トヨクモが主催する「トヨクモ kintone フェス 2024」のリアルイベントで開催されたコンテスト「トヨクモALIVE」のセッションをご紹介します。
今回は、鬼頭和秀氏にご登壇いただきました。
自己紹介/会社概要
こんにちは、鬼頭です。本日は、「新たなる希望と、力の覚醒」というタイトルでお話しさせていただきます。
当社は、スマートグラスを作っている会社になりまして、「社会課題をスマートにグラスで解決」というミッションを掲げています。
人材不足・技能伝承・シニア人材活用などの社会課題をスマートグラスを使って解決しようとしている会社です。
kintone・トヨクモ製品活用の歴史
当社でのkintone・トヨクモ製品活用の歴史を順にご説明いたします。
導入前の状態
まずはkintone導入前、当社では某販売管理サービスで販売管理とライセンス管理をしていたのですが、以下のような状態でした。
- 設計者退職でメンテナンス不可
- 度重なるシステムの問題と対応
- 社内では「四苦八苦システム」の二つ名
システムを作った人が辞めてしまったため、毎日のように問題が出てきて対処するということをしていました。
見積もりを作成するのに平気で10分かかることがあるような状態で、社内では「四苦八苦システム」なんて呼んでおりました。
kintone・トヨクモ製品導入
新しいビジョンに目覚めたのが2023年4月になります。
運用コストを下げて利用料も下げて、それでいて使い勝手を上げてみんながハッピーになる方法はないかと考えたところkintoneを発見しました。
kintoneへの乗り換え計画ということで、ここから実際に私一人で作り始めます。kintoneアプリの設計や開発、前のデータの移行方法の検討などを8ヶ月に渡り、一人で黙々と取り組んでいました。
そして構想から8ヶ月、ちょうど2023年末ぐらいになるのですが、試験運用を開始いたしました。そのタイミングでkMailerとPrintCreatorも導入しています。
試験運用では、実際に社員にいろいろと使ってもらいデータ移行とアプリの使い勝手の調整を行いました。そして、2024年3月に本番運用開始に至ります。
ここまで、ずっと1人で諦めない心で取り組んできました。
導入後の改善効果
最後に導入後のお話になります。旧システムでは、フォームに余計な項目が数多くあり、必要性の分からない作業をしていましたが、現在はそういったことは一切なくなり負荷が軽減されました。
請求書についても、お客様によってはパスワードをつけて送るよう言われて時間がかかっていたのですが、現在はkMailerを使うことで無意識にセキュアで送信できています。
そうして、社員全員が四苦八苦から解放されました。
事例紹介.販売管理アプリ
kintoneで販売管理アプリを作成しました。販売管理アプリ全体の構成は以下のようになっています。
マスターアプリと業務アプリを合わせて全部で20個弱ほどのアプリで構成されています。
見積りや受注、請求、ライセンス管理などでPrintCreatorとkMailerを活用しています。
3つの工夫ポイント
今回、工夫したポイントとして以下の3つをご紹介いたします。
- 空白操作の奥義(PrintCreator)
- その他設定の秘術(kMailer)
- メールテンプレート召喚魔法(kMailer)
それぞれについて詳しくご説明いたします。
1.空白操作の奥義
まずは、PrintCreatorで使える「空白操作の奥義」をご紹介します。
PDFを作成する際、空白があったり、何かを入力すれば値が入ったりする帳票を作成することがあると思います。
このとき、空白を許可しているために、入力が必要なときでも空白のまま保存できてしまうという問題が起きます。
本当は必須項目にしたいけど、そうすると空白にできないから必須項目に設定できないというときにどうすればいいのか、その解決策がこれからご紹介する空白操作の奥義です。
こちらの画像をご確認ください。
PrintCreatorの設定画面に、「値が0の場合:空欄にする」というチェックボックスがあります。これにチェックを入れると、0を入力したとき空白になるんですね。
0と入力するとフォーム上は0が入っていても、PDFで帳票出力すると空白になります。
当社ではこれに加えて初期値をあえて設定せず、登録者側に0を入力してもらうことで意識付けを行い、意図しない空白状態が一切出なくなりました。
2.その他設定の秘術
次に、kMailerで使える「その他設定の秘術」をご紹介します。
kMailerでメールを送信する際、レコードに登録された送信先以外の上司や営業先などを含めてメールを送りたいといった場面があると思います。
その場合、kMailerの「メールを作成する」の画面下部にある「その他の設定を行う」を押してみてください。
そうすると、「オプション設定を行う」という画面が出てきます。
こちらの画面から、都度手動で任意の送信先を追加することができます。
これだけの簡単な作業で、個別対応が必要なくなります。kMailerの利用者に使い方を教えるだけで改善できるので、非常に簡単です。
3.メールテンプレート召喚魔法
最後に、同じくkMailerで使える「メールテンプレート召喚魔法」のご紹介です。
こちらは、Toyokumo kintoneAppにログインせず、kMailerの設定画面にも入らずにテンプレートを追加・編集できる方法です。
皆さんkMailerを設定するとき、はじめにメールテンプレートアプリを作成されていると思います。
やることは単純で、そのメールテンプレートアプリをkintoneで開いてレコードを追加するだけでメールテンプレートを登録することができます。
プラスボタンを押すと通常通りkintoneのレコードの編集画面が出てくるので、タイトル・件名・本文を入れて保存するだけです。
表示順という項目の数字を変えれば、テンプレート選択時のリスト順も変更可能です。
テンプレートの編集については、元々あるレコードを編集するだけなので、Toyokumo kintoneAppやkMailerを一切経由せずにkintone内のみで完結します。
また、こちらはkintoneアプリ内での作業になるため、アプリのアクセス権を調整することで作業者をコントロールできます。
レコード追加・編集にチェックを入れておけばテンプレートを追加できますし、通常のユーザーはレコード閲覧だけにしておけば誤って変更されることもありません。
このように、Toyokumo kintoneAppのアカウントを新たに作成・共有する必要もなく、kintoneアプリのアクセス権のみでユーザーごとに制御することが可能となります。
まとめ
システムが使いやすくなったことで、当社では社内の雰囲気がすごく良くなりました。
今回ご紹介したPrintCreator・kMailerで使える3つの技はいずれも非常に使えるので、ぜひ覚えて効率化に役立ててください。
本日はありがとうございました。