電子契約には、メリットばかりではなくデメリットが存在することも否定できません。デメリットに対する解決策や対処法を知っておくことで、導入後の不安を解消できるでしょう。
「電子契約のデメリットを知りたい」「電子契約のデメリットを解消する方法はある?」と疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
本記事では、電子契約を導入するデメリットや、それを解消するための解決策や対処法についても解説します。
書面契約から電子契約への切り替えを検討しているものの、電子契約にどのようなデメリットや注意点があるか気になり、導入に踏み切れないという方はぜひ参考にしてください。
電子契約のデメリット・注意点4つ
電子契約には多数のメリットがありますが、デメリットがないわけではありません。電子契約を導入する際は、下記のデメリットを判断基準に含めましょう。
- 全ての契約には適用できない
- ワークフローの変更に手間がかかる
- 相手方への承諾を得る必要がある
- 一度導入したシステムの変更が難しい
ここでは、それぞれのデメリットと注意点について解説します。
1. 全ての契約には適用できない
電子契約は、すべての契約に適用できるわけではなく、一部の契約は法律によって、紙での契約や押印が求められることがあります。
具体的には、以下のような契約は電子契約が不可となっています。
文書名 | 根拠法令 |
事業用定期借地契約 | 借地借家法23条 |
企業担保権の設定又は変更を目的とする契約 | 企業担保法3条 |
任意後見契約書 | 任意後見契約に関する法律3条 |
近年はさまざまな法改正によって電子化が促進されているので、今後もこれらの電子契約に関する法令が緩和される可能性もあるでしょう。
実際に、不動産取引に関する媒介契約書などの一部の契約書は、デジタル改革関連法によって電磁的方法により行うことが可能になりました。
ただし、条件として消費者から承諾や希望を得なければならないケースもあるので注意が必要です。
電子契約を導入することでさまざまなメリットがもたらされる一方で、一部の契約書は電子化できないと法律で定められているケースがあるので注意が必要です。 「法律によって契約書を電子化できない書類を知りたい」「電子契約ができない理由は?」と疑[…]
2. ワークフローの変更に手間がかかる
電子契約システムを導入するためには、専用のシステムを導入する必要があります。そのため、従来の業務フローを見直さなければなりません。
契約書の作成、送信、承認、保管といった各プロセスのデジタル化が必要なので、新たな業務フローを受け入れるのに抵抗を感じるケースもあるでしょう。
また、新たな電子契約システムを導入する際には、スタッフに対する教育が必要になるケースもあり、導入に向けての社内調整が必要です。
とくに、従来の紙ベースの業務に慣れている従業員にとっては、新しいシステムを習得することに抵抗感を覚えることもあるでしょう。
3. 相手方の承諾を得る必要がある
電子契約を締結するには、契約の相手方も電子契約の使用に同意する必要があります。
メリットがあるとはいえ、電子契約に同意を得られなければ、一方的に電子契約へと切り替えることはできません。
相手方が電子契約の技術に不慣れな場合や、そもそもPCを導入していない場合、電子データでの契約は難しいでしょう。
相手方が電子契約に同意しない場合、取引先には従来の紙ベースで保管してもらい、社内では電子データで管理するといった、書面と電子契約の併用がおすすめです。なお、電子帳簿保存法を正確に遵守する場合、紙の書面を廃棄しても問題はありません。
4. 一度導入したシステムの変更が難しい
電子契約システムの多くは、SaaSと呼ばれる長期利用を前提としたサブスクリプション形式で提供されています。
そのため、電子契約サービスを導入したものの、自社にとって合わなかった場合、簡単に他のサービスへ乗り換えられないというケースもあります。
実際、電子契約サービスによっては、導入するシステムが特定ベンダーに依存してしまう「ベンダーロックイン」状態が発生しかねないものもあるため、条件はよく確認するようにしましょう。
なお、メジャーな契約システムには無料プランが用意されているので、一度試用して自社に適しているかを確かめるのもおすすめです。
電子契約のデメリットに関する解決策・対処法
電子契約のデメリットは、以下の方法で対処・解決できます。
- 電子契約の利用規制はほぼ解消された
- 社内の現状維持バイアスに対する調整を行う
- 取引先には一部の契約類型に絞って移行を提案する
- サービスの移行が困難なシステムを見分ける
それぞれの解決策や対処法について見ていきましょう。
電子契約の利用規制はほぼ解消された
近年、電子契約に関する法規制は緩和され始めており、電子契約が法的に有効であると認められるようになっています。
日本では電子署名法や電子帳簿保存法が整備され、電子契約の法的有効性が明確になりました。
各業界においても、電子契約に関するガイドラインが整備され始めており、業界特有の要件や手続きが明確化され、電子契約の導入が容易になっています。
社内の現状維持バイアスに対する調整を行う
現状維持バイアスとは、現状を維持しようとする心理的傾向のことです。
特に従来の紙ベースの契約プロセスに慣れ親しんでいる従業員にとっては、電子契約の導入に対して抵抗感を持つことが多く、心理的な障壁となることがあります。
「電子契約システムの操作は簡単」「従業員が問題なく活用してくれる」と思いこまず、反対意見が出るケースも想定しておきましょう。
反対意見に対しては、電子契約を導入するメリットを正しく理解してもらったうえで、従業員に対する教育やトレーニングが不可欠です。
システムの使い方や電子契約のメリットについての教育を行い、従業員が新しいプロセスにスムーズに移行できるようにしましょう。
取引先には一部の契約類型に絞って移行を提案する
すべての契約を一度に電子契約に移行するのではなく、まずは特定の契約類型に絞って導入を提案することをおすすめします。
一つの取引先との間でも、秘密保持契約書や取引基本契約書、注文書、覚書など、さまざまな契約類型があるのが一般的です。
たとえば、定期的に発生する取引契約や、比較的金額が小さい契約など、リスクが低く導入しやすい契約から段階的に始めるといいでしょう。
通数が多く、コスト削減など双方にメリットが確実にある注文書だけ電子化を交渉し、徐々に電子契約を提案するのが現実的です。
サービスの移行が困難なシステムを見分ける
電子契約サービスを選定するにあたって、ベンダーロックインされかねないサービスかどうかを見分けることも重要です。
システムの仕様は、サービスによって異なっているため、コストや技術的な観点から、移行が困難になる可能性が少なくありません。
よって、サービスを選定する際には、内部の仕様にも注意する必要があると言えるでしょう。
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