【営業DX】機能だけじゃない!トヨクモ製品導入の鍵は「人」の魅力だった

「私とトヨクモとの出会い」のシリーズは、トヨクモ製品を活用している企業の「製品を知ったきっかけ」や「導入の決め手」、「社内に普及させるための取り組み」を紹介する企画です。

今回は、株式会社成田デンタル(以下、成田デンタル)デジタル推進室 室長の吉原大騎さんにお話を伺いました。

同社では、2023年頃からkintone(キントーン)の活用が本格化。歯科技工所からの要望に応えるとともに、営業現場の課題解決を図る目的で、トヨクモ製品を導入しました。

成田デンタルはどのような経緯でトヨクモ製品と出会い、導入に至ったのでしょうか。

「納品書を発行したい」から始まったトヨクモ製品の導入

【成田デンタルが使っているトヨクモ製品】

  • PrintCreator:kintoneの情報を活用して任意の形式で出力できる帳票サービス
  • DataCollect:DataCollect:kintone内のアプリを跨いだ情報収集・計算ができるサービス

成田デンタルでは、歯科技工所からの要望がトヨクモ製品を導入するきっかけとなりました。吉原さんは当時のことをこう振り返ります。

子会社の技工所から、すでに導入済みだったkintoneを利用して「納品書と請求書を発行したい」と言われたんです。トヨクモさんの存在はCybozu Daysをはじめとする各イベントで認知していたので、「納品書と請求書を発行するには、PrintCreatorとDataCollectが使える」という発想は自然な流れでした。

ただ、「納品書と請求書を発行する」という用途だけでは、今までの経験上、稟議を通すのは難しいと思いました。そこで、稟議が通りやすくなるよう「営業現場で起きている課題にPrintCreatorとDataCollectを当て込めないか?」と考えました。

稟議が通りやすくなるよう、営業現場での課題を考えた吉原さん。自身が業務をするなかで感じたことや、現場からの声をヒアリングした結果、以下2つの課題をトヨクモ製品で解決しようと考えつきました。

【成田デンタルがトヨクモ製品導入前に直面していた課題】

  • 営業担当、および営業の代行者が毎日使うルート表のフォーマットが揃っていない
  • 販売管理の登録で、情報の抜け・漏れが発生している

まずは、ルート表のフォーマットが揃っていない件について、吉原さんは以下のように説明します。

弊社の営業はルート営業で、毎日歯科医院を訪問するため、担当者が休みの場合は代行の者が訪問します。このルート営業を効率よく行うため、訪問する歯科医院の順番や時間、要望といった情報がまとめられたルート表を活用しています。

2023年に、顧客管理を紙ベースから電子に移行する目的でkintoneを導入し、同じタイミングでコロナ禍でルート表も、kintone内で管理するようにしました。このときに、kintone内のルート表のフォーマットを揃えることには成功したのですが、出力のときにフォーマットが崩れるという問題が起きました。

フォーマットがバラバラだと、住所や歯科医院ごとの要望といった情報が漏れ、代行者が困惑してしまいます。この問題を解決する手段として、PrintCreatorが使えるのではないかと考えました。営業担当は各自タブレットを持っていたので、外出先からkintone内のルート表を確認できました。

そのため、タブレットからフォーマットが統一されたルート表を確認することもできるのですが、どうしても紙のほうが使いやすいときもありまして。多くの営業担当はkintoneからルート表をCSV出力し、表計算ソフト上で印刷していましたね。ですが、これだとせっかくkintone内で統一されているフォーマットが崩れてしまいます。しかも、余計な項目が追加されたり、営業担当自身が任意で項目を追加してしまうときもあったりで、結局各自のオリジナルフォーマットになっていたんですよね。

また、販売管理の情報入力に関する課題について、吉原さんはこう語ります。

弊社では、営業担当が新規顧客を獲得した際、kintoneに顧客情報を入力します。その後、事務担当者がブラウザの印刷機能で紙に印刷し、その紙を見ながら販売管理ソフトに入力するという業務フローをとっていました。この過程で情報の抜け・漏れが発生していたんです。

出力した顧客情報(紙)は2~3ページにまたがったり、ページが切れたりすることもあり、情報が見にくい状態でした。また、kintoneから出力した顧客情報のレイアウトと実際に入力する販売管理の画面レイアウトが異なっていたんです。どの情報をどこに入力するべきか分かりにくくなっていたため、入力漏れが発生している状況でした。

入力する情報は年間600件で、対応する事務員の数は2人。私自身も入力のダブルチェックをしていたので、問題の深刻さは直に感じていました。そこで「PrintCreatorを使えば、情報の抜け漏れがない出力ができるのではないか?」と考えました。

導入の鍵になったトヨクモ社員の人柄

子会社である技工所からの要望をきっかけに、トヨクモ製品導入の検討を始めた吉原さん。そもそも、トヨクモ製品のことをどのようにして知ったのでしょうか。トヨクモ製品との出会いを聞くと、意外な答えが返ってきました。

トヨクモとの出会いは、明確に「いつ」とは言えませんね。というのも、少しずつ頭に刷り込まれていたからです。導入を検討する前から朝日奈央さんが出演されているCMを見ていましたし、kintoneのイベントでも大きなブースを構えられていたので。あと職場がある海浜幕張のビルに広告を打ち出していたのもインパクトが大ききかったです。「こんなところに広告を出すなんて、目の付け所がいいなぁ!」と感心しました。そうやって、自然と認知するようになったと思います。”

さらに、トヨクモ製品導入の大きなポイントを「社員の人柄のよさ」だと振り返ります。

イベントでお見かけした、ある社員さんの人柄にとても惹かれました。人当たりがとにかく丁寧で、どこを切り取っても素敵な人だったんです。「こんな人がいるんだ!」と素直に思いましたね。「こんな素敵な社員さんがいるのなら、きっと会社も素敵なんだろう」と、信頼度がグッと上がりました。弊社は、営業が主軸なので、「人」を重視します。営業担当が変われば仕事が無くなるといったことは、決して珍しいことではありません。そういった意味でも、製品を導入する上で、「どんな人が窓口になってくれるのだろうか」という視点は重視していました。

あと、トヨクモさんってどの社員さんも押し売りしないんですよね。「使ってみて良かったら導入してください」って感じなんで、そこも惹かれたポイントでした。

ストーリー性と費用感を意識した稟議

【成田デンタルのトヨクモ製品活用例】

  • PrintCreator:PrintCreator:kintone内の新規顧客情報を、販売管理の入力画面背景の帳票で出力し、情報の抜け漏れを防ぐ
  • DataCollect:kintone内のレコードを自動計算し、PrintCreatorと連携→納品書や経費精算などの任意の帳票と連携する

参考「【3月】ユーザー会レポート 雲の上Talking ~プリントクリエイターNight~

経営層への稟議申請前に、無料お試し体験を利用したと語る吉原さん。その狙いや経緯について、以下のように語ります。

2024年1月頃から、約2ヶ月間ほど無料お試し体験を利用しました。トヨクモ製品を導入する前提で考えていたので、「実際に運用する場合はこんな風になるよ」という実績を決裁者に見せたかったんです。そのため、お試し版の環境が正式な環境にも引き継げるかどうかは、無料お試し体験の時点で確認しました。

稟議を通すためには、実際に使用する社員の「使える!」という声がセットでないと難しいと考えていました。お試し無料体験では販売管理の課題解決に着手し、事務担当者から「使いやすい」と思ってもらえるよう、直接フィードバックを受けながら、仕様を整えました。

無料お試し体験で、トヨクモ製品の実用性について確証が持てた吉原さん。稟議を通す際は「ストーリー性と費用感を重点的に伝えた」と話します。まずはストーリー性を重視した背景について、次のように説明します。

正直な話、経営層はシステムの実用性や優位性について知識がありません。「使ったことがない」という人がほとんどなので、「トヨクモ製品がいかに有用なツールか」を語っても伝わらないと考えました。そこで意識したのがストーリー性です。「こんな風に働きたい!」という理想の働き方に対して、どのようなギャップが起きているのか。理想と現状との間に発生しているギャップを埋めるにあたり、トヨクモ製品がどのように貢献できるのか。そこを重点的にお伝えしました。

また、費用感を重点的に伝えた経緯について、以下のように語ります。

kintoneだけでなく、どの業務改善ツールにも言える話ですが、どうしてもランニングコストがかかります。さらに、追加でコストがかかるプラグインサービスは、経営層に敬遠されがちです。だからこそ月額・年額でどれほど追加でコストがかかるのか、きちんとお伝えしました。

当時、kintone内の環境構築はJavaScriptでカスタマイズしていました。ただ、ユーザーライクな仕様を叶えるためには、JavaScriptカスタマイズだけではどうしても不可能だったんです。その事実を伝えたうえで、「課題解決にインパクトがあるトヨクモ製品の導入・運用コストは必要経費である」と強くお伝えしました。

社内プラットフォームを活用し社内浸透

戦略的な稟議申請で、無事トヨクモ製品の導入に進んだ吉原さん。導入後の社内浸透については、「社内プラットフォームを活用した」と話します。

社内プラットフォームで開催していた月1の勉強会を活用し、kintoneとトヨクモ製品の説明会を開催しました。もともとは、社員個人のマインドセット向上を目的に開催されていた勉強会ですが、「kintoneやトヨクモ製品を知ってもらうのにいい機会では?」と考えたんです。製品の詳しい使い方については、別途使い方動画を作成し、kintoneにアップしました。kintoneとトヨクモ製品は視覚的に操作できるため、非常に優しいUIです。使い方動画を見れば、誰でも簡単に操作できます。「どうやって使うの?」といった操作に関する問い合わせは特に無く、スムーズに浸透したと思います。

改善への要望は、「カイゼンアンケート」をkintoneに配置して集めています。実際に使用するユーザーの声を大事にして、今後も現場の課題を解決していきたいです。

さらに広がるトヨクモ製品の可能性

常に現場の声を第一に、業務改善と向き合ってきた吉原さん。働きやすい社内環境構築のため、今後も意欲的に活動されることでしょう。そんな吉原さんに、kintone×トヨクモ製品を活用した今後の展望を伺ってみました。

今思いつくのは、kViewerを使っての受付システムの改善ですね。弊社では社員研修の際、受付管理を紙で行っています。名簿を作成し、社員が来たらチェックをするというアナログな手法です。具体的には、あらかじめ作っておいたQRコードを研修に参加する社員自身がスマートフォンで読み込みます。そこから社員が氏名などの情報を入力し、その情報を受付者や所属長、外部講師へkViewerを通して開示するという仕組みです。

紙での受付管理だと、チェックの抜け漏れが発生しますし、手間がかかります。また講師から「参加者リストが欲しい」と言われた場合も、わざわざ印刷してお渡ししなければなりません。kViewerを導入すれば、kintone内の参加者情報をデジタルで共有できるので、そういった課題をすべて解決できるのではないかと思っています。

実は、30日間の無料お試しですでに実証実験は済んでいるんです。あとは稟議を通すだけですね。

他にも、提携している技工所への情報開示ツールとして活用できるのではないかと考えています。同じ歯形や入れ歯をつくるとしても、歯同士のきつさや嚙み合わせなどに設定する数値は、歯科医院によって異なります。それぞれの歯科医院独自の情報を、セキュリティを守ったうえで技工所に開示できれば、我々としても技工所としても楽になるのではないかと考えています。”

また、kMailerを活用したアイデアもあると言います。

kMailerを導入し、顧客である歯科医院へのDMを送りたいと思っています。以前は某MAツールを使っていたのですが、マーケティングに特化したツールであるがゆえに、運用費が高額でした。kMailerであれば運用費を抑えたうえで一斉にDMが送信できるため、非常にコストパフォーマンスがよいのではないかと思っています。

弊社は、公式LINEを運用しているのですが、「ビジネス的なお知らせや広告はメールじゃないと読まない」という歯科医院さんも多くて。公式LINEから発信をしてしまうと、情報格差につながる可能性があります。顧客であるすべての歯科医院に対し、平等に情報発信を行うといった意味でも、kMailerは導入したいと考えております。

さらなる営業DXへの意欲を見せてくださった吉原さん。業務改善ツール導入で、忘れてはいけない重要な点を語ってくださいました。

結局のところ、業務改善において大切なのは「何を使うか」ではなく、「課題をどのように解決するか」だと思います。ツールが有用なだけでは、根本的な課題解決にはつながりません。稟議の際も、「なぜそのツールが会社や該当部署に必要なのか」きちんと説明できなければ、導入自体が認められません。

課題に対してどのようなツールをあてがうか。それを説明するには、現場の実情を知らなければ何も始まらないのです。あくまで重要なのはツールの利便性ではなく課題意識。トヨクモ製品の導入を検討される方々には、ぜひそのことを忘れないでいただきたいですね。

リアルな声が集まるユーザー会には足を運ぶべき

これまであらゆるDXツールのユーザー会へ参加してきた吉原さん。他社製品のユーザー会では責任者も務めるほど、DXツールへの知見に富んだ方です。吉原さんにユーザー会の魅力について尋ねたところ、「絶対に足を運ぶべき」とのコメントをいただきました。

ユーザー会では綺麗な活用事例だけでなく「こんな壁にぶち当たりました」や「こんなことに困っています」といったリアルな声が集まります。ツールの活用方法は、会社によってさまざまです。他社の課題や活用方法などを知ることで、自社の課題解決につながる場合もあるので、ユーザー会には絶対参加するべきだと思いますね。

ユーザー会は本当に温かい場所です。会社の枠組みを超えて、お互いの課題を一緒に解決できます。先日、私もトヨクモさんのユーザー会で、PrintCreatorの活用事例を発表させていただきました。そのときも他社の方から「そんな活用方法もあるんですね!」と声をかけていただきました。自分の経験が誰かのためになっているという実感が湧いて、とても嬉しかったです。

トヨクモさんは人が魅力の会社であるからこそ、各社のツール担当者も温かい方が多いのかなって思っています。ユーザー会に参加されたことがない方は、ぜひ足を運んでみてください!

kintone×トヨクモ連携ツールで業務改善に成功した活用事例は、トヨクモkintoneフェスで一挙公開します。

 トヨクモkintoneフェス参加で得られる情報

  • トヨクモユーザーが語るサービス活用のコツ
  • もっと便利なkintone活用法
  • トヨクモ製品の新機能紹介
  • 業種/職種別の活用例集
  • 初心者マニュアル/設定テンプレート
  • 他社比較
  • 初心者向けのセッション
  • トヨクモユーザーとの交流の機会

トヨクモkintoneフェスでは、トヨクモ製品の具体的な活用事例をバックオフィス、現場マネージャーなどといった業種・職種別に幅広く紹介。加えて、kintoneやトヨクモ製品のユーザーとの交流を通して、業務で直面している悩みやその解決策を共有することもできます。トヨクモ製品の活用法やコミュニティへの参加に興味のある方はぜひご参加ください。

 

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