kintoneで小数点以下を四捨五入/切り上げ/切り捨てするには?計算方法3つを解説

kintone(キントーン)にはExcelのように自動計算機能が備わっています。計算機能を活用するにあたって、「整数にしたい計算が小数になってしまう」「端数処理の方法が分からない」と疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

関数や計算フィールドの機能を使うことで、計算結果を四捨五入/切り上げ/切り捨てすることができます。

本記事では、kintoneの自動計算機能における端数処理の設定方法を具体的に解説します。

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小数点以下の桁数を変更する方法

ここでは例として消費税を計算してみます。案件管理アプリをベースにして、以下のフィールドを追加しました。
金額に消費税10%をかけて、税込価格を計算してみます。

適当な数値を入力すると、消費税が小数で表示されてしまいました。

計算結果を四捨五入/切り上げ/切り捨てする3つの方法をご紹介します。

YEN関数を使う

kintone ヘルプページでYEN関数の設定を参照してみます。▲参照:kintone ヘルプ:[YEN関数]計算結果を四捨五入して¥(円)形式で表示する

「税込価格」を整数にしたいので、計算式を以下に変更します。

  • 「消費税」フィールド 計算式:金額*0.1
  • 「税込金額」フィールド 計算式:YEN(SUM(金額,消費税), 0)

YEN関数を使用する際は文字列1行フィールドにしないと計算エラーになってしまうため、計算フィールドではなく文字列1行フィールドを使用します。

これで税込金額が整数で表示されました。

YEN関数は小数点以下だけでなく、一の位や十の位を四捨五入する際にも使用できます。

YEN関数を使用するデメリットとして、計算結果が文字列として扱われる点が挙げられます。すなわち、「税込価格」の計算結果を他のフィールドの計算に使用することができません。

また、消費税の端数処理は法的には定められておらず、四捨五入/切り上げ/切り捨ては販売する企業によって方針が異なります。しかし小数点以下を切り捨てて計算することが多数であるため、四捨五入が適さない場合もあるでしょう。

計算フィールドの「小数点以下の表示桁数」

計算結果を数値として扱いたい場合、文字列1行フィールドではなく計算フィールドを使用する必要があります。計算フィールドには「小数点以下の表示桁数」という項目があるので、これを使って計算してみましょう。

赤枠の小数点以下の表示桁数を0にすると、自動的に小数点以下が切り捨てて計算されます。

「税込価格」フィールドを計算フィールドで作成し、「小数点以下の表示桁数」を「0」に設定します。
以下のとおり小数点以下が切り捨てられた数値が自動計算されました。計算結果は数値として扱われます。

この方法であれば、YEN関数のように¥に限定されず、計算結果を数値として他のフィールドに引用することができます。

しかし、CSVファイルに書き出してみると、小数で表示されています。

「小数点以下の表示桁数」とあるとおり、この機能では切り捨てられるのはあくまで表示されている数値で、データとしては小数点以下も保持されている状態になっています。

計算結果をkintone内で使用するだけであれば問題ありませんが、PrintCreatorで帳票印刷を行う等、連携サービスを利用する際はデータ内の数値が小数のままでは問題が発生する場合もあるでしょう。

ROUND関数

計算結果を数値として扱いたい、データ上でも整数にしたい。そういった場合はROUND関数を使用することができます。▲参照:kintone ヘルプ:[ROUND関数、ROUNDUP関数、ROUNDDOWN関数]数値を四捨五入、切り上げ、切り捨てする

ROUND関数は計算結果が数値になります。計算結果を他のフィールドに引用して計算できるので、ここでは「税込金額」ではなく「消費税」をROUND関数で計算してみます。

計算式は以下のとおりです。

  • 「消費税」フィールド 計算式:ROUND(金額*0.1, 0)
  • 「税込金額」フィールド 計算式:SUM(金額,消費税)

この計算式でレコードに数字を入れてみると、消費税が小数点以下切り上げで計算され、税込価格も整数になりました。

書き出したCSVファイル内でも小数点以下が四捨五入されています。

切り捨てたい場合はROUNDDOWN関数、切り上げたい場合はROUNDUP関数と使い分けることで、使用目的に合った計算結果が得られます。
これらの関数は小数点以下だけでなく、一の位や十の位を四捨五入する際にも使用できます。

まとめ

計算結果の端数処理をする方法を3つ解説しました。自動計算機能を上手く活用すれば、案件管理や経費精算に役立てることができます。

それぞれの特徴は以下の表のとおりです。
特徴を理解し、目的に合った計算方法を選択してkintoneを活用しましょう。

計算結果 端数処理 整数になる数字
YEN関数 文字列 四捨五入 表示上
データ内
計算フィールド
「小数点以下の表示桁数」
数値 切り捨て 表示上のみ
ROUND関数
ROUNDUP関数
ROUNDDOWN関数
数値 四捨五入
切り上げ
切り捨て
表示上
データ内

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