携強化〜kintoneとトヨクモ製品でインフラ会社との連携を強化!NTT東日本が実現した安心・安全な通信サービスへの取り組み〜」というタイトルでお話しさせていただきます。
はじめに自己紹介です。主に千葉県・茨城県のエリアで社内外のDXの推進や業務改善、デジタル人材の育成をミッションに働いております。
kintone歴は約3年、kintoneの社内での立ち位置は運用管理者兼ユーザーでございます。本日はよろしくお願いします。
会社概要
改めまして、株式会社NTT-MEと申します。当社はNTT東日本の100%子会社です。
事業内容としては、大きく以下の2本立てとなっております。
- NTT東日本の通信サービスの構築・維持・運用
- 一般のお客様向けのソリューション事業
社員数は約1万3000人、NTT東日本グループ全体では約35,500人の規模となっております。
トヨクモ製品導入の背景
トヨクモ製品導入の背景についてお話しさせていただきます。
まず、当社では基幹システムが別にございまして、kintoneはその周辺業務で利用しています。
具体的な用途としては、管理簿関連や社内向けの申し込みフォーム、開発予定システムのPoC作成・検証、工事進捗管理などで幅広く活用しております。
その中で、トヨクモ製品導入前は以下の2つの問題がありました。
- 社員数が多く、予算の関係などから全社員にkintoneアカウントを付与できない
- セキュリティポリシー上、社外ユーザーにkintoneアカウントは払い出せない
そこで、トヨクモ製品のFormBridgeとkViewerを導入し、以下のように問題を解決いたしました。
- アプリを作成しない利用・閲覧のみのユーザーはトヨクモ製品の機能で代替
- 認証機能の活用で社外ユーザーには必要な範囲のみを限定公開
kintoneアカウントの問題については、特定の使い方をするユーザーをトヨクモのFormBridgeとkViewerの機能で代替することで解決しました。
同時に、社外ユーザーをkintoneの中身から切り離して運用できるようになったため、セキュリティポリシーの問題も無事解決できました。
インフラ業務で抱えた問題
私たちインフラ各社は、電気や通信の設備を適切に管理して安心安全なサービスをお届けするために、膨大な設備の点検を日々行っています。
参考までに申し上げますと、NTT東日本では、電柱としては565万本、通信ケーブルとしては130万kmという膨大な設備を抱えている状況です。
そこで、台風や事故などによって発生した設備の異常については、自社での点検の他、事業者や地域住民などから情報提供を受けることがあります。
以下の画像、真ん中の図をご覧ください。
こちらの図では、NTT東日本の設備がどこにあたるのかを指しております。
1つの電柱にはさまざまな事業者が電線などを使っており、一般の方には判断が難しい状況です。そのため、自分の会社のものではない設備に関する依頼が間違ってきてしまうことが多くあります。
安全上の理由などから扱い方が違うため、間違って違う業者が行ってしまうと処置できないことがあります。そのため、私たちインフラ事業者同士で連携をしながら解消していかなければいけません。
改善前の情報共有体制
以下の画像は、他事業者がNTTの設備に異常を発見した場合のNTTへの連絡体制の例を表しています。
他事業者が発見した場合、従来は電話やメールでNTTの窓口宛にご連絡をいただいておりました。ここでは、窓口に電話がつながりにくかったり、混雑していたりといった問題が発生していました。
また、窓口での受付後、社内の受付担当部署から現場の担当部署へ連絡する必要があり、ここでも引継ぎ時間が発生して、対応までにお時間をいただくことがありました。
この情報共有体制こそが、非効率な運用の発生場所となっていたわけです。
トヨクモ製品導入の効果
ここからは、トヨクモ製品の導入効果についてご説明いたします。
まず、現地に最初に行った事業者が自社の設備でないものと判断した場合、FormBrideで作成したフォームから現地の状況写真などを送信します。
そうすると、kintoneを介して自動で該当の事業者に通知が行くため、該当の事業者はkViewerを開いて現地の状況を確認します。
その後、該当の事業者が自社の対応部隊を現地に向かわせ、対応が必要となる設備を解消していきます。
対応完了後、対応状況を再度FormBridgeに入れて送信することで、元々連絡を受けた最初の事業者に状況が共有されるという仕組みです。
同時にデータを蓄積できるため、台風のときに電線が切れやすいなど、地域ごとの傾向の把握ができるようになり、先回りした保守が可能となりました。
導入前後の比較
具体的な導入効果を文字にして、導入前後で比較しながらご説明いたします。
まず導入前は、以下のような状況にありました。
- 現地派遣時に自社設備でなかった場合、電話などでの取次ぎが発生
- エリアによって事業者が違う場合があり、毎回連絡先を確認する必要がある
- 台風などの異常が多発している場合、なかなか窓口につながらず時間のロスが発生
- 取次ぎ後に各社社内での情報流通に時間がかかり、対応完了までに時間がかかる
こういった状況でしたが、トヨクモ製品の導入後は以下のように改善されました。
- 自社設備でなかった場合に、FormBridgeを活用してWeb上での取次ぎを実現
- 情報の参照にkViewerを活用することでkintoneアカウントの払い出しが不要に
- GPS情報により当該エリアに設備を保有する会社を自動判定(要カスタマイズ)
- 電話と比べ、連絡窓口の混雑に関係なく、いつでも情報送信が可能に
- フロースルー化により間に入る部署がなくなり対応完了までの時間を短縮
災害時における速やかな情報連携が可能になったことはもちろん、時間削減によるコスト削減の効果や履歴蓄積によるデータ活用などの付加価値も付けることができました。
これにより、さらに安心・安全なサービスの提供が可能になったのではないかと思っております。
今後の展望
最後に、今後の取り組みについてお話しいたします。
今回ご紹介したシステムは、現在東日本エリアの一部地域でトライアルをしているような状況です。今後、実証を重ねてNTT東日本エリア全体への展開を目指していきたいと考えております。
また、インフラ事業者間では工事情報など、さまざまな情報連携が日常的に実施されています。今後は、このプラットフォームで連携する情報を、そういったあらゆる情報にまで拡大していきたいです。
そうすることで、より効率的な管理を実現し、インフラ事業者間の強化、さらにはインフラ業界全体のサービス向上に貢献したいと思っております。
最後になりますが、FormBridgeおよびkViewerを使えば、さまざまな会社とのコラボの可能性が無限大です。ぜひ、皆さんも使ってみてください。
NTT東日本グループでは、今後も安心・安全なサービスを提供していきたいと考えております。本日はありがとうございました。