【kintoneapp×法務】FormBridgeで叶える案件管理とナレッジ蓄積

「私とトヨクモとの出会い」のシリーズは、トヨクモ製品を活用している企業の「製品を知ったきっかけ」や「導入の決め手」、「社内に普及させるための取り組み」を紹介する企画です。

今回は、医療コンサルティング会社の法務部管理職として、トヨクモ製品の導入に関わった稲垣 光義さんにお話を伺いました。

稲垣 光義さん

稲垣さんは2023年4月頃から、業務の見える化やDXを目的とした業務改善に着手しています。同年9月頃にkintone(キントーン)およびトヨクモ製品を導入し、現在も積極的に活用中です。

稲垣さんはトヨクモ製品とどのような経緯で出会い、何が決め手で導入に至ったのでしょうか。

前管理職の退任によるナレッジの喪失

2023年4月より、法務部の管理職となった稲垣さん。当時の部署の課題について、以下のように振り返ります。

私が管理職になった当時の課題は「経験」という資産が残っていないことでした。弊社の法務部には、各病院や施設から法務的相談が寄せられるのですが、その際の回答プロセスやナレッジがほとんど残っていなかったんです。

前管理職は職務経験が大変高く、経験則による判断で部署を統括していました。在籍しているうちはよかったのですが、退職したことをきっかけに部署のナレッジが無くなってしまったんです。前管理職は電話や対面でのコミュニケーションを重視していたため、案件への回答結果やプロセスを書面として残していませんでした。部署内や顧客との連絡はメールも併用はしていましたが、基本的に電話を使う文化だったので、どうしても情報の欠落があったんです。退任されたことをきっかけに課題が浮き彫りとなりました。

私が管理職になった当初、4年前に対応した案件が再燃したことがありました。ところが、当時の回答結果やプロセスを部署内の誰も答えられなかったんです。そうなると、また初期の情報や経緯を現場(病院や施設)から聞き取りしなければなりません。プロセスが分かっていたら飛ばせたはずの工程を、再度行う必要があったため、対応スピードが遅くなってしまいました。「この状況は早急に改善すべきだ」と感じました。

それから案件進捗状況を見える化し、案件対応時に部としてどのような判断を下したのか、データベースで記録するという業務改善に着手しました。

前管理職の退任をきっかけに業務改善に着手した稲垣さん。FormBridgeを活用した現在の運用について、以下のように説明します。

現在は、FormBridgeで作成したフォームから、各病院や施設の方に問い合わせをしていただくよう運用をしています。お問い合わせしていただいた内容はkintoneにデータベースとして蓄積されるので、そこに我々が回答結果やどのように対応したのかの経緯について記録をしている状況です。

各病院や施設の方には、基本的にフォームからの問い合わせをお願いしておりますが、状況に応じて電話での問い合わせも受け付けています。ちょっとした質問もすべてフォームからとなると、問い合わせに対するハードルが上がってしまいますので。きちんと記録しておくべきリスクの高い案件や問い合わせに関しては、必ずフォームに入力するようお願いしています。

【トヨクモ✕kintoneとの出会い】Webサーチとイベントに参加

■︎稲垣さんの会社で導入されたトヨクモ製品

  • FormBridge:kintoneアカウントがない人も登録できるWebフォームサービス

現在、FormBridgeで案件管理とナレッジ蓄積を行っている稲垣さんですが、業務改善のツールとはどのようにして出会ったのでしょうか。

kintoneとの出会いは、Webサーチとイベントに参加したことがきっかけでした。もともと表計算アプリで行っていた簡易的な案件管理を、法務部向けに作られた専用の業務管理システムに移行しようと思ったんです。表計算アプリでは、案件のタイトルや相談された日付などのざっくりとした情報の管理をしていました。しかし、回答までのプロセスのような細かい情報は管理できなかったんです。それで業務管理システムを探すための情報収集として、Webサーチを始めて、同時期に「法務・知財EXPO/総務・人事・経理Week[春](以下:EXPO)」に足を運びました。

kintoneを検討するようになったのはEXPOに参加したときだったと思います。他社の活用事例を拝見して、「我々でも導入できそうだ」と感じました。kintoneは法務管理システムと比べると明らかに利用料が安かったですし、汎用性に関しても優位。インターフェースが使いやすく、アプリをカスタマイズできる点も魅力的でした。kintoneに有償プラグインを導入すれば「やりたいことはできるだろう」と感じましたね。

表計算アプリから法務専用システムへの移行を検討するなかで、kintoneと出会った稲垣さん。トヨクモ製品との出会いと導入の決め手について、以下のように振り返ります。

FormBridgeを検討しはじめたのは、kintoneを知ったのとほぼ同時期だったと思います。EXPOに行く前からWebサーチでよく見かけていましたので、存在は認知していました。導入を決定する前から「よく知られている製品」としての安心感がありましたね。マニュアルが手厚く、活用事例も豊富にWebにアップされていたので、そういったところも導入の決め手になりました。

FormBridgeにした1番の決め手は、やはりkintoneと連携できる点ですかね。既存のクラウドサービスにもフォームツールはありますが、そうなるとkintoneに問い合わせ内容を転記する必要があります。FormBridgeだったら問い合わせ内容や情報を、直接kintoneにデータベースとして残せるので、導入を決めました。

「中小企業デジタルツール導入促進支援事業」を活用

支援内容:デジタルツール導入

支援対象:都内の中小企業者または中小企業団体

支援率:助成対象経費の1/2以内(小規模企業者については 2/3)

支援限度額:最大100 万円(下限額 5 万円)

稲垣さんはkintoneとFormBridgeを導入する際、東京都中小企業振興公社が実施する支援事業「中小企業デジタルツール導入促進支援事業」を利用しました。支援事業を利用しようと思ったきっかけについて、以下のように振り返ります。

支援事業を利用したのは「初期導入コストを削減するためです。私はもともと人事や法務の仕事をしていたこともあり、支援事業の存在やだいたいの申請方法については知識がありました。kintoneとFormBridgeを導入した当時も、自然と「使える支援事業があれば積極的に使おう」と考えていましたね。調べていく中で今回のkintoneとFormBridgeの導入が「中小企業デジタルツール導入促進支援事業」の対象となると判明し、申請スケジュールにも余裕があったので、申請したというような流れです。

kintoneとFormBridgeの導入が「中小企業デジタルツール導入促進支援事業」が助成対象になると判断した理由について、稲垣さんは以下のように振り返ります。

今回のツール導入が支援事業の対象になるのかどうかの判断材料として、東京都中小企業振興公社が出している概要PDF冊子をよく読み込みました。その時点で助成対象になることはだいたい予測できましたが、念のため窓口にも電話で問い合わせをしました。窓口の方にも「支援事業の対象になる」と言っていただけたので、安心して申請できましたね。

採択された理由としてはあくまで考察ベースになりますが、やはり「kintoneと連携できる」という点が1番大きかったのかなと思います。「中小企業デジタルツール導入促進支援事業」は、DX化を推進する支援事業です。Webデータベースが中心であるkintoneと一緒に導入するという点で、FormBridgeもDX化の促進につながると判断されたのではないでしょうか。

「中小企業デジタルツール導入促進支援事業」の申請を完了するまでの期間について、稲垣さんは以下のように語ります。

「中小企業デジタルツール導入促進支援事業」の利用には、申請準備から完了までトータル3ヶ月ほど時間を要したと思います。必要書類には見積書や契約書も含まれるので、申請準備とツール導入を並行しながら進めた感じです。その他、必要書類の数が多いので手配や準備は大変でした。

現在、DX化や業務効率化を目的とした助成金・補助金事業は複数存在しますが、いずれも申請に準備が必要。ツールを導入してからも、領収書の取得や導入報告などを行う必要があります。ただし、申請が通り支援を受けることができればコストを抑えて業務改善を進められるため、余裕を持って準備することが重要だと言えそうです。

では、申請前の社内稟議について、困難な点や通りにくさを感じたことはあったのでしょうか。

稟議を通す際、特に困難な点や通りにくさを感じませんでした。もともと弊社の社長は「有益であるならやりなさい」という考えの持ち主なので、快く承認してくださった感じですね。支援事業を利用するかどうかが稟議の結果を左右する要因にはならなかったと思います。

ですが「支援事業を利用したうえで、初年度は初期費用を抑えます」ときちんと説明しました。支援事業を利用したことは「経費削減への意識を持っている」というアピールポイントのひとつにはなったかと考えています。

計画的Web説明会でスムーズな社内浸透

稲垣さんが在籍する法務部には、各病院や施設からさまざまな法務的相談が寄せられます。全国各地に拠点がある同社では、Web説明会を中心に社内浸透を図りました。「まずは各部門長にメリットを説明した」と語る稲垣さんですが、どのようなメリットを伝えたのでしょうか。

各部門長へは、「自部門の問い合わせ管理が今までよりやりやすくなる」とお伝えしました。kintoneとFormBridgeを導入する以前は、各病院や施設の事務責任者が、法務部に直接問い合わせしていました。必要に応じて事務責任者が部門長へ報告していたかと思いますが、すべての問い合わせを部門長が管理することが難しかったんです。

そこで「kintoneとFormBridgeを導入すれば、自部門に関わる問い合わせは必ず確認できます」とお伝えしました。FormBridgeでは問い合わせ送信後、受付完了メールを自動で送信できます。問い合わせた本人だけでなく、所属区分に応じて関連する部門にメールを送れますので、部門長も自動的に内容を確認できるんです。現場で何が起きているのかを把握しやすくなるという部門長側のメリットをお伝えし、賛同を得ました。

部門長へのメリット説明後、「各拠点の事務責任者へWeb説明会を実施した」と語る稲垣さん。Web説明会の手順や流れについて、以下のように振り返ります。

Web説明会を実施するにあたり、まず各拠点の事務責任者にメールで案内をお送りしました。法務相談の流れを変更する旨や、Web説明会の日時を記載したうえで、都合の合う方にリアルタイムでご参加いただいたという流れです。都合が悪くリアルタイムで参加できない方に向けてはアーカイブを残していましたので、そちらを見ていただくよう周知しました。

稲垣さんは大規模なWeb説明会を計画的な段取りで完了させました。既存の運用方法を変えることやツール導入に関して、現場から反対の声はなかったのでしょうか。当時の様子と説明するうえで心がけた点を振り返ります。

幸いなことに大きな反対の声は挙がりませんでした。もともとメールで問い合わせをしていたということもあり、テキストで問い合わせをする点に抵抗感はあまりなかったようです。心がけた点としては、フォームに入力することで得られるメリットをきちんとお伝えしました。テキストボックスを区切ることで情報漏れをなくせる点や、法務部が欲しいと思っている情報を不足なく入力できるといった双方にとってのメリットを細かくお伝えしたので、スムーズにご理解いただけたかと思います。

トヨクモ製品で広がる業務改善

2024年1月からkintone✕FormBridgeの運用を開始した同社。各事務責任者や部門長をはじめとする現場からの反響はまだないものの、法務部のメンバーからはポジティブな反響がすでにあるようです。導入後の成果について稲垣さんは以下のように振り返ります。

法務部としては、業務改善を始めた当初の目的を達成できたのではないかと考えています。
案件の解決スピードが上がっているという手応えは感じていますね。kintone✕FormBridge導入以前はメールを中心に相談を受けていましたが、依頼者が必要だと思った内容しか記載されていませんでした。法務部からすると必要な情報が記載されていないこともあったので、余分なラリーが発生していたんです。FormBridgeを導入することで、5W1H(誰が・いつ・何で困っているのか・連絡先など)に基づいて情報を記録できるようになりました。依頼時の情報不足が改善され、ラリーの回数を減らすことに成功したことで、案件解決スピードが上がったと自負しています。

またFormBridgeの導入はナレッジ蓄積にも大きく貢献していると感じます。定期的に5W1Hに基づいた情報が記録されていきますので、対応が適切であったか、事後に振り返りをする場面で非常に役立っていますね。

トヨクモ製品で業務効率化の幅をさらに拡大

今回の取材では、自部署や会社全体の課題を冷静に分析したうえで、入念に導入準備を進める稲垣さんの姿が印象的でした。稲垣さんのお話からkintone✕FormBridgeが、案件管理とナレッジ蓄積に大いに活用できることが分かります。稲垣さん同様、法務部で働いている方や案件管理・ナレッジ蓄積でお困りの方には、非常に参考になるケースです。

そんな稲垣さんに、トヨクモ製品を活用した今後の展望について尋ねてみました。

kintone✕FormBridgeの運用が軌道にのれば、kViewerを活用し依頼者にリアルタイムでフィードバックできる仕組みを作りたいと考えています。現在は依頼者がkintoneアカウントを保持していないため、依頼内容を独自に記録したり記憶しておいたりする必要があります。kViewerを導入すれば案件がどういった処理状況にあるのか、kintoneアカウントを持っていない依頼者もリアルタイムで確認が可能です。依頼者に必要な情報のみを開示できる仕組みを構想しているところです。

あとはFormBridgeを活用してカスタマーアンケートを実施したいですね。法務部の対応に不備や押しつけはなかったか、説明の仕方に問題はなかったかなどを聞き取りすることで、依頼者視点が養われるのではないかと思います。

他にもPrintCreatorを活用する可能性もあります。なるべく「紙を廃止したい」という思いがありますので、ペーパーレス化やレポートの見栄えを良くするうえで活用するかもしれません。

トヨクモ製品を活用し、さらに業務改善の幅を広げる意欲を見せてくれた稲垣さん。最後にトヨクモ製品を検討をされている人に向けてメッセージをいただきました。

法務部や事務系の方は、そこまで詳しいパソコンやITの知識は持ってないと思います。トヨクモ製品の魅力は、そういった専門性がない方でも、業務管理システムを開発できる点です。kintoneと連携しているので、マニュアルや活用例が豊富にそろっていますし、操作も難しくありません。時間はかかるかも知れませんが、意欲さえあれば独自の業務管理システムを開発できるのでおすすめです。外注するよりも低コストで開発できる点も魅力だと思います。

kintone×トヨクモ連携ツールで業務改善に成功した活用事例は、トヨクモkintoneフェスで一挙公開します。

  • トヨクモユーザーが語るサービス活用のコツ
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  • 業種/職種別の活用例集
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  • 初心者向けのセッション
  • トヨクモユーザーとの交流の機会

トヨクモkintoneフェスでは、トヨクモ製品の具体的な活用事例をバックオフィス、現場マネージャーなどといった業種・職種別に幅広く紹介。加えて、kintoneやトヨクモ製品のユーザーとの交流を通して、業務で直面している悩みやその解決策を共有することもできます。トヨクモ製品の活用法やコミュニティへの参加に興味のある方はぜひご参加ください。

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