アナログ業務から脱却!空き家管理のワークフローをトヨクモ製品でデジタル化

トヨクモが主催する「トヨクモ kintone フェス 2024」のリアルイベントで開催されたコンテスト「トヨクモALIVE」のセッションをご紹介します。

今回はトヨクモALIVEで優勝に輝いた、株式会社モリビ 経営企画室 植田剛士氏にご登壇いただきました。

自己紹介/会社概要

こんにちは、株式会社モリビの植田と申します。本日は、「僕の考える最強のALIVE」をテーマにお話させていただきます。

簡単な自己紹介です。会社員として経営企画の仕事をしながら、浄土宗の僧侶としてお坊さんもやっております。IT経験は特にありません。

kintone AWARD 2023では、グランプリをいただきました。電脳坊主の名前でXをしておりますので、ご興味ある方はフォローをお願いします。

株式会社モリビは、不動産管理・リフォーム、空き家活用事業などを行っている長野県長野市に本社を構える会社です。本日は、空き家活用事業における活用についてお話いたします。

活用中のトヨクモ製品

現在、私たちモリビでは以下3つのトヨクモ製品を活用しています。

まず1つ目はWebフォームが作れるFormBridge。次にkintoneの中身を外部に公開できるkViewer、そして帳票が出力できるPrintCreatorです。

これら3製品に、Toyokumo kintoneApp認証を組み合わせて活用しております。

空き家管理事業について

早速ですが、空き家管理の仕事についてご説明いたします。

空き家管理の仕事は、時間がかかり、手間がかかって、非常に利益が少ないため、誰もやりたくありません。

実は、世の中ではかなり空き家が増えているのですが、実際それに対して前向きに、意欲的に取り組むのはなかなか難しい状況です。

そんな中、当社では、長野県のとある企業から以下のようなプロジェクトのご相談をいただきました。

  • 社員が海外出張によく行く(3〜5年で帰ってくる)
  • 草や木が伸びていたら切って欲しい
  • たまに掃除もして欲しい

こういった状況の方が何人かいて、これからも増えていくということで、当社に空き家管理を任せたいというお話でした。

空き家管理のワークフロー

先ほどの話を空き家管理を担当している部署に伝えたところ、やはりアナログ業務でつまらないし、やる気が湧いてこないという状況でした。

そこで、私が空き家管理のフローを効率化し、「これならやってみてもいいのではないか」という状況に変わったというお話をここからさせていただきます。

改善前の空き家管理

まずは、改善前の空き家管理のフローをご説明します。

はじめに、紙で申し込みをしていただきます。サービスを行ったら、空き家の点検結果を紙に書いてまとめます。

報告する際は、その紙を郵便で送ります。物件を回っているときに「そろそろ草取りしたほうが良さそう」となれば、見積もりを作成して紙で郵送します。

そして、家の持ち主からは電話を通して回答を貰うという非常にアナログな流れです。

トヨクモ製品でデジタル化

先ほどの紙や電話でやっていたアナログなワークフローをFormBridge、kViewer、PrintCreatorの3製品を活用して以下のように代替します。

Before/Afterで見ると以下のようになります。

アナログから切り替えたことによって生まれた定量的な効果を記載しておりまして、一件の仕事につき概ね40分は浮いたかと思います。

また、紙がなくなったことに加えて、郵送もなくなったというのが簡単な定量的な効果です。

このフローでは、kintoneの中に情報を入れて(FormBridge)、出す(kViewer・PrintCreator)ことで効率化を実現しています。

こういった使い方から、私はトヨクモ製品を「kintoneという建物に出入り口をつけるようなサービス」なのではないかと認識しております。

空き家管理システムの解説

空き家管理では、kintoneアプリを2つ使います。メインの「空き家管理アプリ」と報告書を作成するための「空き家管理/報告書作成アプリ」というものです。

それでは、実際に私がどのようにトヨクモ製品を使っているのかお話させていただきます。

申し込みフォーム

申し込みの際は、FormBridgeで作成した空き家管理の新規申し込みフォームから物件の情報、申込者の情報、緊急連絡先を入力していただきます。

そうすると、私たちのkintoneにレコードが追加されます。レコードを開くと入力いただいた情報が入っているのですが、画像のようにまだ虫食い状態です。

もちろん、物件を管理するため、一度物件にはお伺いして、その建物に対して必要な管理やオプションサービスをどうするかといった打ち合わせを行います。

その後、集めた情報を私たちがレコードに入力することによって、いわゆる顧客マスタにもなります。

Toyokumo kintoneApp認証の設定

Toyokumo kintoneApp認証については、FormBridgeとkViewerの両方に設定しています。

FormBridgeはURLが分かれば誰でもアクセスして回答できます。そこに個人情報がなくとも、たまたま拾った人に勝手に回答されると困るため認証をかけています。

また、kViewerのToyokumo kintoneApp認証についてはルックアップが目的です。

例えば、Aさんが点検する物件を検索しようとした場合、その人が担当している物件しか検索結果に出てこないようにしております。

空き家管理〜報告書の作成

現地で点検した人が「空き家管理/報告書作成アプリ」のフォームを通して、物件の写真と点検結果を報告します。

こちらはPCの画面になりますが、実際に現地ではモバイルから入力しています。

報告結果が写真と一緒にkintoneの中に入ってきたら報告書の作成に入るのですが、ここでPrintCreatorが出てきます。

報告書のPDFを出力する際は、出力したPDFがそのまま添付ファイルフィールドに保存されるように設定します。

そうすることで、添付ファイルフィールドに保存された報告書を、お客様がkViewerを介して見れる形になるわけですね。

kViewerでは、カードビューを使用して、色んな物件の情報を投げ入れています。

こちらにもToyokumo kintoneApp認証がかかっているので、アクセスした人の家の報告書しか見れないようセキュリティ性を担保しています。

オプション対応

プラスアルファのオプションの部分の対応をご説明します。

実際に家を回っていると、夏場はたくさん草が生えますし、秋口になると落ち葉が落ちてくるので、その都度基本の点検プラン以外のオプションを提案する必要があります。

そういった見積りについては、お見積書という名前の添付ファイルフィールドに入れておきます。(画面赤枠)

以前はお客様に紙で見積書を送って、電話で回答をもらっていたわけですが、その回答については「ご意見・ご要望」にボタンを設置しているフォームから入力してもらいます。

工事をやって欲しいということであれば、「承諾」にチェックを入れて回答してもらいます。これで、いわゆる注文としての機能も果たせるわけですね。

お客様がチェックを入れて承諾してくれたあとは、kintoneのレコードを開いて担当者確認を「済」の状態にします。

こうすると、先ほどお客様に入力していただいたフォームにロックが入るので、あとからチェックを外して注文してないよと言われることを防ぐことができます。

全体構造

以上が空き家管理の詳細になりますが、大枠としてはこのようにまとめられます。

3つのトヨクモ製品とToyokumo kintoneApp認証を組み合わせることで、登録・サービス・オプションまでを網羅している形になります。

ルックアップで使用している外部公開APIの部分については、これから数が増えてくれば実際に点検を行う協力会社のページに変えてもいいのかなと考えております。

まとめ

ここまでお話させていただきましたが、最近はトヨクモのイベントに登壇した際の私の事例が似てくるようになりました。

3製品を組み合わせて話すネタがないという見方もできますが、製品を組み合わせて解決を目指すロジックや癖が身についてきたのかなとプラスに捉えています。

また、定量的な効果だけでなく、定性的な効果も大事で「これ使ったらなんとかできそう!」といったワクワク感のような部分も大事にしていきたいと思います。

そのため、管理に留まらず、空き家の出口としてリフォームして売却するなど、本気で空き家の未来を考えるきっかけになったのがトヨクモ製品ですというお話でした。

ALIVEというのは、全員が生きていることが大切になってきます。「すべてが生きていて、活気があって、全員が生存している」ということを僕の考える最強のALIVEということでお話しさせていただきました。

以上です。本日はありがとうございました。

質疑応答

司会:ありがとうございました。最後に定性的な部分でワクワクすることを大事にしていきたい、評価をしていきたいというお話がありましたが、その上で何か心がけていることはありますか?

植田氏:そうですね。心がけているというよりは自然な反応として今を観測している感じではあります。

ただ、これまでは何かの業務をデジタルに変えたい、IT化したいみたいなときに、トヨクモ製品を使えばできるのではないかという考えだったんですね。

それが今、トヨクモ製品ありきで、「この組み合わせでこういう新しいことできるんじゃない?」みたいな話が出てくるようになりました。

それはもう、何かマイナスをゼロに戻すのではなく、いきなりプラスのことを製品を使って生み出していることになりますよね。そういうときの彼らの楽しそうな顔はすごくいいなと思っております。

司会:社内の考え方が変わってきているということで、私もお話聞けてすごい嬉しいです。本日はご登壇いただきありがとうございました!